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【音闇クルフィ】  作者: たくひあい
番外編1
35/240

キニーネ/作られた子供たち



「うえっ!!まっず!!!!」

どのくらい寝ていたんだろう。

 コトは、口の中に感じた驚きの苦さに、思わず叫びながら目が覚めた。

見慣れたタワー内の地下だ……

「なにこれ!」

噎せ返った衝撃で錠剤が吐き出される。

「うわー、なんか、……あとからあとから、味わいが……」

「ラムネ? だけど」

キャノが不思議そうに首を傾げる。

「薬だ」

リル、が呆れながら言う。

「ただの、風・邪・薬」


 言いながらどうも壁の一部になっていたホワイトボードに、何やらペンで書いてみているが、つかないようだ。

「あ、これ、……、やっぱり、つかないな。誰か、壊しただろ?」

マジックを消すとかいう子、まどかちゃんを思い出して、なんとなく心が痛んだ。キャノは私知らないと言っている。



 というか――


「あれ? あの……食べに行ったんじゃ?」

なにが起こっているのかよくわからない。

「コトちゃんが、急に熱出して倒れたから引き返したんだよ」


 キャノが心配そうに眉を寄せた。

「もう、熱下がったみたいだね」

 彼女はいつも何かと騒いだりはしゃいだり、謎の遊びを始めたりするわりには、なぜか面倒見が良い部分があった。

コトは少し嬉しくなる。

「みたいですね、ご心配をおかけしました」

まったく、いつも味だけは気を回さないんだから。

「……?」

どこかから声が聞こえた気がして、辺りを見渡す。誰も言っていないらしい。

 しばらく寝ていなかったし、風呂上がりでさっさと外に出てきたし、湯冷めしたのかもしれない。

ドアが開く音がして、ごく普通にキャンディがお盆を運んでくる。


「鯛の塩焼きと、みそ汁と、肉じゃがと、ご飯」


「……」


「一度、作って見たかったんだよな、和食。部屋で作ってきた」


 そういえば図書館の本を熱心に読んでいたのを思い出した。

結局あれから、食材とかを買い込んで帰ってきたという感じみたいだ。

魔力は大切に使わないと、と言うことのようで、転送とか召喚とかはしないらしい。少女たちも部屋に人数分運ぶのを手伝っている。なんだこれ。タワーの中が一瞬にして宴会場みたいになる。


「鯛の塩焼き、うまく焼けてると良いんだがな、いや、普通に吸い物とかでも良かったんだけど、せっかくこんな立派な……」(以下略)

 せっかく真剣な顔で今回の和食の話を始めてくれているというのに、なんだか外国映画の副音声みたいだ。別世界みたいで頭に入っていかない。

コトは未だに彼の距離感が掴めていなかった。

うーん……。

一度意識を改善しなくてはならないのかもしれない。

「……ありがとうございます」

「やったー! 肉じゃが、ちょうどリクエストしようと思ってたの!」

キャノがはしゃいでいる。

「メール見て鯛の塩焼きだけ用意しといたけど、晩餐にはやっぱ寂しいと思ってな」

「魚は好きじゃない」と、リルは残念そうに答えた。

「どうせそういうと思って、ハンバーグと、手羽元のさっぱり煮も作ってきた。これも和風、ついでに玉子サラダ……」



「カオスだ……」

 わいわいしている輪の中で、何とも言えない気持ちになる。

普段は良いのだが、ときどきこの気分に見舞われることがある。

これが、一体何なのか、上手く言えないけれど……大勢のなかで食事をする経験があまりないからかもしれない。


「それで、キニーネが暴れていてさ。そのときも、こういう夜中だったんだ」

「えー、こわーい」

 ぼーっと箸を口につけていたら、いつの間にかキャンディが外に居たときの話になっていた。(そういえば、俺なんにも知らないんだよな……彼のことも、彼女たちも。此処も)

「あれ、コトちゃんどうしたの? ぼーっとして」

キャノが不思議そうに首を傾げる。

キャンディは口に合わなかったか? と気にかけている。

コトは正直に、とっさに思ったことを答えた。

「いえ……美味しいですよ。キニーネって何かなと思って」


鬼族おにぞくだよー!」


お、おにぞく。つまり鬼。


「大昔はそういう種族も結構居たんだって。もうほとんど残ってないみたいだけど、こっちと混同する人も居るから、私たちまで間違って呼ばれるのかもね」

「ダー! って叫びながら全力で追いかけて来たのは、震えたぜ」

「いまいち怖さが伝わらないけど、いつの話なんですか」

「いや、それが、つい10年前くらいなんだわ」

 

