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1ミリの光線しか出せない私が、能力ランキング22位を殺した日から全てが始まった  作者: eutoria


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213/213

第213話 最強の能力

レイが死んでから。


数か月。


世界は。


今日も回っていた。


何もなかったように。


朝が来て。


夜が来る。


人が笑い。


人が泣く。


世界は続く。


能力ランキング制度は。


完全に崩壊した。


秩序は消えた。


だが。


スエルテは思う。


何か変わったか?


答えは。


否だった。


世界は何も変わらない。


憎しみ合う。


争い合う。


奪い合う。


能力者は。


今日も戦場へ立つ。


誰かが支配し。


誰かが虐げられる。


繰り返し。


終わらない。


そんな世界を。


スエルテは歩いていた。


アイスを食べながら。


のんびりと。


一人で。


いつも通り。


気の抜けた顔で。


空を見上げる。


青空だった。


溶けたアイスが垂れる。


ペロッ。


舐め取る。


そして。


思い出していた。


これまで出会った人達を。


能力に固執した。


自分の両親のライゼンとアクア。


弱者を救おうとした少女。


レイ。


普通を望んでいた。


レギウス。


頂点だけを目指した。


ドルガン。


みんな。


戦っていた。


それぞれの正義で。


それぞれの信念で。


命を懸けて。


ぶつかり合った。


スエルテは。


小さく笑う。


「すごいよねー」


誰に言うでもなく。


呟く。


「みんな」


「ちゃんと、この世を生きてた」


風が吹く。


髪が揺れる。


だが。


スエルテは違った。


自分には。


正義がない。


信念もない。


守りたいものも。


壊したいものも。


ない。


ただ。


流されて。


ここまで来た。


なのに。


生き残った。


最後まで。


なぜ。


なぜ自分なんだ。


スエルテは。


考える。


そして。


答えはすぐに出た。


簡単だった。


偶然。


それだけ。


全て偶然だった。


全て。


運だった。


スエルテが。


アイスを一口かじる。


そして。


空を見ながら。


呟いた。


「僕は本当に」


「運が悪いなー」

























能力ランキング第59位。


スエルテ。


能力『運』


世界で一番。


理不尽な。


最強の能力だった。






――完――


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