第24話『丘の上で、約束のキス』
緑の丘の頂上で、見渡す限りの大自然に包まれながら。
ふたりは初めてのキスを交わす。
王女と侍女の身分差を超えて、恋人として未来を誓う――甘く切ない瞬間。
丘の頂上に着くと、風がやさしく髪を揺らした。
見渡せば、広がる緑の絨毯と青い空。
遠くには城の尖塔も小さく見えた。
「……美しい」
リュシアが息を呑んだ。
「ここまで来てよかった」
ティアナはリュシアの手を握り、ぎゅっと強くした。
「ねぇ、リュシア」
「はい?」
「これからも、ずっと一緒に歩いてくれる?」
リュシアは少し恥ずかしそうに目を伏せたが、すぐに顔を上げて、ティアナの目をじっと見つめた。
「もちろんよ。あなたとなら、どんな未来でも怖くない」
その瞬間、リュシアがそっと顔を近づけた。
「――ティアナ」
「はい」
ふたりの唇が重なる。
初めてのキスは、ゆっくりで、甘くて、少し震えていた。
でも、確かな想いがその中に込められていた。
キスの後、リュシアは微笑んだ。
「この丘の上で、あなたと約束するわ。
どんな困難があっても、離れない。ずっと、あなたのそばにいるって」
ティアナも力強くうなずいた。
「わたしも。
リュシアとともに、歩む未来を選ぶ」
その言葉は風に乗って、森の中へと響いた。
* * *
ふたりはしばらく景色を眺め、未来を想像しながらゆっくりと手をつないで下山を始めた。
これからの道も険しくとも、ふたりの心は一つ。
恋人として、旅人として、共に歩んでいくのだ。
初めてのキスは、身分の壁を超える証。
丘の上で交わした約束は、ふたりの未来の始まりでした。
次回、第25話は:
『森での夜、ふたりの願い』
小旅行の夜、森の中で過ごす甘い時間。
ふたりの願いが星に届くように――。




