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天下の再構築 ~信長幼将戦記~   作者: 飛里信成


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第五章 女房鉄砲仏法 力への意志(15)

 吉法師は奥堂を覆う大木の枝から眼下を見下ろしていた。


 寺の境内からは自分を捕まえようとする三十名余りの集団が次々と手前の山中に入り込んでいた。またその右奥からは五十名余りの味方尾張の軍勢と思われる集団が崩落した側道の橋の所を越えて駆け付けようとしていた。


 山中には奥堂へと続く道は無い。目印を知らぬ者が入り込めば山中でその方向を見失い、迷い込む仕掛けになっている。前の集団が山中で迷い込んでいる間に、後方から迫る味方の軍勢が後詰として背後から追い付く。吉法師は冷静に二つの集団の時間差を計っていた。


(寺の若い四人もこちらに向かって来ている、彼らがうまく前の集団を牽制してくれれば更に時間が稼げる、大丈夫じゃ)


 吉法師は自分に言い聞かせる様にして、また屋根を伝い堂の中へと戻っていった。


(そういえば…)


 堂に入って吉法師はふと結のことが気になった。敵をこの奥堂に引き付けるということは、結を危険な目に合わせることになるかも知れない。それは自分が望むところではない。しかし戻った堂の部屋に、先程まで吉法師の舞を見ていた結の姿は見当たらなかった。


(どこか奥の部屋にでも隠れたのだろうか?)


 吉法師は結の行き先が気になったが、襲って来る集団の一部は直ぐにも山中を抜けこの奥堂に押し迫って来るかも知れず、防戦の準備を急ぐ必要がある。吉法師はその部屋で一人、鉄砲を放つ準備を始めた。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 烏丸、猿彦、熊吉、猫実の若い四人は連携して山中の狩人に扮した集団の進行を妨害しながら吉法師のいる奥堂に向かっていた。


 この境内裏手の山中は四人にとって、日頃鍛錬や山菜摘みをしている庭も同然の様な場所であった。どこにどの様な樹木が生え、どの様な岩や斜面があるか、手に取る様に把握している。既にこれまでの戦いで手にする武器を使い切っていた四人であったが、代わる代わる神出鬼没な動きで相手を翻弄し、その進行を妨害していた。


 その中で烏丸は奥堂に向かう集団の行動に一つ不思議に思うことがあった。


(おかしい、この者たち、迷い無く進む)


 山中での道を知らぬ筈の集団が何故か皆迷うことなく奥堂へと向かっている。


(どういうことだ?)


 烏丸は疑問に思いながら、熊吉が一瞬の注意を引いた一人の男の足元をすくい、斜面の下に突き落とした。するとその男は烏丸に怒りを表した後、一度上方を確認して、また迷うことなく奥堂への道を進み始めている。


(どういうことだ 上空に奥堂への行き方でも描いてあるのか?)


 他の者たちを見ると、皆が時折上空を確認しながら奥堂を目指している。


 烏丸は不思議に思いながら皆の見ている上方を見上げた。すると覆われた木々の間から、上空を旋回している一羽の鷹が見えた。その様子は一見すると獲物を探しているようにしか見えないが、常に進行する衆の先を飛んでいる所を考えると、何か道案内をしている様にも思える。


(あの鷹が案内しているのか?)


 烏丸はまさかと思いながらも、少しでもその疑念があるのであれば、その鷹を撃ち落としておきたいと思った。しかし手元に何も武器が無い状況でそれは容易ではない。


 烏丸はまた山中を先行する一人に対して、今度は自分が密かに近付いた後、一瞬の注意を引き、それに連携した猿彦が近くの木の枝を跳ね当て、山の斜面を突き落とした。しかしその先にも迷いなく奥堂に向かう長棒を手にした多くの男たちがいる。


(個別に相手をしていては埒があかぬ、方向が防げぬとなれば、もっとまとめて相手の侵攻を遅らせるようには出来ぬだろうか)


 そう思った時だった。別の方向から大きな怒号が起こった。


「何じゃぬしは 敵かー!」

「いや、違う、怪しい者ではない」


 烏丸が声のする方向を振り向くと、そこには内掛け姿で何人もの敵に追い回される猫実の姿があった。猫実のその姿は山中で異常に目立ち、敵に近付く前で簡単に見つかると共に、何か敵に追い回させたくなる気分を煽る感じがあった。しかしその状況は、相手の進行をまとめて遅らせるという目的に沿っている。


「やるな猫実、効率の良い戦法だ」


 烏丸は感心しながら猫実の活躍を見届けていた。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 その時前方にいた孫一も、その集団を先導する上空の鷹の存在に気が付いていた。


「よく訓練されているものだ」


 孫一は感心しながら集団の先頭の進行を抑えようとしていた。


(恐らくこの集団の先を進む者の中にあの鷹を操る腕の立つ鷹匠がいる、その者を倒さない限り、奥堂に向かうあの者たちの進行を止めることは出来ぬ)


 孫一は藪の中に身を隠しながら先を急いだ。


 そして孫一は、もう少しで山中の森を抜け、奥堂が視界に捉えられてしまうという場所まで来た時、ようやく先頭らしき十人程の者たちを見つけた。


(あれか、あの中に鷹匠の者がいる筈だ、どの男だ?)


 孫一は集団の者たちの成りに注目した。するとその集団の中に、明らかに一人だけ格好が異なる者がいるのが目に入った。その男は体格も異なり、他の者が持つ長棒を持っておらず、時折上空を舞う鷹に指示を出すような動作をしている。


(あの者だな よし!)


 孫一はその男に照準を合わせると、集団の横の斜面を駆け上がり、その鷹匠を反対の斜面下に蹴り落とそうとして跳び掛かった。


どしっ!


 それは鷹匠への蹴りが入る寸前であった。


 鷹匠の隣を進んでいた男が、不意に斜面を転がる石ころとその場の気で孫一の攻撃を察知し、横から身を呈して体当たりをしてきた。


「ちっ!」

「うおっ!」


 態勢を崩した二人は余った勢いを制することができず、反対側の斜面に転げ落ちていった。


「近藤殿!」

「おかしらー!!」


 沓掛衆と鷹匠の本多俊正は思わず立ち止まり、斜面下に落ちた近藤を気遣った。幸いにも斜面下直ぐには平地の部分があり、二人ともそこまでの落下で留まっていた。


 孫一はすかさず立ち上がると、一緒に斜面を転がってきた近藤と呼ばれる男に警戒感を抱いた。自分はほぼ丸腰の状態に対して、相手は鷹狩りで草むらをかき分ける長棒を手にしている。しかしその長棒は鉄製で戦闘用にも思える。


 孫一はその長棒を見て少し間合いを取った。その孫一の様子を見ると近藤は斜面上方の俊正に向かって叫んだ。


「本多殿、皆を連れて先に行かれよ、儂は後から行く」


 俊正はこの時、吉法師が潜んでいる場所は程なく見えると予想していた。不意に攻撃してきたあの者が誰かは分からぬが、皆で掛かればそれほど苦も無く倒せるであろう。しかしそれに費やす時間を考えるとき、徐々に陽が陰ってきており、暗くなれば地の利のない自分たちが圧倒的に不利となる。目的を考えればここは近藤殿に任せて先を急ぐべき、俊正は総合的にそう判断していた。


「分かった、近藤殿、先に行く」


 そう言って俊正は山中を進んで行った。その後を近藤の配下の沓掛衆が近藤の様子を気にしながら、俊正に付いて行った。


「おかしらー、さきいきあーす!」

「また無理はしないでくださいよー」

「頑張ってくだせー!」


 孫一は集団の者たちのこの掛け声に、何か衆の中の親近感や一体感みたいなものを感じた。


(こやつら無理矢理に吉を浚おうとしている割に、何やら悪党でもないな)


 奥堂に向かって去っていく集団の者たちが、目の前の対峙している男に向かって一生懸命に手を振っている。そこには強引な誘拐をしようとしている悪びれた様子はない。


(よく分からぬ者たちだが、とにかく命懸けでお仕置きだ!)


 孫一もその対応について判断していた。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 吉法師は一人緊張した面持ちで部屋の窓から周囲の様子を見張っていた。


 少し前に敵の集団が境内からこの奥堂を目指して山中に入り込んで行くのが見えたが、その後の音沙汰は途絶えていた。奥堂に辿り着くためには隠された道しるべを辿らなければならず、容易ではない筈である。


(早々に辿り着けるものではなかろう)


 そう思い少しその緊張感を緩めた時であった。眼下の草場に何か異常な動きを感じた。


(まさか?!)


 堂の窓から目を凝らして見ると十人前後であろうか、集団の一部がもうこの堂に辿り付いてきているのが確認できた。


(もう来たか、早いな!)


 なぜこんなに早く辿り着けたのか、ということを考える余裕は無い。吉法師は慌てて発砲の準備が出来ていた鉄砲を外に向けて構えた。


 緊張感が一気に高まっていた。


 ここでどの位の時間を稼げば良いか、寺の若い四人は、孫一はどんな状況か、後方の集団の進行の状況はどうか、もうそれらの情報は一切入ってこない。しかし、今自分がやるべき事は定まっている。ここで粘って時間を稼ぐことである。それに対する覚悟は、先程までの敦盛の舞で十分に固まっている。もはやぶれることは無い。この堂と手にするこの鉄砲で乗り切る。この場において吉法師が迷うことは何も無かった。


 眼下の集団は草場の中に身を隠しながら堂の入口に迫っていた。そして、奥堂までの間に身を隠す草場が無くなった時、一気に奥堂の入口に向かって突入して来た。


(来た!)


