決意②
『え?』
『・・・』
『じょ う だ ん ですよね?』
『・・・・・』
『ねぇ、先生・・・ねぇ、嘘だと言ってよキャロル先生!!』
『交通事故だったの』
『・・・先生、うぅ、あぁぁぁぁぁああああああああ』
止まらなかった
ただ泣き続けた
涙が枯れるまでって1時間半も掛かるんだね
知らなかったな
キャロル先生はその間ずっと付いていていてくれたんだ
『少しは落ち着いたかな?
薫子はね、キミが倒れて入院してから、ずっと働き詰めだったの、それこそ早朝から深夜まで
アメリカでは日本の健康保険は適応されないのよ
だから治療費を捻出するために死に物狂いで働いた
すべてキミの為よ、薫子はキミの為だけに生きて、死んでいったの
キミは生きなきゃいけないのよ、薫子の想いに報いるためにね』
ママ
あいにきてくれなかったんじゃなかったんだね
ママ
ママ
大好きだよ
あぁ、きっついなあ
女の子になりました?
元には戻れない?
そんな事どーだっていいや
もう一度お話したかったな
もう一度頭を撫でて欲しかったな
親孝行してみたかったな
ママのお墓はどうなってるのかな
やっぱりパパのお墓に一緒に・・・
退院したらまずお墓参りだよね
『先生、いつ退院出来ますか?』
『・・・そうね、リハビリ次第だけど、若いから・・・早くて半年、長くても1年でしょうね』
『ボクの治療費はどうなってるんですか?ローンで支払いとか出来ますか?』
『子供がそんな事気にする必要無いの、自分の体の事だけ考えてなさい』
『もしかして、天涯孤独の身の上に~なんて考えてたの?』
『え、だってボクにはママしか・・・』
『あら?やっぱり知らされてなかったのね、
薫子のお父さん、つまりキミの祖父は生きてるわよ』
『初めて聞きました、会ったこともないですよ』
『そりゃそうよ、だって薫子は妊娠→駆け落ち→勘当のコンボ決めたんだから、まぁ私も聞いたのはキミが倒れてからだけどね』
『ふふふ、ママらしいや』
『うんうんw、まぁそういう事で薫子の死後キミの保護者はその祖父になってるのよ
キミの意識が戻ってスグに連絡は入れてあるから、慌ててこっちに来るとしてももう少し時間が掛かると思うわ・・・』
『そうですか・・・』
『ふぅ、これで伝えなければいけない事はすべて伝えたわ、実は、伝える事が精神的にキツイ事ばかりだったからキミの精神が耐えられるか心配だったの・・・一応伝える順番を考えてできるだけ順応できるように配慮はしたつもりよ、精神科医の先生と相談したのは内緒だけどね』
『先生もママと一緒ですね、余計な一言で信頼を無くすタイプですね、場は和みますけど』
『キミ・・・ツッコミがキツイって言われた事ない?』
『ふふふ』
『フフフ』