81・浄化作戦 後編
「私一人でも行かせてください!」
「駄目だと何度も言っているではないか…一度 城に戻り国王に報告し、それからでもよかろう?状況が把握できていない今、いくら君の頼みでも行かせるわけにはいかない」
「なら、早くっ!」
アッシュ君が何処かへ飛んで行ってしまってから、数十分…
今だに何も出来ていない私は苛立ちを隠せないでいた。
時間が経てば経つほどアッシュ君を探し出す事は困難になってしまうだろう。
帝国軍は一度城に戻ると先程旅立っていった。皇帝は直ぐにでもアッシュ君を討伐すると意気込んでいたが、ヤルトガは祖国に着き次第、皇帝を幽閉すると約束してくれた。後は信じるしかない…
蛍のケツ達は湖や周辺に異常がないか確認している。湖はすっかり元の澄んだ水へと変わり美しさを取り戻している。っと言うことは、あの量の穢れが全てアッシュ君の中に入り込んだと言うことになる…
今のアッシュ君はアッシュ君なのだろうか?
だけど、そんな事を気にしている場合ではない!
「では、一旦戻るとしよう。マリア嬢宜しく頼む」
素早く転移魔法を唱えると蛍のケツと騎士団を聖王国城へと送る。
私は…
「アンジェリカ、エマ、ごめん私…」
「分かっているわ…レオナルド様を探しにいくのでしょう?そして、止めても無駄だと言うことも…」
「マリアちゃんは向う見ずだからねっ!だけど同時にヒーローでもあるんだからっ!私は心配してないよ?」
「2人共…」
「「気を付けて行ってきてよ(ねっ)」」
「2人には王子の足止めお願いします。ちゃんと無事にアッシュ君と帰るからって伝えて」
「「ええっ(うんっ)」」
「では行ってきます」
「いってらっしゃい」
2人と抱擁をし、聖王国へと送り届けると浮遊魔法で旅立つ。
「ねぇ、白とシェイロンにはアッシュ君の居場所分かる?」
『あっちです。私の背中にお乗りください。案内します』
シェイロンは元の大きさに戻ると私を支える様に寄り添い背へと導いてくれた。
自分では分からなかったけど、精神的な部分が弱っていたのだろう…シェイロンにしがみつく手が震えていた事に驚いた。
『では、行きます』
そう言うと、シェイロンは迷いなく進んでいく。
アッシュ君、もう少し待ってて。
今迎えに行くから…
久しぶりの投稿ですみません…
体調を崩しまして…
ゆっくり更新致します。