 それを見て吉法師は引き金を引いた。


パーン

バシッ!


 炸裂した吉法師の鉄砲は集団の先頭を走っていた男の手前の地面に着弾した。その男はその炸裂音と玉の勢いに吃驚すると、慌てて草場に逆戻りしその身を隠した。すると他の者たちもその男につられ、近くの草場へとその身を隠した。


 威嚇の一発であった。吉法師はこの間に次の射撃に向けて玉込めを始めた。


 草場に隠れた沓掛衆の間では驚きの声が上がっていた。


「驚いた、何じゃ今のは?」

「何か、爆発したぞ!」

「いや、何かすごい勢いで飛んで来た!」

「儂の前じゃ、儂の前に当たった!」

「何も見えなかったぞ!」

「飛んで来たのはよく見えぬ、小さくて速いものじゃ」

「あれは、当たったら怪我では済まぬぞ」


 初めて鉄砲という武器の威力を目の当たりにした沓掛衆は皆が驚いていた。


「本多様 今のは一体?」


 沓掛衆の一人に問われた正俊は一度深く考え込んだ後に答えた。


「あれは鉄砲というやつじゃな、儂も実際に見るのは初めてじゃ」


 それを聞いて、沓掛衆の男の中でまた議論となった。


「鉄砲、あれが商人の中で話題の鉄砲か!」

「あぁ、なんか聞いたことある」

「南蛮渡来の火薬を使った武器だとか」

「あれがそうか、恐ろしいのぉ」

「当たったら痛そうじゃ」

「かと言って避けるのも至難そうじゃ」


 沓掛衆は初めて見る鉄砲にその驚愕の声が尽きなかった。


「本多様、どうしやす?」


 沓掛衆の一人に問われた俊正はまた少し考えた後、皆に指示する様に言った。


「鉄砲はそう何丁もあるまい、先ずはあの堂を囲い、隙を見て突入しよう」


 鉄砲は相当に高価なもので、そうそうたくさん持てる物ではない。俊正の見方は確かである様に思えた。沓掛衆の男たちはまた気合が入った。


「よぉし、おやかた来る前に捕まえちゃうぞ!」

「おぉー!」


 沓掛衆は草場の中で気勢を上げると、身を隠しながら左右に散開し、吉法師のいる奥堂を囲って行った。


 吉法師は鉄砲に玉を込めながら、草場に隠れた集団が、堂を囲いながら近寄って来る様子を見ていた。


(やはり堂を包囲してきたか)


 鉄砲を一度に全方位に向かっては放つことはできない。そして包囲の合間を縫って堂から山中に逃げ込むことも難しくなる。孫一も、寺の若い四人も、そして後方の援軍もまだその姿は見えない。


(已むを得ぬ)


 ここで相手の進行を一時的にでも止めるためには先程の警告以上のものが必要となる。それには直接相手の体を狙うことになるが、それは相手の命を奪うものになるかも知れない。それはこれまでの自身の決断の中では一番重いものであった。しかし自身の将来にかけて、そして天下の再構築という目標に対して他に選択の余地は無い。


 吉法師は正面から迫ってきた男に照準を合わせると、引き金を引いた。


パーン

バキーン!


 吉法師が放った鉄砲の玉は男が手にしていた鉄の長棒に命中した。長棒が吹っ飛ぶのを見て、皆がまたその威力に驚きの声を上げた。その中で俊正は冷静に見極めた後、一転して熱を込めた激を飛ばした。


「一人の一丁だ、暫く発砲は無い、今が絶好の機会じゃ、左右から突入せい!」


 もし複数丁あれば、もっと時間稼ぎの一斉威嚇射撃ができる筈である。この二発目に直接狙ってきたということは他に静止させる手がないからと俊正は読んでいた。更にその発砲の音、方向が先程と全く同じで、これも一丁しかないとの確信に至る一因となっていた。


 正俊の言う通り突入の構えを見せても次射が放たれる様子はない。


「よし行くぞー」

「おぉー」


 沓掛衆はこの正俊の激に、目の当たりにした鉄砲に臆することなく、包囲した左右の者たちから堂に向かって突入すべく駆け寄って行った。


 その時、吉法師はまた鉄砲の煤を払い火薬を詰め直していた。射撃の準備には大分慣れてきていたが、工程が多い鉄砲は次射までの時間を要する。


(もう突入してきた、間に合わぬ!)


 外の様子を窺いながら次射の準備をしていた吉法師であったが、その焦りは手元を狂わせる。


カラン

(い、いかん!)


