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死の誕生日会

誕生日会当日。

両親と私のコップが、危険を意味するらしい赤色に光っているのをみて、

調べてみると、死を克服せし者で書かれたのと同じ毒が入ってるのを確認できた。

どちらの毒も、マーファの実で解毒できる。

わたしは、両親が飲むよりも前に両親に声をかけた

「お父様、お母様、おふたりが飲んでいる飲み物の方が美味しそうですわ、私に少しくださいまし」

「ん?ああ、これか?炭酸はまだリーシャには早いんじゃないか?」

「ええ、でも、興味を持っているのだったらいい機会だわ、別に用意させましょう?」

お父様の言葉に、そういえば私はそんな名前で呼ばれていたと懐かしがっている間もなく、

お母様の言葉に、顔をしかめる

両親が毒を飲んだ場合に、どうやってマーファの実を食べさせるか迷った挙句、事前に解毒薬を飲んでおいた私が飲んでしまえばいいと思っての発言だったが、

貴族は回し飲みなんてしないのだった。

貴族らしさが抜けて久しい私には、その反応が予想出来なかった。


(こうなれば強行突破だ)

わたしは、油断しているお母様のコップを奪い取ると、一気に煽った。

……と、次の瞬間、呼吸が血によって塞がれる

小さな桶に満タンになりそうなほど血を吐いて、わたしはぶっ倒れた。




ーーーーーーーーーーーーーー


「……懐かしい天井だ」

目が覚めてすぐ、自室の天井が目に付いた。どうやら、命を取りとめて自室へと運ばれたらしい。

どのぐらい経ったか分からないが、周りが騒がしいことを考えると、犯人探しに追われてるのであろう。

一つ誤算があるとしたら……

「リーシャ!大丈夫か?!」

そばにいたのが、両親じゃなくて兄だったということだ


(どういうことだ……?兄の仕業では無いのか?それとも、私の行動を見て、犯人だとバレているのではと怪しんでいるのか……?)

けいかいしながらも、その素振りを見せないように、お兄様、と声を発した


「おお良かった、声が出るんだな!体は無事か?起き上がれるのか?」

「いえ、今すぐには起き上がれはしないようです。ところでお兄様は何故ここに?」

「何を言ってる、最愛の妹が倒れたのだぞ!心配するだろうが!」

その発言に、思わず笑いそうになる


ハッ。誰が何を言っているんだ。私のことを捨てたくせに


そんな思いとは裏腹に、兄はどんだけ心配したかを力説している。

今までこんなふうに話したこともなかったではないか。何を今更心配してる雰囲気を出してるんだ謎だ


「ところで、どうしてお母様のコップを奪ったのだ?まさか毒が入ってると知っていたのか?」

唐突に直球で聞かれて、眉を顰める

まさか、私が毒を入れたと思っている?そういうことにしようとしているのか??

たかが5歳だぞ?そうだ、私は今5歳児なんだ、5歳児らしく返せばいい。

「ただ、お母様の飲み物が美味しそうで、少しちょうだいって言ったら、くれなかったから、取っただけだもん。

私だって、あの飲み物が、あんなに息苦しくなるなんて、しらなかった、んだもん」

暗殺者時代に磨いた演技で、涙を流すと、

今度は兄がギョッとした

「そ、そうなのか、それは疑って悪かった、頼むから泣き止んでくれ」

あせあせと焦りだした兄に、追い打ちをかけようと思って、言葉を続ける

「お兄様こそ、ぐすんっ、なんで今日はお話してくださるの?いつもは、話しかけても、私の事無視するのに……」

ちらりと兄を見ながら、そう言うと、

兄は言い淀んだ。

「それは……」


この隙に、と、試しに死を克服せし者で兄を調べて見て、私は驚愕する。

兄は、毒を持った犯人では無いらしい。

せいかくには、今回の毒に関与していないらしいのだ。

そんな説明文が出てきたのである。


(……ということは、考えられるのは、あの裏切り者の手の者が毒を盛った?暗殺するためにか??)


そこまで考えて、まずい、と思い至った

今両親がそばにいないということは、狙われてる可能性がある!

私は体を無理やり起こして、兄に詰寄る

「お母様は!お父様は、無事なのですか?!」

「あ、ああ。リーシャが、毒を代わりに飲んでくれたおかげで、毒を飲むことなく、今は犯人探しをしているよ。」


こうしてはいられない。このままじゃ私の考え通り、兄が捕まってしまうかもしれない。冤罪ほど私に許せないものは無い


「お兄様の事情は後で聞きます、今はお母様とお父様の所へ連れてって!」


私は兄に助けを求めた。

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