17・どうやら異世界2度目の呼び出しのようです
助けてください。またまた呼び出しを喰らいました…しかも今度は王宮です。私を取り囲む面々は大物ばかり。蛍のケツの父(国王)とビビリの父(宰相)と校門野郎の父(騎士団長)それに学長に魔法団長までいる。帰りたい…
「皆 久しいな」
イケオジ国王が喋りだし、ついに緊急会議という名の尋問が幕を開けた。
蛍のケツがおおまかな説明をした後、ビビリがちょこちょこ話を付け足し最後にショタっ子とアッシュ君が話しだした。
このまま終われ…このまま終われ…おお、女神様よ。
私はこんな感じでずっと祈ってました。もしかしたら女神様が助けてくれるかもしれないからさ。
「なるほどな、やはりオーハイ森林で何かしらの事態が起きているのは明らかだ。して、アーノルド嬢そなたが見た黒い澱みについて話して欲しい」
つ、遂に来た!どうしよう!!
「はいっ!わたくしが偵察の為に入った林の中に黒い水たまりがありました。風も無いのに少し畝っているような気がして気になったので印象に残っていました」【本当は目の前にまたまたあっただけなんだけど…】
「その澱みはどうなった?今もそのままなのか?」
「いえ… そのぉ…」
「どうした?申してみよ。何があった?」
本当の事は絶対に言えない!
だけどこのまま知らんぷりをして後からとんでもない事が起きても困るし…
「触れたら…」
「触れたら?」
「わたくしが触れたら黒い水が澄んだ色へと変わったのです!信じられませんよね?私も信じられません。ですのでこれは無かったことにいたしましょう!そうしましょう。」
どうだ!こいつ何いってんだ?で終わるでしょ。早く帰りたい。
「触れたら変わる?もし… 澱みが魔の穢れだっだら…しかし、それなら…まさか…」
あれっ?国王ぶつぶつ何か独り言 言ってる?私よりやばいやつ居たわ。
「ならば彼女は聖女か… アーノルド嬢そなたは聖女だ!」
「はいっ?」
「そうだ!そうに違い無い。おいっ、緊急会議だ!至急皆を集めよ!行くぞ、フォルダン」
「はっ!」
イケオジ集団 国王に付いてどっか行っちゃったよ…残された私達はどうしたらいいのか訳分からん。1人で解決してどっか行くとか呼び出しといてどうかと思う。そもそもこれが緊急会議じゃん!緊急会議好きだなぁ~。
「大変な事になったな、マリア嬢」
「本当ですね。皆さんお忙しそう」
「マリア!分かってないのか?ことの重大さに!」
なんだ?ビビリの癖に馬鹿にしやがって。
「分かっております。あれでしょ?」
何故だがビビリに大きな溜息をつかれてしまった。蛍のケツはやれやれみたいな顔してるし、ショタは目を輝かして見て来る。アッシュ君は… 良く分からん。
私だけ分かってないの?解せん。




