2・どうやら夢ではなかったようです
皆さんこんばんは。
なんだか前置きが長くなりそうです…
すみません〜
結局元の世界に戻っていなかった私は仮病不貞寝中。
今頃みんなどうしてるかなぁ…
家族心配してるだろうなぁ…
なんだか泣きたくなってきた。
そもそもなんで私なんだろう…
乙ゲー好きの妹なら分かるが…
初恋だってまだだし、恋愛にいい印象を持っていない。それもこれもバカ兄貴達のせいだ。私が口悪いのも恋愛出来ないのもみーんなあいつらのせい。だけど別に仲が悪い訳じゃなかったのになぁ…
うちの家族 男共限定だが碌なやつが居ない。
無駄に見栄えの良い父親に似て兄(高3)弟(中3)妹(中1)私(高2)も含めだが全員美形。
子供大好きな父は私達に優しい良い父親である。しかし無駄に見栄えの良い父は無駄にモテた。子供の頃は分からなかったが大人に近づくに連れ分かって来ることもある。こいつ浮気してるなぁと…一度母がポロリと愚痴をこぼしたことがあった。「父には浮気癖がある」と。私はそんな母に「嫌なら離婚したら」と言った。「でもお父さんが一番愛してるのは私なんだって他は遊びだから」母は少しはにかみながら答えた。一番愛してるって何?結婚してるんだから一番は当たり前じゃないの?私には到底理解できないと思った。
少しチャラい1つ上の兄。無駄にスポーツも出来たからかなりモテる。取っ替え引っ替え彼女が代わり、うちに連れて来る。隣から微かに聞こえる兄の声「愛してる」「可愛い」「好きだよ」お前の口はそれしか出んのかいっとツッコミたくなるような愛の言葉安売りセールの兄に背中がゾワゾワするの堪え、ヘッドホンを着けるのが私の日課だ。たまに病気でも移されてしまえっと思ってしまうのは秘密だ。
2つ下の弟はいわゆるショタと呼ばれる種族らしい。アニメ好きの友達お墨付きである。確かに無駄に愛らしい容姿に中3にしては低めな身長。誰からも慕われ、愛されている。本人曰く「僕がお願いすればみーんなお願い聞いてくれるよ~」だって。彼女と別れるときもいつも同じ台詞「やっぱり僕はみんなの僕だから」初めて聞いてしまった時は何処のアイドルの台詞だよとツッコミを入れたくなったのを覚えている。それに納得して「そうだね~」って別れる彼女も解せん。なら最初から付き合うなよと思ってしまうのは私だけだろうか…
そんな訳で私は男と言うものが信用出来なくなってしまった。これから出会うであろう攻略対象の事を考えるだけで頭が痛くなる。そもそも出会わない方法はないのだろうか… もう少し妹の話を真剣に聞いておけば良かった。後悔先に立たずとはこのことだ。
乙ゲー好きの妹がスチルがめちゃくちゃ綺麗だからと見せてきたのが世共である。確かに綺麗だったが、一緒に聞こえてくる攻略対象の歯の浮くような台詞が気になってちゃんと話を聞いていなかった。だから私が知っているこの世界の事は少ない。知っている事と言ったら
1・攻略対象の顔
2・ヒロインは光属性 なんとこの世界魔法があるのよ!スチルで攻略対象の怪我をヒロインが治すシーンがあったから。それはちょっと楽しみだよね。
3・舞台は学園だったはず。みんな同じ制服を着ていたから多分そう。
4・HAPPY ENDとBAD END以外にTRUE ENDがある。今のところ思い出せるのはこれしかない。
帰れないんだったらやるしかない。そもそも学園に入学しなければいいのでは?少し方向性は決まったかも。そうと決まれば…
「カロリーナいる?」
「はいっお嬢様ここに」
音も無く現れたメイドにビクッとしながら、仮病の私は儚げに鈴がなるような声で語りかける。
「お腹が空いてしまったの…何か重めのものを用意してくださる?できるかしら?」
「はっ?軽めのものでしょうか?」
「重めよ…そうね お肉が食べたいわ」
「肉ですか?フルーツではなくて?」
「ええっ 出来れば厚めのステーキにしてくださる?」
「はぁ…」
なんだか納得いかない様子で出て行ったカロリーナだったが、数分後出来上がったステーキをペロッと平らげてしまった私を見て口を引くつかせていたのはどうしてだろう?まっいっか。とりあえず寝よう。2日間も食っちゃ寝生活を満喫してしまったがこれからの為に精気を養ったと思うことにする。
はぁ〜面倒くさっもう考えるの止めよ。とりあえず寝ることにした。