朝倉良助 【パー】
俺の名前は、朝倉良助。 高校2年生だ。 俺は『パー』の『服従機』所有者だ。 そして、俺には1人、服従者がいる。 名前は、は、篠田正明。 俺と同い年だ。勿論、『グー』の『服従機』所有者。 そんな俺達は、下校途中街中で『グー』の『服従機』所有者を1人見つけた。 名前は分からないがあだ名を付けるなら『大男』だ。 『大男』は、スーツを着ていた。サラリーマンか? そして、がっちりとした体格をしてをり、身長は190センチ位だった。如何にも『大男』って、感じだ。 其の『大男』を今追いかけている。 『大男』も俺達に気付いたらしく、逃げている。 「あっ」 服従者の篠田が叫んだ。 と同時に、『大男』が人混みの中に混ざった。 「畜生っ」 『大男』を見失った。最悪だ。でも……。 「こんな処で諦めて堪るかっ」 俺は篠田に行った。 「追い駆けるぞ」 「はい」 篠田は素直に返事をした。 「よし」 俺は気合を入れると『大男』が入って行った人混みの中に入った。 篠田も後ろから付いてくる。 『大男』っ。 「待て待て待て待て待て待て待てっ」 俺は諦めが悪いんだよっ。 捕まえてやる。 必ず。 ★ 俺は人混みの中から出た。 「クソッ」 約30分程『大男』を人混みの中で探した。 が、結局人混みの中に『大男』は何処にもいなかった。 「逃げられたか」 俺は篠田を連れ、トボトボと歩いていた。 30分が経っただろうか。 女性の叫び声が聞こえた。 「何だ?」 俺は篠田を連れ、叫び声がする方へ走って行った。 其処には……。 「俺は、運が良い……」 先程の『大男』がいた。 そして、其の股の下に制服を着た女子中学生が1人倒れていた。 『大男』は俺達に気付いていないのか、逃げもせずに其の女子中学生の左胸を左手で触った。相当なド変態だな。 其の時身体が痺れた。 然し、俺は焦らなかった。『チョキ』の『服従機』所有者はあの女子中学生だと分かったから。『大男』は『グー』の『服従機』所有者であり、『チョキ』の『服従機』所有者しか服従出来ない。つまり、目の前にいる女子中学生は『チョキ』の『服従機』所有者であるという事だ。まぁ、目の前にいる女子中学生が『服従機』所有者であるならば、の話だが。 其の時、女子中学生に変化が起きた。 女子中学生の動きが停止し、「ワタシハ、アナタノフクジュウシャ……」と、何度も繰り返した。やはり、女子中学生は『チョキ』の『服従機』所有者であった。 『大男』はそんな女子中学生を見ると、「ぐひひひっ」と君の悪い声で笑い出した。気持ち悪っ。やはり、あいつはド変態だ。 突然、『大男』が笑うのを止め、俺達の方に首だけを動かした。 『大男』は俺達の姿を見ると目を見開いて驚いていた。 そりゃそうだろう。俺達から逃げ切ったと思っていたのだから。 だが、俺達は今此処にいる。『大男』の直ぐ近くに。あらら、残念……。 俺は今度は『大男』が逃げる前に、右手で『大男』の右肩を触った。 『大男』は俺の服勇者になった。 此の女子中学生も俺の服従者になる。服従者の支配者が誰かの服従者になったら、一緒に其の服従者も自分の服従者になるという最高のオマケ付きだ。 俺は、笑った。 もっと、もっと、俺の服従者を増やしてやる。 7人服従 残り23人