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【独り言】と【根性論】と【検索】がスキル? LUCK 1のニートが異世界を生き抜く話。  作者: shira


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第4話


俺は奥へと続く通路に視線を向け、探索へ向かう。


しかし広間を離れる前に俺は足を止めた。


スケルトンとの激戦による高揚感と泉の誘惑で気づかなかったが、戦闘した場所にはスケルトンが残したアイテムが散らばっていた。


魔核と、錆びた剣。


(剣も落とすのか。運がいいのか悪いのか)


俺は拾い上げた剣の表面を手のひらで拭う。


剣は柄の部分に薄く皮が巻かれているだけで、刃は分厚く鈍い銀色をしていた。

見た目は粗末だが、傘の柄とは比べ物にならない武器だ。


俺は錆びた剣を右手に持った。

これが俺の新しい主武器だ。俺は探索へ向かう。


泉からさらに進むと、再び通路は広くなり、第2層の本格的なエリアへと入った。


石壁の間に等間隔で松明はあるが、薄暗い。


(第2層は暗いな。第1層よりも構造が複雑そうだ)


俺は壁際を慎重に進む。LUC 1の運命を考えれば、突然の遭遇があるかもしれない。


通路の角を曲がった瞬間、正面から低い唸り声が聞こえた。


「グゥ……」


そこにいたのは、小柄で皮膚が緑色の、原始的な服をまとった人型——ゴブリンだ。奴は石の床に座り込み、鋭利な石器のような石斧を磨いていた。


(スケルトンだけじゃない、ゴブリンもいるのか)


俺はすぐに検索を発動した。


【解析情報 解析結果:ゴブリン。スケルトンより耐久性は劣るが、個体数が多く、集団行動を好む。

特徴:機敏で、石斧や棍棒といった原始的な武器を使用する。】


「スケルトンより若干弱いが個体数が多いのか」


ゴブリンは警戒心が一際強い。

俺の足音に気づき、すぐに立ち上がって奇声を上げた。


「キッ!ガァ!」


俺は戦闘態勢に入った。


錆びた剣を構え、ゴブリンと向き合う。


(スケルトンと違い盾がない分、戦いやすい!)


ゴブリンは石斧を振りかざし飛びかかってきた。その素早さはスケルトンより劣るものだった。


「独り言!」


俺は集中力を高め、ゴブリンの攻撃を剣で受け流す。


腕にガツンと衝撃が走ったが、Lv. 5の腕力が支える。

ゴブリンが攻撃の反動で一瞬体勢を崩した隙を逃さず、俺は剣を奴の胸元へ突き刺した。


ゴブリンは甲高い悲鳴を上げ、光の粒子となって消滅した。


【経験値:30を獲得しました】


(勝てた。簡単ではないが、確実に仕留められる)


俺はゴブリンを相手にレベリングをすることを決めた。Lv. 6に必要な経験値はまだ190 EXPも残っている。


スケルトンからは逃げ、ゴブリンを見つけたら戦う。

これが俺の第2層における基本方針だ。


俺はその後も慎重に探索を進め、ゴブリンを見つけ次第、戦闘を仕掛けた。

スケルトンに遭遇した際は、問答無用で来た道を全力で引き返した。


ゴブリンは単独でいることもあれば、二体、三体の小集団で襲いかかってくることもあったが、俺はしっかりと敵の配置を把握した。


根性論で疲労を無視しながら、着実に経験値を積み重ねていった。


第2層の通路は迷路のように入り組んでいた。


一定の探索を続け、レベルアップまであと少しのところで通路の突き当りに通常の広間よりも遥かに大きく、奥に開けた部屋があることに気づいた。


(2層にボス部屋か?いや、雰囲気が違う)


俺は最大限の警戒をもって部屋の入り口から一歩足を踏み入れ、中を覗いた。


「ブォン!!!!!!!」


俺は引き返そうとしたが、次の瞬間、凄まじい轟音が響き魔法的な障壁が張られた。


俺は慌てて退路を確認した。入ってきた通路は淡い光を放つ魔法の障壁で完全に塞がれていた。


(くそっ!罠だ!)


俺はすぐに背後の通路と、部屋の魔法的な障壁に検索を発動した。


【解析情報 解析結果:ゴブリン・ハイブ(巣)。

異常に高密度の魔物反応あり。 警告:モンスターハウス仕様。障壁は内部からの解除不可。全てのモンスターを討伐するまで脱出不可。】


(脱出するには、全滅させるしかない!?)


「ガァアアアアアア!」


部屋の奥から、十数体のゴブリンが奇声を上げながら、一斉にこちらに襲いかかってきた。


目の前にいる十数体のゴブリンを相手に、俺はどうするのか―


1話から3話で少し設定の追加など変更と手直しをしました。

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