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プロローグ

魔界歴7058年2月6日。


漆黒の城に似つかわしくない無粋な声が響き渡る。


「魔王ガダルバーナに竜王妃ヒジリタリウス!!貴様らの悪逆非道許せん!!当代の勇者であるこのアクセリアスが退治してくれる!!」


金髪の青年が剣を掲げ、声高く叫んだ。


仲間の魔術師、僧侶も頷く。


「ほう?勇者とな?」


現れたのは、10メートルを越える大男だった。


「せっかく寝ていたのに眠りを妨げるとは良い度胸だ」


白い着物を着た女性も現れると、勇者一行を睨み付ける。


「出たな魔王夫妻!!掛かれ!!」


勇者が叫ぶ。


「アイスバレット」


「サンダーランス」


僧侶と魔術師の放つ魔術が、二人に炸裂するが……。


「ぬん!!」


「ふん!!」


圧倒的な魔力で、ガダルバーナとヒジリタリウスははね除けた。


「馬鹿な!?うわああぁ!!」


焦った勇者がガダルバーナに斬りかかる。


「遅いわ!!」


ドゴッ


「わあ!!」


ガダルバーナに吹っ飛ばされ倒れる勇者。


「さて……どうしてくれようか?」


「喰らっても不味かろう」 


ガダルバーナとヒジリタリウスは、三人を睨み付け笑みを浮かべる。


「パパママ、怒る気持ちは分かるけど一度だけは見逃す約束でしょ?」


そこへ幼い少女がやってきた。


……一度だけは見逃す約束?


勇者は冷や汗を掻く。


「勇者さん達も自分の国にお帰りなさい。ここは貴方が来る場所ではないわ」  


少女が三人に言った瞬間、三人の姿が消えた。


「アルカディア!!お前は優しすぎる」


ヒジリタリウスが怒る。


「弱いもの苛めは良くないよ。一度だけは許す約束だもん」


アルカディアは笑って答えた。


「魔界にホイホイ来られても困る。人間界に転移門があるかもしれん。調べさせてみよう」


ガダルバーナは頷くと踵を返す。


「私は気分悪いから部屋にこもる!!」  


ヒジリタリウスは怒って去っていく。


「ママは怒りんぼさんだね」


「それではパパと朝食を食べよう」


アルカディアとガダルバーナは、仲良く広間へ向かうのだった。



人間界では。


「謎の幼女に助けられるとは情けない!!」


魔術師は叫ぶ。


「もう一度行きましょう、今度は最初から全力です」


僧侶も頷く。


「あぁ、分かった」


冷や汗を掻きながら、勇者も頷いた。


三人は再び転移門から魔界へと入る。


だが、三人の目の前に悪魔メイドが三人居た。


「転移門確認」


「勇者三人確認」


「これより駆除致します」


悪魔メイド三人は、口々に言うと勇者達を爪で引き裂いた。


「あれ?」


「へ?」


「あ?」


三人の首は引き裂かれ、地に落ちるなかでその言葉が最後だった。


「ふむ、そうか。駆除ご苦労」


広間で食事をして居たガダルバーナは、悪魔メイド長から報告を聞いて労う。


「せっかく見逃して上げたのに、何で学習能力が無いのかしら?拾った命を無駄にするなんて理解不能ですわ」


ナプキンで口許を拭いながら、アルカディアは溜め息をつく。


「勇者は体の言い生贄だ。憂さ晴らしや国の名目を保つ為、腕っぷしが幾分か強い冒険者が勇者に祭り上げられてやってくるだけのことよ。真の強い冒険者や強者は国が囲って居よう」


ガダルバーナは苦笑して答える。


「ならば、転移門がどの国に繋がっていたのか特定して対策を練らねば行けませんわ。勇者達の首を添えて警告と温情を最初に与えましょう。従わない場合は……パパの好きなようになさって下さい」


「ふむ、それで良かろう。色好い返事が来ると良いが、期待は出来ぬだろうな」


アルカディアに言われ、ガダルバーナは頷いた。


「従わないなら殲滅するまででしてよ」


アルカディアは優雅に微笑んだ。



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