番外編③
PV300kHIT記念
学園長の回想です
あ、本日も2話更新です
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私は学園長の篠山美幸と申します
あれは夏休みの日でした
3人の娘に相談したい事があったので学園長室に集まってもらいました
長女の真由美(42)は結婚して子育ての間に教員免許の更新をしなかったので教師はやめてしまいましたが
子供も中学生になり、寮母として仕事を手伝ってもらっています
初孫は男の子でしたので残念ながら我が校には通えませんでした
次女の夏美(33)は今は産休中ですが、高等部の教師をしています
この子は婿養子を取ってくれたのでゆくゆくは学園長を任せる事になるでしょう
三女は、あぁ来ましたね
コンコン
「千秋です」
「お入りなさい」
「失礼します」
「あれ?真由美ねぇも夏美ねぇも呼び出し?」
「これで揃ったわね
あなたたちに知らせておく事があります
先日、理事長より通達がありました
姫様が9月より当学園に編入する事に決まりました
準備の方は終わっていますか?」
「百合寮は415号室の窓と共用部分の窓すべてにUVカットフィルムの施工が完了しています
卒業まで415号室を使用していただく予定です」
「中等部は2Aの教室にUVカットフィルムの施工済です
体育館は現時点で第2体育館のみ対応済ですので2Aの体育の授業は第2体育館を使用します
水泳の授業は2学期は行いませんので冬休みに屋内プールを対応させます」
「とりあえずはなんとかなりそうね、高等部の改修はまだ時間の余裕があるから、工事計画を立てないといけませんね
担任は予定通り千秋に任せますので、くれぐれも失礼のないように」
「お母さん、特別扱いには反対です!」
「千秋、学園内では学園長と呼びなさい!」
「すいません、でもハンデキャップに対するケアはいいと思いますが
それ以外の事には特別扱いは本人の為になりません
せめて学校だけでも一般の生徒と同じように接してあげるのがベストだと思います」
「相手は旧宮家の姫様ですよ?傅かれて生活するのがあたりまえの方です」
「学園長、私も千秋の意見に賛成です
思春期に特別扱いされて育つと性格がねじ曲がるわよ、高確率でね」
「夏美ねぇの言う通りよ、お姫様をタカビーなイヤな女に育てる訳にはいかないと思う」
「・・・真由美はどう思う?」
「そうねぇ、病気の事で特別扱いしているって事にできる範囲内に収めるほうがいいわ
”鷹峯女学園は学園内に外での関係を持ち込ませない”でしょ?
学園長が率先しないとね」
「分かりました、それでは
病気への対応で説明できる事に関しては最大限の配慮を
それ以外は可能な限り一般生徒と同じように
コレでいきます」
「「「はい!」」」
「それでは各自よろしく
あ、そうそう、夏美は姫様が高等部に進級するのに合わせて復職しなさい
高等部の担任は夏美に任せます」
「は~い、って事は約1歳半で保育園かぁ・・・真由美ねぇはどうしてた?」
「私は3年間育児して3年幼稚園だったわ
分からない事があったら何でも聞きなさい、というか先輩を敬え」
「え~長女のくせにさっさと嫁に行っちゃったのにぃ~」
「ゴメンゴメン、でもうちの旦那一人っ子だから仕方ないでしょ
貴志さんは次男でよかったじゃない、婿養子に来てくれたし」
「まぁ、いいけどね・・・ところで千秋はどうなのよ、いい人出来た?」
「まだよ~、女だけの職場で出会いもないんだから仕方ないじゃない」
「あら、おねえちゃん達も同じ女だけの職場だけど、ちゃんと結婚したわよ?」
「そうそう、千秋ももっと合コンとかに参加しなさいよ
忙しいなんて言い訳は却下だからね」
「・・・そんな事言ったって」
「あ・・・つ、お母さん、ごめん、部屋汚しちゃった」
「?!!破水ね、すぐに病院へ向かいましょう
真由美、車を回して
私はそのまま付いているから、千秋は家に戻って用意してある入院用の鞄を持ってきて頂戴」
「はい」
「夏休みでよかった、普段より時間の融通が利くからね~、出産には立ち会えそうね
真由美ねぇの時は修学旅行中だったからね~」
「ほら、無駄口叩いてないで動く!」
「は~い」
この日2人目の孫が産まれました
また男の子です
うちの学園には通ってもらえないんですね・・・
少子化対策とかこじつけて共学にしようかしら?
やっぱり姉妹は3姉妹じゃないとねw
それと、番外編で取り上げる人物のリクエストは随時受け付け中です