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53・どうやらランクアップしたようです

すみません、ギルドランク訂正致しました!


「こんにちは、今日はどのような御用件でしょうか?」カウンターから綺麗なお姉さん?に声を掛けられ、ビビリ気味な私は小さな声で「魔石の買い取りをお願いします」と伝えた。


この間来た時は貸し切りだったので雰囲気とか分からなかったが、今は圧倒的に場違いな場所に来てしまった感がある。先程から冒険者たちの視線が痛い…思わずアッシュ君の腕に飛びついちゃったよ…


「では、魔石をお預かり致します。パーティーメンバーはお2人でしょうか?両方のギルドカードの御提示もお願いします」


「えっ!ギルドカード見せなきゃいけないんですか?」


「そうですね、規則ですので…見せるのは表のギルドランク表示だけで大丈夫ですよ。裏面のジョブではありませんのでご安心下さい」


良かったぁ…

表にギルドランクなんてあったんだ…

ジョブのせいで全く他を見てなかった。

ちょっと興奮して大きな声出しちゃったから目立っちゃったかな…


嫌な視線が突き刺さる。

さっさと終わらせて帰らなきゃ!

ギルドカードを提示すると「ストーン級Fランク冒険者様ですね」と言われた。


等級に合わせてカードの色も変わるらしい。

私とアッシュ君のカードの光沢のない灰色は駆け出し冒険者を表しているんだって。

「なんだよ、勿体ぶった割に駆け出しかよ」

「ハッ、学生のお遊びじゃねぇーんだぞ」

「美男美女のカップルか?帰れ!」

などと、野次が飛んでくる。怖い…私は思わず目を瞑り、アッシュ君の腕にしがみつく。


「黙れ」

アッシュ君のその言葉で急にその場が静まりかえる。恐る恐る目を開けると野次を飛ばしていた筋肉質なガラの悪い男数人の口がアッシュ君の闇魔法、影縛シャドウバインドで塞がれていた。それを一生懸命解こうとする男達とそれを見ている人達。その瞳は恐怖、好奇、驚愕と様々だ。


「取り敢えず、これだけ頼む」

予め、麻袋に分けて入れておいた魔石を袋ごと机の上に置くと、賑わい出したはずの場がまた静まりかえってしまった。


「中を確認致します」

受付嬢のお姉さん?は袋の中を見ると「失礼ですが、本当にお二人で?」と再度確認してきた。

やっぱりアッシュ君の言った通り、いっぺんに全部持ってこなくて良かったのかもしれない。


「申し訳ございませんが、少々お時間を頂けませんか?」私達が頷くと同時に受付嬢は後ろにいる職員に指示を出す。どうやらこのお姉さん?はベテランのようだ。


しばらくすると「あらっ、貴女達だったのねぇ」と優雅に階段を降りてくる女性が姿を現した。周りからは「ギルドマスターだ」「彼奴等、ギルマスと知り合いかよ」「今日の露出も最高だ」と野次が飛ぶ。


ライラさんに「あの子達を許してあげて」と言われ、アッシュ君が影縛シャドウバインドを解除する。


「それで?貴女達何処でこの魔石を手に入れてきたのかしら?」

「森風の道です。そこを制覇して来ました」

「そう… えっ?制覇って駆け出し2人で?貴女、制覇って意味知ってるのかしら?間違ってない?」

「馬鹿にしないでく――」「マリア、俺が説明してもいいか?マリアだと…ほら…色々とな」

そっか、女だから甘く見られているのかもしれない!ギルマスは女性だからそういう偏見無いんだと思っていたのに残念だな…


「マリアが言ったように俺達は森風の道を制覇して来た。付加えるとしたら、先客、嫌、新手の魔物が出現したようでダンジョンボスは弱りきっていた。これは憶測だが、そこら中に魔石が落ちていた事を考えると冒険者では無いだろう?」

「貴女達はそれでこの魔石を手に入れた…と」

「そうだ。運良く、新手の魔物とも遭遇せず、帰ってこれた」

「そう、一度調査が必要ね。所で森風の道までは最短で片道1日はかかるはずだけど学園はどうしたの?貴女達学生よね?」

「まあそれは…俺達のオーラ…勿論ギルドマスターは知ってるよな?なら、言わなくても分かるだろ?」

「そうね…貴女達しか出来ない魔法…そういう事ね。素晴らしいわ、流石あのジョブを手に入れた強者ね。ますます欲しいわぁ~」

ライラさんがアッシュ君に詰め寄ってきたので、私は思わずアッシュ君の腕を引っ張った。


「あらあら、貴女達…そうなの…って事は1人を釣れば大物が2人釣れるって事ね。いいわ、この量の魔石をすぐには買い取れないのよ、後日もう一度来てくれるかしら?それと、この2人を私の権限でカッパー級Dランクまであげちゃってくれるかしら?」


「いいのですか!?適性検査無しにアイアン級Eランクを飛び越えてそこまで!」

「いいのよ、この2人は。国からもそうしろと命令が来ているし、あっ!そうそうお嬢さん貴女、お尋ね者になっているわよ?何をやらかしたのかしら?上の方々は相当焦ってこちらにまで連絡が来たのだけれど貴女…何者?」

「?ただの学生ですが…」

「そう、ならいいわ、早く帰りなさい。余り周りに迷惑を掛けないでちょうだいね」

心外だな…私が何をしたと言うのだ。同意を求めようとアッシュ君の方を見ると、何故か複雑そうな顔をされた。

「あいつ何もんだよ」「国に目を付けられるだなんて相当な事をしたんだろ」「関わらないほうがいい」またまた野次が飛ぶ。


えっ…私、なにかやらかしたっけ?





いつも読んでいただき、ありがとうございます。



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