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幕間
「この世界は、争いに塗れている」
彼女がよく口にしていた言葉だ。
当然だろう。人が人である限り、戦火の火種は際限無く灯り続ける。どんな下らない理由であれ、人はそれに大義を見出し、正義を掲げるものなのだから。
「血の流れることの無い世界へと導きたいんだ」
それは彼女が抱いた、たった一つの願いだった。
素晴らしい願望だ。実に清廉だ。その願いは確かに、悪ではなく善だろう。
でも、分かっていたかい? この世界を創る存在が人である限り、理想へ至る為の手段はやはり「戦うことでしか成し得ない」ということを。
血の流れることの無い世界へと導く。
子供地味た願望だ。実に愚かだ。その願いは確かに、悪ではなく善だろう。
だが、事実としてそれを成し得た者は一人として存在しない。
たとえ「神」であろうと、それを成し得ることは不可能なのだよ。█ █ █ █ █ █ █。




