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汚い、さすが忍者きたない 2

二週間ぶりの投稿。しかも、今回字数少ないです。ごめんなさい(汗

あと、皆様のお陰で600pt突破しました。ありがとうございます。


 結論からいうと天牙の暗殺は失敗に終わった。

 彼女の繰り出した攻撃は彼のシールドに阻まれ、地面に叩きつけられる。

 賭けに負けた。そもそも彼女の攻撃力はほとんどない。

 彼女のパッシブスキル『首刈』。一定の確率で、相手のシールドを破壊するそのスキルにすべてを賭けた訳だが、失敗に終わってしまった。

「あ~、油断したわ。まさかここまで接近されるなんて」

 手をひらひらさせながら笑う赤城。しかし、こちらを見下ろす目は、どこまでも冷たい。

「で、運営ちゃんはどこよ?」

「運営?」

 殺意がこもった天牙の視線が、予想外の言葉に一瞬揺らぐ。その様子を見て、赤城がにやり、と笑う。


「しらばっくれている……訳じゃなさそうだな。なんだ?てめぇ、自分が守っていたやつの正体も知らなかったのか?」

 笑みが深くなる。それは、普段の彼からは想像出来ない毒の含んだ笑み。

「おいおい、つまりこういうことか?あんたはあの2人に信用されていなかったのかよ。可哀想になぁ。一緒にダンジョンを抜けてきた仲間だってーのに」

 同情するような声に、仕草。その毒は、ゆっくり、ゆっくりと彼女を蝕もうとする。

「……」

 しかし、天牙の表情に変化はない。

 内心を悟られないようにしているとか、そういった訳でなくその程度で動じない程度には信頼関係ができているようだ。

 ちっ、と赤城が舌打ちをする。

「奴らはどこにいる?」


 そう言って赤城の手には、一本の大剣。それが振り下ろされ、シールドが破壊される。

 武器が消え失せ、同時に万能感が消え失せる。

 起き上がろうとする。体が重い。ぐっと手に力を込めて起き上がる。

 さっきまでだったら、バク転しながら起き上がるようなアクロバティックな動きも出来ただろう。

 しかし、忍としての『天牙』の能力を失われ、ここにいるのはごく普通の女の子『田中』でしかない。


「……ダンジョンの奥深くに潜って」

「嘘だな」

 天牙の言葉を、即座に赤城が否定する。

 

「やつの体から発している『ピーコン』から大体の位置がわかる」

「ピーコン?」

「お前もあいつが転生者だってーことは知っているだろう? あいつは何らかの理由で、その魂に自分の位置を知らせる術式が組み込まれている。異世界の不思議ってーやつだ」

 すっと、大剣が天牙の喉元に突きつけられる。

 わずかな痛みと共に剣先を伝って赤い血がタラリ、と垂れる。

「僕から聞き出そうとしているところを見ると、正確な位置は解らないみたいだね。分かるなら、さっさと移動しているだろうし。けど、ここらは出口も多いから……」

「そういうことだ。さっさと吐け。女子供をいたぶる趣味はねぇが、容赦する程甘い性格ではないんでな」

 しばしの沈黙。そして……

「くく、あははははははははははは……」

 笑い声が響く。

 声の主は、赤城ではない。天牙だ。

 何らかのポーズではない。本当に可笑しそうに、天牙が狂ったように笑い続ける。

「何が可笑しい?」

 赤城が憮然とした表情を浮かべる。

 その表情を見て、天牙の笑いが更に深くなる。


「可笑しい、ああ可笑しい。拙者からすれば、主らはとても滑稽だ」

 中2モードに入った天牙が頬を釣り上げて笑う。

「――こんな単純な時間稼ぎに引っかかるなんて」


 その言葉に、赤城がハッとする。

「総員! 戦闘ッ!」

「遅い!」

 爆発音が響き渡る。

 男達の悲鳴、爆風とともに、土が天牙の顔面にへばりつく。

 天牙のかなり近くで爆発したのだろう。

 世界が回る。三半規管が揺さぶられたのだろう。また、耳もやられているのか音も聞こえない。

 だが、目は無事だ。天牙は目を見開き、その光景を――赤城の姿を見続ける。


「敵は!」

「12時と10時の方向!山岳部からッ!」

 報告していた男が倒れる。その額には、矢が突き刺さっている。

「落ち着け! さっさと体制を立て直せ!」

「敵の正体確認しました! 12時の方向、町田護衛隊! 10時、え、円卓の騎士岩槻彩音の率いる騎士団です!」

「『グリード』か! まずい!」

 赤城の叫びと共に、地鳴りのような音が響き渡る。

 方角は10時の方向。赤城に釣られ、そちらを見る。


 ――視界に映るのは、濁った水の壁。


 その濁流が天牙の意識を奪うのは一瞬のことだった。


今回更新少なめなので、短編をアップしてみました(汗

もしよかったらどぞ

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