76・どうやら強制だそうです
「皆さん心して聞いてください」
学長が深妙な面持ちでこちらを見る。
勿体ぶってないで早く言ってくれないかな…
「実は先程、王城から伝達があり、アーノルドさんの体液で浄化できない魔の穢れが現れたそうです。これまでは幾度となくアーノルドさんの体液で浄化してきましたが、こんな事例は初めてで、混乱が起きているそうです。国王様としては急速に対処したいとのこと。アーノルドさん、レオナルドさん、サイラス様に協力し、至急対処に向かって下さい」
体液体液と連呼しないで欲しい…
そっか…久しぶりの浄化イベントってところだろう。だけど今までは普通に私の涙で浄化出来ていたのに、いつもと何かが違うってのは…
「学長っ!わたくし達も一緒にその対処に同行したいのですが、許可はいただけますか?」
「ハーベストさん、今回はとても危険だと聞いています。私の一存では決められません。学校側としては、生徒の意向を優先したいのですが…」
「もう置いていかれるのは嫌なんです!待つだけなんて嫌っ、その為に努力もしてきたつもりです」
「私も!何かの役に立ちたい、炊事雑用でもいいんです!お願いします」
「そう言われましても…」
学長は困り果てた面持ちで、蛍のケツを見る。2人が学長に詰め寄るなんて、そこまで私は頼りないと思われているのか…
「2人共、落ち着いてくれ。こうしよう!これから2人は一度親御さんと連絡を取り、許可が取れたら連れて行く。行くまでには準備が必要だ。それが期限としよう」
「「分かりました」」
「僕は行けるよね?」とショタっ子オースティンはサイラス様に伺っている。ビビリは「俺も親に連絡しなくては…」と早足で学長室を後にした。
「申し訳ないが2人にはこのまま王城に同行して貰う」
私達は親に許可とかは…
強制連行され、王城へ連れて行かれました…
「良く来てくれた。アーノルド嬢よ」
この会議ももう慣れたものだ。
いつもの顔ぶれが揃っている。
軽く挨拶を済ますと説明が始まった。
魔の穢れが発生したのはなんとナバス帝国と聖王国との国境付近のナバス側の森の中。
ナバスより要請を受けて対処にあたったけれど、浄化出来なかったらしい。今は2つの国で力を合わせ、出てくる魔物を退治しているみたいだけど切りがなく、早くどうにかしないと騎士達の体力気力共に尽きてしまうと懸念されているそうだ。
「では、準備が済み次第出発してくれ、あっ!それとアーノルド嬢よ、くれぐれも先に先行しないように頼むよ。レオナルドよ、よく見張っててくれ」
国王は言ってやった感を出しながらこちらを見ている。あの誇らしげな顔が鼻につくのは私だけなのだろうか…大人気ないな…
取り敢えず、準備をする為に女子寮に帰ることにしました。
後は連絡待ちです…
はぁ〜私へのみんなの信頼度ってどうなってるわけさ…




