表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
光精霊に転生した俺は悪役令嬢推しでした!  作者: のほほん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

10/246

第10話 クラリスとヒカリ、進まぬ契約

「ヒカリ、契約ってどうやるのかしら?」


 クラリスは机に広げた魔法書を見つめながら、小さく唸った。


「この本には『精霊との契約には誓約の言葉と契約の証が必要』って書いてあるけれど、具体的な方法までは載っていないの」


「誓約の言葉と契約の証……か。俺も何となく聞いたことはあるけど、詳しくは分からないな」


「ヒカリも分からないの?」


「うん。精霊としての本能とかで何か分かるかなって思ったけど、契約に関する記憶や知識はまったくないんだ」


 クラリスはしばらく考え込んでいたが、やがて顔を上げた。


「……試してみるしかないわね」


「おっ、それっぽい誓約の言葉を考えてみる感じ?」


「ええ。ヒカリ、準備はいい?」


「もちろん!」


 クラリスは真剣な表情になり、両手を胸の前で組む。そして、しっかりとした口調で言葉を紡いだ。


「私はクラリス・フォン・ルミエール。汝、光の精霊ヒカリよ。我が契約精霊となり、その力を貸してくれることを誓いますか?」


「誓います!」


 俺は即答し、できる限り強く光を放った。


 しかし――


「……あれ?」


 クラリスが困惑した顔で手を見つめる。


「何も起こらない……?」


 契約が成立すれば、精霊と契約者の間に魔法の光が生まれるはず。しかし、いくら待ってもその兆候は見られなかった。


「おかしいな……俺、めちゃくちゃ契約する気あるのに」


「もしかして、何かが足りないのかしら?」


 クラリスは再び本を開き、もう一度契約の章を読み返す。


「精霊契約には、契約者の魔力と精霊の力が共鳴しなければならない……」


「共鳴?」


「ええ。契約者と精霊が深く繋がり、お互いに力を認め合うことで、契約が成立するらしいわ」


「じゃあ、俺とクラリスはまだ繋がりが足りないってこと?」


「そんなことないわ! ヒカリとは、もうたくさん話して、たくさん一緒に過ごしてきたもの」


「だよなあ……」


 俺たちは確かにお互いを理解し合っている。会話もできるし、一緒にいる時間も長い。


「もしかして……俺の力不足?」


「ヒカリの?」


「俺、自分がどれくらいの力を持ってるのか、あんまり意識したことなかったんだよね。契約には精霊の力も必要ってことは、俺の力が足りてないせいで契約できない可能性もある……?」


 クラリスは少し考え込んだ後、静かに頷いた。


「……それはあるかもしれないわね。もしかすると、ヒカリがもっと力をつければ、契約が成立するのかも」


「じゃあ、俺はどうやって力をつければいいんだろ?」


「精霊は、契約者の魔力を受けて成長するとも聞いたわ。でも、ヒカリはまだ契約していないから……」


「ってことは、自力で成長するしかない?」


「そういうことになるわね」


 俺は少し落ち込みながらも、気を取り直した。


「よし、分かった! 俺、もっと精霊としての力をつけて、絶対クラリスと契約する!」


「ふふっ、頼もしいわね。でも、無理はしないでね?」


「もちろん! でも、絶対にクラリスの力になりたいから、頑張るよ!」


 クラリスは優しく微笑みながら、俺に手を差し出した。


 俺はその手のそばで光を灯しながら、改めて誓う。


(絶対にクラリスと契約して、彼女の未来を守ってみせる!)


 契約への道はまだ遠いが、それでも俺たちは確実に絆を深めていくのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