 吉法師は銃口から込めようとした玉を床に落とした。床を転がる去って行く玉を見た吉法師は慌てて鉄砲を床に置いて取りに行こうとしたが、外の迫る集団を見て、もはや状況が鉄砲の玉を込める状況では無い様に感じた。


(ま、間に合わぬ…)


 もう程なく相手が堂の入口に張り付いてくる。そうなったら距離があってこそ威力を発する鉄砲の効力は無くなる。しかしもはや次射を放つ時間は無かった。吉法師は鉄砲の玉ではなく、二本の扇子を手にしていた。


 その時であった。


パパパパーン!


 堂の下の階から外に受けて鉄砲の一斉射撃の音が鳴り響いた。突入目前まで迫っていた沓掛衆は再び驚かされ、我先にと草場へと引き返していった。


(ど、どういうことだ?)


 吉法師は外の集団と一緒に驚いた。この堂には自分と結しかいないと思っていた。もし結が放ったとしても今の一斉射撃は結だけでできるものではない。


 吉法師は下の階に降りてみた。するとそこには白装束に着替えていた結と共に、八人の男衆が慌ただしく防戦の構えを見せていた。


「鹿之助、もっと早く火薬を込めい」

「そんなこと申されても玄武様、やったこと無いのじゃ」


「馬太郎、火薬の前に先に玉込めてどうするんじゃ」

「順番があるんですか、青龍様、こりゃ難しい」


「鶴兵衛、そこ、火縄と火薬近過ぎじゃ、爆発したら皆吹っ飛ぶぞ」

「わ、分かり申した、朱雀様」


「猪衛門、演奏の弦と思ってしっかり弓構えろ、へろへろの矢など放つなよ、あなどられるぞ」

「白虎様、違いすぎます、自信ないです」


 老人四人に中年の四人が煽られている感じであった。


(い、いつの間に?)


 吉法師は皆の様子を見て唖然とした。いつの間にこの者たちは集まったのであろうか、中年の四人は吉法師が昨晩熱盛を舞った時に演奏隊の面々であるのは分かったが、四人は見た事があるようなないような感じの老僧であった。


 驚きの表情を見せる吉法師に、結は力強い表情で笑顔を見せていた。そしてその白装束の衣装への着替えは自分を守るという決意の表れにも見えた。


「どうじゃ、奴らの動きは?」

「あぁ、さすがに今の一撃は堪えたようじゃ、迂闊に近づけない感じでおる」

「よしよし」


 一人の老僧が外の状況を確認した後、吉法師に話を掛けて来た。


「拙僧らは仏と人の道を積年の課題として、この寺に隠遁しておったのじゃ、ここは寺の最後の砦として準備しておった」


 吉法師はこの時、この四人の老僧が本堂やこの奥堂で仏像になりきっていた者たちであると分かった。


(そうじゃ、しかし、あれは一体何をしておったのじゃろう)


 吉法師は不思議に思った。意味がある様にも思えないが、無い様にも思えない、何をしておられたのか、そう老僧方に訊ねようとした時、あまり関係のなさそうな演奏隊の鹿之助と目が合った。


 鹿之助は鉄砲の玉を込めながら、少し困った様子で答えた。


「儂らは違うぞ、側道の橋で相手の侵攻を防ぎ切れず、ここに隠れようと思って逃げて来たら、逆にこうなってしまったのじゃ」


 鹿之助は仕方なくと、いう事を言う割には何とかこの状況を打開しようと、慣れない手つきでがんばっている様子が伺えた。吉法師は苦笑して言った。


「すまぬな、皆を巻き込んだ」


 その幼い吉法師が年上の者たちに向かって、上から目線で詫びを入れる様は、何かその場の皆の緊張を解きほぐすものがあった。


「ははは、気にするな」

「我ら、もう一度世間の乱れに関わるのも何かの意味があるのであろう」

「うむ、儂らもじゃ、課題が行き詰っておる中で良いきっかけになるやも知れぬ」

「何はともあれ結の望みであるからのぉ」


 吉法師の横では結が皆を安心させる様な笑顔を見せながら頷いていた。


 何か不思議な思いだった。吉法師は突如集まっていた皆を見て思った。


(一人ではないということは、こんなにも力強く感じられるのか)


 吉法師はそう思いながら自身も改めてそこで鉄砲を放つ準備を始めた。


パパパーン

ヒュッ ヒュッ 


 奥堂からは突如、断続的に様々な方向にしかも矢を交えて鉄砲が放たれる様になり、沓掛衆は迂闊に近付けない状況になっていた。状況が膠着する中で陽は徐々に傾いていく。


(さて、如何するか)


 本多俊正は次の策を考えていた。


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