学園祭1日目③
「あ、ヒカル居たーーー」
美紀の声だ
最初に見つけたのは美紀かぁ
あ、あそこだね
美里の頭が周りから飛び出て見える
「ヒカル、大丈夫だった?」
「ごめん、美咲」
「心配したんだよ」
「ごめん、美紀」
「迎えに行ったら居ないし、携帯は繋がらないし・・・」
「ごめん、美里、携帯の電源入れるの忘れてた」
「誘拐かと思って非常事態Aを発動しちゃったよ・・・テヘ」
「ごめん、美優、ところでその非常事態Aってなんなの?」
「あ、それは・・・まぁ言ってもいいか
非常事態Aはヒカルが行方不明の時の体制だよ
ちなみに非常事態Sはヒカルがケガをした場合
非常事態SSはヒカルに命の危険がある場合
あ、そうだ、ヒカル無事発見の連絡しないとね」
美優が携帯でメールを打つと上空を旋回していたヘリの音が遠ざかっていく
「ヘリまで出動してたのね
おじいちゃんは心配性だなぁ」
「ヒカル、おじいちゃんのせいにしたらダメだよ
今回はヒカルが悪いんだからね」
「あ、うん、そうだね、美紀の言う通りだよ、みんなも心配かけてゴメンね」
「水臭い事は言わないの、ヨシ、気分一新って事で私が焼いたたこ焼きをみんなで食べよう!!」
「ほほぅ、美里の粉モンかぁ、ボク楽しみだよ」
「・・・焼き加減はまぁ合格点だけど・・・ソースがイマイチかなぁ」
「え~ヒカルってそんな味の違いまでわかるんだ・・・お嬢様は違うね
ソースは普通にコレ使ってるんだけど・・・変かな?」
「何コレ?中濃ソース・・・初めて見た、こんなソースあるんだ」
「え?普通はウスターソース・中濃ソース・とんかつソースの3種類を常備でしょ?」
「何いってんの?ウスターソース・焼きそばソース・たこ焼きソース・お好みソース・とんかつソースだよ
ちゃんと用途別に使い分けたほうが美味しいよ」
「一般庶民でそんなにソースを使い分けるのは無いよ~、ヒカルの所は専属のシェフだろうけど
それに焼きそばソースとかたこ焼きソースとか普通のスーパーじゃまず見かけないよ
専門店に買いに行くのもなんだかねー」
「え?そうなの・・・
普通にコンビニでも常備してたハズなのに
おかしいなぁ、ボクの記憶が昏睡のせいでおかしくなってるのかな」
「美里、ヒカル、ソレはね、地域格差よ」
「!!知っているのか雷○・・・もとい美咲」
「美優・・・誰が外見はおっさんの高校生だ!!
・・・え~とね、関西というか大阪圏ではコンビニがスペースを割くほど必需品だけど
関東圏だと中濃ソースだけで使いまわすことが多いのよ
ちなみに名古屋はソースの代わりに味噌だって」
「へぇ~美咲はなんでも知ってるんだね、学年TOPは伊達じゃないね」
「そうね、でも雑学女王は美咲でよかったと思うわ
ヒカルが雑学女王だったら伊○院とか言われるの確定だよ」
「ちょっとー美紀~ひどいよ、ボクあんなおデブはイヤだよ~」
「三○亭○大だったっけ?」
「美咲まで・・・泣くぞ?」
「ほらほら、バカ言ってないで次に食べるもの決めようよ、早くしないと15:00になっちゃうよ」
美優がまともな事言ってる・・・
いや、コレが本当の美優なのかも