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45・仮面舞踏会 パート1


学園がお休みの昼下がり。

私とエマはアンジェリカ宅でお茶会をしている。今日はこのままアンジェリカ宅にお泊り予定だ。


流石公爵家、お城だ。アンジェリカは正真正銘のお姫様だった。


「ねぇ、聞いて下さる?実はね…」

「「嘘っ!?」」


余りにもアンジェリカの話が衝撃的過ぎて、それからの記憶が曖昧だ。

アッシュ君が何故?

頭の中はその事でいっぱいだった…



「あれっ?」

気付けば鏡に写った自分がめいいっぱいお洒落な格好をしていた。


「さあ、行くわよ。逸れないとは思いますが、一応一目で解るようにこの動物のカチューシャと仮面をつけましょう。あらっ皆さん可愛いわ」


エマはリス、アンジェリカは狐、私は兎だった。うわぁ本当みんな可愛い〜


「我が家の護衛騎士も数名潜入する予定ですが、くれぐれも無茶は駄目ですわよ、特にマリア、貴女よ?聞いてますの?」


「私達これから何処に行くんだっけ?」


「んまっ!幾ら大好きなレオナルドさんの事で衝撃を受けたからって忘れてしまうなんてどうかしてますわ」

「な、な、な、す、す、好き?私が誰を?」

「レオナルドさんです。見ていれば分かりますわ」

「アンジェリカちゃん、マリアちゃんは鈍感だから自分の気持ちに気付いていないと思うよ〜鈍いからぁ〜」


動揺する私を2人が挟むように引きずり馬車に押し込む。「詳しい話は向いながら話すわ」と2人も馬車に乗り込んできた。


王都にある、とある伯爵家のお屋敷で最近頻繁に行われている夜会が今、令嬢達の中で噂になっていると言う。


その夜会が【仮面舞踏会】と言う名で、俗に言う出会い場になっているそうだ。


どうやらその屋敷を所有する伯爵夫人は隣国の出身で隣国の有力な貴族の令息達が参加していると言うことで年頃の若い女性達はこぞって参加しているそうだ。


先日アンジェリカのクラスメイトがその仮面舞踏会に参加したらしく、偶然ぶつかった拍子に男性の仮面がずれ落ち、一瞬しか見えなかったがその横顔がアッシュ君にそっくりだった事に驚いたそうだ。声を掛けようとしたが、「失礼」と慌てて行ってしまわれて確認は出来なかったと…

ただ、髪色も目の色も違ったので別人か、それとも魔法で変えた本人なのか保証はない。


それを聞いた私がどうしてもその舞踏会に連れて行ってくれとアンジェリカに迫ったらしい。ほっとくと何を仕出かす分からないので監視の下、連れて行く事にしたそうだ。


「ごめんなさい…」

「いいのよ… 分かるもの…その気持ち」

アンジェリカの顔はどこか寂し気で、それ以上何も言えなくなってしまった。


「お嬢様、お着きになりました」従者がドアを開けるとそこにはイルミネーションでキラキラと光輝く屋敷があった。


外まで漂ってくる音楽と香水とお酒の香り…

ごくりっ、大人の世界だ…


「行くわよ、いいわね?変な人には付いていかない!食べ物で釣られない!わかったマリア?」


私は大きく頷く。

「では、行きましょう。付いてきて頂戴」


堂々と振る舞うアンジェリカはとても格好良く、輝いて見えた。顔を隠しても尚も放たれる気品やオーラが周りの者達を圧倒している。要はかなり目立っているのだ…


「マリアちゃん、私達凄く見られてるね」

エマがこそっと耳打ちしてくる。


「うん、これはちょっと…予想外…」


男達の値踏みをするかのような視線がまとわりついて来て気持ち悪い。

私とエマはこそこそとアンジェリカの後ろに隠れるように付いていった…







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