富田安吉 【パー】
俺の名前は、富田安吉。 高校1年生だ。且つ、校内1位を誇る不良。 今までに、暴行、カツアゲ、万引き……と、数々の悪行をこなしてきた。此れは、俺の中の富田ワールドの誉れだ。 突然だが、俺は『パー』の『服従機』を持っている。 いや、飲み込んだ。 活用する為に。 俺は今までにスリルを求めてきた。が、飽きてきた。 だから、『服従機』を使い、誰かを服従させる事に相当の興奮を覚えた。 と言う訳で、今に至る訳だが、未だに『服従機』所有者に有った事は、無い。畜生。スリルが欲しい。欲しい。欲しいっ。 「今日は、何するかな」 制服を着た俺は、下校しながら、今日やる悪行について考えていた。 「万引きでもするか。腹減ったし……」 俺は、スーパーの有る方へ歩いて行った。 んー。何かムカムカするな。 町では色んな人間が歩いている。 時には、俺の前を歩く人間もいる。 「ムカついた」特に意味は無いけれど。 其の時、俺の前を人間が横切った。 「俺様が歩いておられるだろうがぁ」 俺は叫ぶと、俺の前を横切った人間の頭を殴った。 「きゃぁあぁ」 其の人間は叫んだ。 声からして、女だという事が分かった。 しかも、制服を着た高校生だった。俺の通う学校ではないが。帰宅中か? 更に、美人且つ巨乳ときた。 「如何落とし前つけてくれんだ? こらぁ」 俺は其の女の襟を右手で掴むと、強引に人気の無い路地へ連れ出した。 「止めて下さいっ」 女は叫んだ。 うほっ、なんて可愛い声。 「俺様が通行している前を堂々と通ってんじゃねぇよっ」 俺は怒鳴った。コイツ、如何してやろうか? 「ごめんなさいっ。帰らして下さいっ」そう簡単に帰らしてやる訳ねぇだろばぁーか。貴様は、俺の奴隷になるべき女だ。可愛がってやるよ。 「良いよっ、って言う訳ねぇだろが、ばぁーか」 「ひっ」 女は泣いていた。 「身体を張ってくれたら、許してやってもいいが?」 「嫌っ。其れだけは、嫌です。ごめんなさい」 「謝られても、許せねぇ時が有るんだよっ」 「嫌ぁっ」 女は号泣していた。チッ、五月蠅ぇな。 パンッ。 俺は、女を平手で殴った。 「痛いっ」 「次は、グーでいくぞ?」 「ひっ」 女は怖かったのか、黙った。おっ、良い子じゃねぇか。 「じゃあ、頂きまぁす」 俺は、両手で女の両胸を触ろうとした。 「っ!」 突然、俺の身体が痺れた。 「何だっ?」 「おいっ」 不意に背後から男性の声がした。 ヤバい。誰かに見つかった。 「女の子に手を出しちゃいかんだろ」 「誰だっ」 俺は振り返った。 其処には、上下白色のジャージを着た男が立っていた。 男は体格が良く、身長が高かった。190センチ位だろう。 「何の様だ」 「其の女の子の手を離してもらいたい」 「コイツの彼氏か?」 「違う。通りすがりの正義の味方だ。」 と言った瞬間俺と男の身体が動いた。 「うおおぉぉおぉぉぉぉおおおぉおおおぉぉぉ」 俺は右手に拳を作りながら、振り上げ、男に向かって走った。 男は左手に拳を作りながら、振り上げ、俺に向かって走ってきた。 ぶっ殺すっ。 ガンッ。 俺と男の拳が交わった。 「?」 俺の意識が突然朦朧としてきた。 何故だ? 「君は、もう俺の服従者だ」 男は言った。 「まさか、『チョキ』の『服従機』所有者か?」 「あぁ」 男は笑顔で答えた。 俺は、朦朧とする頭を動かし振り返った。 其処には、もう女の姿は、無かった。 畜生。アイツ、逃げやがった。 「如何やら、此のゲーム、俺の勝ちの様だな」 男は言った。 あぁ、俺は此の男に服従されたんだな。 俺の意識は無くなった。 4人服従 残り26人
【支配者と服従者】【支配者 篠原明子 服従者 植村至昭】【支配者 朝倉良助 服従者 篠田正明】【支配者 田中泰時 服従者 土井愛子】【支配者 上下白色のジャージの男 服従者 富田安吉】