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63・どうやらナンパされたようです


幸運な事にあの後、すんなり帰されました。

アッシュ君だけが残るように言われ、私は女子寮へ。

やっと明日から登園できるようです。

早くアンジェリカとエマに会いたいなっと思っていたら、明日から三連休、2年に一度の学園創立祭だそうです。要は先生達が飲んだり食べたり、魔法をぶっ放したり、研究成果を見せびらかしたりする日だとエマに教えてもらいました。


急に予定が無くなり、暇だなぁと思っていたらアンジェリカからのお誘いで王都に新しく出来た比較的裕福な人達が集まるお洒落なカフェに3人で行く事に。


朝早くから公爵家の使いの者に起こされ、エマと2人で連行され、されるがまま数時間、鏡に写る私は裕福な商家のお嬢様風。エマもアンジェリカも派手過ぎず、高級過ぎずの格好だけど、やっぱりアンジェリカから出る気品は隠せていない気がする…


「さあ、着いたわよ」

「「うわぁ~」」

想像していた綺羅びやかさは無いけれど、隠れ家みたいな山の中にポツンとある魔女の家の様なただ住まいがとても素敵なカフェだった。

壁にはつる植物が根をはり、至る所に花が咲き誇っていて癒やしの空間を作っている。これを特殊な魔法陣で維持しているらしい。魔法って素晴らしい。


案内されたテラスには私達と同じ裕福そうな人達が美味しそうなケーキを食べていたり、談話したりと、ゆったりとした時間を楽しんでいる。


席に着くと既にケーキや飲み物が用意され、イケメンのお兄さんが給仕してくれた。周りを見ると1テーブルに1人、給仕係が付くようだ。流石金持ち専用カフェだ。


「それで?休みの間、何をしていたの?」


アンジェリカに問われ、迷ったけど全て話すことにした。現世でもここまで打ち解けた友達って少ない。オタク友達数人程度。勿論、前世の記憶や女神様関係は隠すとしてね…


拾った卵が孵したこと、白と名付け食事を与える為にダンジョンに潜った事、夜会であったあの男が隣国の皇帝だったこと。アッシュ君が第2王子で私の婚約者になった事。スタンピードが起き、解決した事。そこで会った初代聖女様の使いに懐かれた事など、自分で話していてもこの短期間で色々な事があり過ぎてびっくりしている。アンジェリカとエマも終始驚いているようだった。


「不思議ね、貴女は普通の事のように淡々と話すけれど聞いているこっちが疲れちゃうのは何故かしら?」

「なんでだろうね?話が長かったとか?」

「違うわよ!2刻(2時間)ほど貴女の話に耳を傾けたけれどあっという間だったわ。びっくりするくらい。なんだかおとぎ話を聞いているようだったわ」

「そうかな?実際は面倒な事も多かったけど…特にあのクソ皇帝が… あれっ?エマ?さっきからどうしたの?ずっと黙っているけど、つまらなかったかな私の話?」

「…… えっ?そんなことないよ〜マリアちゃんの話凄がったよ~想像以上に本当に…」

「じゃあどうしてそんな深刻そうな…」

「お嬢さん達、僕たちと一緒にお茶しない?」


私の話を遮るように何処かのボンボンと思われる男3人が声を掛けてきた。勿論断るものだと思っていたけど、意外な事にエマが「いいよ〜」と言った。私とアンジェリカは驚きを隠せないでいた、だってエマには婚約者がいるのだから…


そのせいで広いソファの席に移動してつまんない話を1刻半も聞く羽目になってしまった。どうやらこいつらはこのカフェに投資した商家の息子らしい。だから店員も止めなかったのだろう…

まあ、私達もお忍びなのでしつこく色々聞かれてもあえて名乗らなかったけれど、アンジェリカの家柄を聞いたらこいつら失神するだろうな…


それにしてもエマ…何故…ずっとそんな顔をしているの?

今にも泣きそうな顔をしているくせに作り笑顔が痛々しい。

最後までエマの顔が頭から離れなかった…











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