体力作りをしましょう③
「お前も、少しくらい鍛えておかないとな」
なんですと?
コレを使えって事かな
ボクの目の前に木刀・・・
笑えないんですけど?
「む、無理っ!ボク、やった事無いし」
「おいおい、言葉遣いに気を付けろ
使用人同士でも常に敬語を意識するんだ
普段から敬語に慣れておけば、将来、旦那様やお嬢様の前に出た時に恥をかかなくて済むからな」
「は、はい、気を付けます」
思わず「はい」って言っちゃたけど
この人、敬語使ってないような気がする・・・
「それじゃあ、稽古を付けてやるからこの木刀で俺に打ちかかってみろ」
「防具とかは使わないんですか?
怪我しちゃいますよ」
「ここでは、実戦に近い状態で稽古するんだ
護衛任務中に悠長に防具なんか付けてられないだろ?
それに、当らなければどうという事は無い」
「確かにそうですね」
これが木刀?
こんなに重いのか
今のボクの腕の力で振り回せるのかな?
やるだけやってみるかな
男、じゃなかった、女も度胸だよね
「えい、やぁ~」
「なんだ、その腑抜けた掛け声は!
もっと腹の底から声を出せ!」
「うっ・・・えいっ」
「ほらほら、どうした、そんなことじゃ当らんぞ」
「そんな事言ったって・・・それにこんな服だし」
「服のせいにするのか?
だったら道着に着替えろ
ほら、40秒で仕度しn、んぎゃぁあーーーー」
「この、おバカーーー、何あぶないセリフ吐いてるのよ」
あの男の人、股間を押さえてうずくまってしまってます
うんあれはツラいよ
「美優、後ろから蹴り上げるのはどうかと思うんだけど」
「いいのよヒカル、このおバカにはこれぐらいしないと効果ないから」
「うぅ、いきなり何するんだ、使い物にならなくなったら責任取ってもらうからな」
「はぁ?使えなかったら責任の取りようが無いじゃない
そうだ、使えなくなった方がいいかもね
使えなければヒカルの護衛に丁度いいじゃない
それにヒカルの護衛を目指すなら、背後からの襲撃にも対応しなさい」
「クッ!」
「あの~、美優、向こうの護衛の人達まで股間を抑えちゃったけど・・・」
「・・・えへっ、でも覚えておいてね
イザという時は蹴り上げるんだよ
あそこは鍛えられないからね
その隙に逃げればいいから」
「そうよ、でも直接行動するのは最後の手段だからね
護衛の方からすると、さっさと安全な場所に隠れてくれるのが一番やりやすいのよ
私達がピンチになっても見捨てて逃げる事、下手に助けようとするのが一番困るから
私達の行動が無駄になっちゃうのよ」
「アヤさん・・・」
「大丈夫です、その為に普段から鍛えているんです
そんな事態にはさせませんよ」
「柳生さん・・・ってボクの事バレてる?」
「いや、あの~その・・・スイマセン」
「わかってないのはそこでうずくまってるバカだけかもね
ホラ、いつまで休憩してるのよ、図体ばかりデカくなって・・・
さっさと立ち上がりなさい、バカ春樹」
「うぅっ、はぁはぁ・・・
え、俺だけって?どういう事だ?」
「まだわかんないの?だからバカなのよ
私がこの娘の名前呼んだでしょ?ヒカルって」
「ヒカル?・・・!!
まさか、お嬢様?」
お忍び作戦、戦果1名
9/20脱字修正




