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ボクはTSお嬢様?  作者: 胡桃
2章 学園中等部2年生編
118/273

おじいちゃんとデートなのです⑤

寝過ごしたぜぃ・・・

いつもの時間に間に合わなくてすいません

m(__)m

「ここが・・・ぱどっく?なの」

「そうだ、大声を出してはいかんぞ、馬がビックリするからな」

「うん、それで、おじいちゃんのお馬さんはどの子?」

「ん?言って無かったか

 そこの黄土色の馬だ

 綺麗な色だろ、栗毛と言われる色だ」

「おじいちゃんはこの色のお馬さんが好きなの?」

「そうだな、特に栗毛でなければというほどではないがな

 栗毛は光の加減で金色っぽく見える時があってな」

「お馬さんも黒っぽいのから白っぽいのまで・・・カラフルだね」

「そうか・・・でも人間も黒っぽいのから白っぽいのまでたくさんいるだろ?

 人も馬も、色々な外見をしていて、正に十人十色だ

 それぞれの個性だな

 だから、その・・・ヒカルのその髪も個性だ

 決して卑下するモノでは無い、逆に誇ればいい」

「でも・・・真っ白っておばあちゃんみたいだよ?」

「何を言っている、年寄のごわごわした髪質とは違うだろう?

 おじいちゃんの髪の毛と触って比べてみろ

 ヒカルの髪の毛はさらさらしていて瑞々しいだろう?」

「え、あぁ、うん、その~」

「ん?どうした?」

「おじいちゃんの髪の毛は・・・少なくて、細いからごわこわしてないっていうか

 残り少ないから触って抜けるのは気の毒というか・・・」

「うっ!」

そうです、おじいちゃんは髪の毛が心もとないのです

いわゆる、ナミ○イタイプです

後頭部からの侵攻と生え際のベジ○タの侵略が合流してしまったのです

おじいちゃんの頭頂部は長年の紛争により、ぺんぺん草も生えない焦土と化したのです

鷹峯家において、”ハゲ”は禁句とされています

そんな事を口走ったら・・・クビだろうね

吉村さんが言うには、「鷹峯家の使用人には陰口を叩くような程度の低い人間はおりません」だって

採用基準が厳しいのかな?

昔、ボクが産まれた頃の事だけど、おじいちゃんの髪の毛がヤバくなってきた頃

当時、上流階級のサロンでよっぱらって、おじいちゃんに禁句を言った人がいたんだって

会社を3つも経営していたほどの人だったそうだけど、脱税事件が発覚して

1年後にはその人が経営していた会社が3つとも経営破綻して、夜逃げしちゃったんだって

禁句の説明の時に吉村さんが教えてくれたんだ

いんがおーほーって言ってたなぁ

人の悪口を言うような人には自分の放った悪意が自分に返ってくるって事らしいよ

ボクも人の悪口は言わないようにしよう

「おじいちゃん、さっきボクに言ったよね

 個性だって

 そうだ、いっそのこと全部剃ってしまったらどうかな?

 スキンヘッドなら、ファッションだよ」

「そ、そうか・・・逆転の発想だな

 そうか、スキンヘッドはファッションか」

「おじいちゃんなら似合いそうだね」


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