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59・どうやら飛んで火に入る夏の虫のようです


緊急会議発令です!


ナバス帝国皇帝は配下の者に引きづられる様に帰って行った翌日、やっと学園に行けると思っていた矢先に国王の使者に捕まりました。

頼み込まれ、馬車に乗せられ、連れて行かれる、いつものパターンで行き着く先は王宮会議室。私が着くと何故か先に来ていたお偉いさん達が一斉に頭を下げてきて困惑する。何事か?


ビビりながら案内された席に着くと、顔色の悪そうなお父様と目が合った。

今度は何をやったのだと言わんばかりの目線を向けられ、こっちが聞きたいわと念を送る。

だってそうでしょ?

説明なしに連れてこられたのは私だって同じだ。だけど、隣の席を見るとアッシュ君が居てちょっとホッとした。


「では、全員集まったようなので緊急会議を始める。まず始めにナバス帝国についてだ」

宰相の話では色々やらかしたナバス帝国は賠償金の支払いに素直に応じ、私とアッシュ君に今後一切関わらないことを約束してくれたそうだ。皇帝自身は納得いかない様だったが、配下の者達が皇帝をすり替えてでもこの条約を守ると約束してくれたのでこちら側としても納得する事になった。


次に国王が話し出す。

「そこにいるレオナルド候爵家のアッシュについてだ。実はアッシュは隣国ナバス帝国の第2王子ロマネスク・ナバス・アシュガルドなのだ。だが、彼は兄、元皇帝に虐げられ我が国に亡命して来た。事情を全て知った上で儂は彼を監視してきたがこの度、儂は彼を認め、レオナルド候爵家の養子となる事を了承した、そしてアーノルド男爵家令嬢との婚約を認める事とする。異議はないな?」


えっ…アッシュ君と婚約!?聞いてないんですけど!まだ、心の準備が…

ギギギと隣のアッシュ君を見ると、今にもとろけるそうな顔でこちらを見ていた。

溢れるフェロモンに鼻血が出そうだ。


「次に突如現れた聖獣様の話になる。アーノルド嬢、ご説明をお願いできますでしょうか?」


宰相が急にこちらに話を振ってきた…まだ先程のダメージが回復していないのに…

そもそも皆の言う聖獣って白の事で合ってるよね?

確かにメーティス様に預かったのは事実だが、私とメーティス様を結び付けられても困る。厄介事は避けたい。

かと言って白を魔獣扱いされても困るし、どうしたら…


私がう〜んう〜ん悩んでいたら誰かが「聞いては行けない話だったのではないか?」と言い出した。「確かに」「国が滅ぼされる」と相槌も聞こえてくる。おい、おい、物騒な事を言っている奴がいるな…


「ごほんっ、アーノルド嬢これは話せる内容かね?」

見兼ねた国王が話に入ってきた。

説明が「難しいですね」と答えると「そうか…なら聞かんでよそう。皆も分かったか」とどうやら私の空気を読んでくれたようだ。



そろそろ会議が終わるだろうと思った矢先…

乱暴に会議室のドアが開いた。


「大変です!!北のサライズ辺境伯領にてスタンピードが発生致しました。辺境伯領より援軍要請が来ております!」

「な、なんだと!一難去ってまた一難か…皆の者このままは引き続き作戦会議を行う!少休憩後すぐに始める事とする」


えっーそれって私達も参加しなきゃ駄目なの?

スタンピードか…魔物の大群が押し寄せた、と言う事だろうか。

『お母様、ご飯です』

そっか、グッドタイミングってやつかもしれない。白の食事量ならば…


「国王様、そのスタンピードわたくしにいただけないでしょうか?」

「何を言っているのだ、こんな時に冗談を…まさ…か、どうにか出来るのか?」

「分かりませんが、できる限り頑張ります」

「聞いたな?この件はアーノルド嬢に任せる事とする。第5騎士団長、アーノルド嬢を全面的にサポートするように」

「命に変えてもお守り致します」


やった!これで白の食事の心配はなくなったわけだ。そうと決まれば王宮の図書館にレッツラゴー!

スキップしながら図書館に向かおうとしたら、誰かに肩を掴まれた。

片方は優しく触れるような触り方「マリア、説明して?」アッシュ君だ。もう片方はかなり痛い「マリア、私にも解るように説明してくれ」お父様だった。


取り敢えず、3人で図書館へ向かうことになりました。




サイラス視点


私はなんてことしてしまったんだ!

欲望のまま、マリア嬢を…

マリア嬢…柔らかかったなぁ、あのままアッシュが来なければ…

いけない、私はなんてことを考えているのだ。



父上に怒られてしまった。生まれて初めてかもしれない父上に怒られるのは…

アッシュとマリア嬢の婚約が決まるそうだ…

もう私は君を諦めなくてはいけないのだろうか…


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