田中泰時 【グー】
「俺の服従者になって下さいっ」 「つまり、私の支配者が、あんたになるってこと?」 「そう言う事だ」 俺、田中泰時は、土井愛子に頼んだ。 俺と土井は、俺の部屋にいた。どちらも床に座っていた。 俺と土井は、中学2年生で、恋人関係だ。 中学1年の頃から付き合っている。 「如何して、私があんたの服従者にならなければいけないの?」 「やりたい事がある。此の『服従機』で」 俺と土井は、1個ずつ服従機を持っている。と言うより、お腹の中に有る。『服従機』を使う為に飲み込んだから。因みに、俺が『グー』で土井が『チョキ』の『服従機』だ。なので、俺達は、一切触れあう事が出来ない。触れ合った時には、俺は土井の支配者になってしまうからだ。俺は、土井を支配しても良いが、土井は其れを拒んでいる。 「やりたい事って何? と言うか、身体が痺れるからあまり近付かないでね」 そう、自分の弱点の『服従機』所有者が10メートル以内に近付くと、自分の身体が痺れるのだ。 「此の『服従機』を持つ人は、日本に30人いるらしいんだ」 「うん」 「そいつ等を全て俺の服従者にする」 「どうやって? と言うか、あんたは『グー』の『服従機』しか持っていないんだから、『グー』と『チョキ』の『服従機』所有者を服従させる事は不可能でしょ」 「だから土井に頼んでいる」 「……え?」 「知らないのか? 自分の服従者を使って戦っていいんだぞ。つまり、土井の『チョキ』で『パー』の『服従機』所有者を服従させ、其の『パー』を使って、『グー』の『服従機』所有者を服従させる。如何だ?良い案だろ?」 「で、全員服従させて、支配者のあんたは如何するの?」 「うん。色んな事だ。もしかしたら『服従機』所有者に超絶美女がいるかも入れん。そんな娘と……色々と……ぐふふふふふふっ」いかん。暴走し過ぎた。 「超絶美女じゃなくて悪かったわね」やっぱり、怒った。 「悪かった。土井は、俺の天使だよ」 「逆に嫌だ」許して下さい。 「頼むっ。許してくれっ」此のままじゃ俺の服従者になってもらえない。 「えー如何しよっかなぁ」おっ、何か良い感じ。 「私に愛してるって10000回言ったら良いよ」 「分かった」服従の為ならやってやるっ。 ★ 「はぁ、はぁ、はぁ」 俺は、命令どうり10000回愛していると言った。 「宜しい」 土井は、満足そうに言った。 「じゃあさ。俺の服従者になってくれる?」 「其れと此れとは別の話」そんな……。 「俺の服従者になってくれる為には如何すれば良いんだ?」 「嫌よ。あんたに服従されたくないもん」くそっ。 こうなったら……。 「やってやるっ」 俺は、立ち上がると叫ぶと土井に飛び掛かった。 「ちょっと何?」 土井の叫び声が聞こえるがそんなのは知らん。 触ったらこっちのもんだっ。 「いやぁぁああぁぁあああぁぁああぁぁ」 触った。俺の右手が土井の右肩に触った。 「え……」 土井が呟いた途端、突然土井の全動作が停止した。 「ワタシハ、アンタノフクジュウシャ。ワタシハ、アンタノフクジュウシャ。ワタシハ、アンタノフクジュウシャ。ワタシハ、アンタノフクジュウシャ。ワタシハ……」 そして、ロボットの様に何度も何度もそう言った。 其れは、俺が土井を服従した証拠だった。 俺は微笑んだ。 其れは黒い愉悦を含んだ微笑みだった。 3人服従 残り27人
【支配者と服従者】【支配者 篠原明子 服従者 植村至昭】【支配者 朝倉良助 服従者 篠田正明】【支配者 田中泰時 服従者 土井愛子】