墓参り
日本へ帰ってお屋敷に行った
うん家じゃなくてお屋敷
おじいちゃん、こんな広い所で一人だったんだ・・・寂しくなかったんだろうか?
あ、執事さんメイドさんはいるけど・・・
執事さんは吉村さんって名前のおじいちゃんと同じくらいの年代の人
何か欲しいものややりたい事があれば吉村さんに言えば手配してくれるんだって
あいかわらず、ボクの担当はユキさん
夏休みはどうしたって?
9月からボクは学校の寮へ行くからその時に休みを取るんだって
ボクの部屋は昔ママが使ってた部屋だって
ウン、ママのお墓参りに行こう
「吉村さん、ママのお墓参りに行きたいんだけどいいかな?」
「吉村とお呼び下さい」
「??吉村さん」
「いえ、ヨシムラと呼び捨てでお願い致します、当家の使用人に示しがつきませんので」
「え~年上の人にそんな・・・」
「・・・」
「・・」
「・・・・」
「結構頑固なんですね?吉村、お墓参りの手配をお願いします」
「畏まりましたお嬢様、最後のお願いしますも不要ですが、そのあたりはおいおい慣れていただきましょう」
ふぅ強敵だなぁ
「明日は学校の制服を仕立てるための採寸の予定が入っておりますので明後日に手配をいたします」
移動は新幹線だった
そうそう、携帯を買ってもらったんだ♪
スマホってやつ?指で画面をツンツンしたりスイーッとするやつ
どうやら日本の中学生の女の子は友達を作るのに携帯のメアドを交換するモノらしい
携帯を持ってないとハブられたり、運が悪いとイジメられたりするんだって
新幹線の中で操作をいろいろと練習してたらあっという間に新大阪だった
実は奈良へ行くには京都から行くより新大阪まで行ってから戻ったほうが早い罠
新幹線はなぜか京都に迂回して走ってるからなぁ、建設中のリニアは直線を走るらしいけどね
お墓へはお昼過ぎに到着した
大阪と奈良の境にある霊園にパパとママのお墓がある
ママが死んだ時、同僚の人達がお葬式もやってくれたんだって
ママは仕事帰りに事故に会ったから労災扱いでお葬式代が出たらしい
同僚の人達もおじいちゃんの事は知らなかったそうで
ボクの入院していた病院に連絡を入れてくれたみたい
あった、パパとママのお墓
「パパ、ママ、戻ってきたよ
こんな体になっちゃったけど・・・
パパとママがボクにくれた命なんだよね
ボクは精一杯生きるよ
約束する
パパとママが愛し合った証拠のボクなんだよね
ボクが生きて幸せになる事がパパとママが間違っていなかった事の証明になる
ボクじゃ役不足かもしれないけど、頑張るね
ボクは女の子として生きていきます」