10年前……自分が何も知らずに特に面白みのない学生生活を送っていたときだ、とコトは思った。


「そういえば、朗報なんだけど、この前売った私の裸の写真が結構売れてたの。臨時収入的には良いんじゃないかな」

キャノは嬉しそうに胸を張った。口先だけではないらしい。

「お金が一番重要、でしょ?」

それを言われてしまうと、二の句が紡げなかった。

「あの子なんて24時間ずっと裸のまま柱付けになってるんだし。私はただ、少し、自分を売るだけ。 何事にも優先順位ってものがあるんだから。」

「そうだな」

リルが頷く。キャンディも何か言いたげだったが了承したようだ。これを否定出来る者はいないだろう。


 唐突に、壁の電話が鳴る。

コトが恐る恐るとってみると、あの男からで「ちゃんと手を洗うように」と言うものだった。


(2022年2月11日0時52分ー2022年2月19日21時32分加筆)













「でも、どうしていきなり……?」

改めてリルが尋ねると彼女は小さく微笑んだ。

「水のことで、言われてたの見てたらずっとあそこに居るの止めた方がいいと思ったから」

コトは思わず立ち上がる。気づいていたのか。

テキパキと働いていたからてっきり悟られていないと思っていたのに。


「そんな、そんなことで! あんなの、いつか慣れますよ! 

あんな風にみんなから視線を浴びて生きてるのって俺だけじゃないでしょう! 」

 何処に行ったって同じ。辛かったはずなのに、張り裂けそうなくらい痛かったはずなのに。彼女を前にすると真逆のことを口走ってしまう。

 これからもみんな体のいいファンタジーとして消費するだけ。

 俺たちに人権は要らない。


――お風呂、壊さないでよ?



表向き、魔法は存在しないのだから。


「俺が耐える以外、これからも……無いのに!」


 自分の感情がわからない。嬉しいよりもただ、悲しくて、悔しくて。だけど、みんなが当たり前につける優先順位なんだ。これが現実。

このことに、人権はいらない。

わかってる、わかりたくない。でもわかってる。

俺たちがどんなに苦しんだって、せいぜい作家を飾り立てる要素にしかなれないんだ。その金以下の命。

存在価値。『嫌いな種族を狩ろう』という選民思想がまだ根付いている場所も今だって沢山ある。



 どんな綺麗ごとよりも現に、その者たちが拒絶されているという圧倒的な事実が、目の前に、此処にあって、もう目を逸らすことは出来なかった。



「私が、嫌いになりそうだったから」

キャノは淡々と答えた。


「私が、あの場所を嫌いになりそうだったから。店長も、他の子も。思い出が変わってしまいそうだった。

――人間をまた、嫌いになるところだった」


外を歩いていた時間のことを思い出す。

 テレビで繰り返される魔女狩りの番組。紅い目。白銀の髪。

 また、街には魔女関係のアニメが多かった。狩りをテーマにした作品も増えている。あんな目を四六時中向けられながら生きていかなくてはならない。

放送倫理が追い付かない。

 これからは俺も、流行りの魔女狩りの番組に複雑な思いになりながら生きていくだろう。でも、弱音を吐こうとは思っていなかった。

 彼女たちだってずっとあんなものを見せられながら生きていて、コトには及びもつかないような目に合い続けているはずで、それなのに。


「私は、もう、家族、居ないから良いんだよ……

お金になるうちに、お金にしておかないとね。

コトちゃんは、家に帰ったら、ご両親、居るんでしょう?」


キャノはまっすぐにコトを見上げた。

「人間の」


どくん。

心臓が跳ねる。鼓動が、物凄く早いペースで高鳴っている。


「裸なんかどうでもいい! 写真もどうでもいい!!

だから……魔法を否定しないで……魔法だけは否定しないで。

私たちの居場所……それだけは、奪わないで……」


キャノの声が微かに震える。

 魔法を否定されるのは、裸の写真よりもつらいこと。

人間側の話だけ聞いていたときは考えもしなかった。


「じゃなきゃ……私……」


 けれど今は、彼女にとって裸の写真以上に、魔法を否定されることが辛い気持ちがわかる。

 駅前にも、『魔法の力で皆が幸せに』なんて勝手に言う胡散臭い宗教の勧誘がのさばってる。そのときは、此処まで人間が身勝手なことを言っているのだとは考えてもみなかった。


彼女たちが代償にしているのは、命だけじゃない。



――地震起こすのやめてくれる?


――さっきお風呂に入ろうとしたら、水が溢れて来て! びっくりしたんだから!

――ちょっと前、近くの国の水害──魔法使いの幻術だとか言うのもあったし



 周りの声。一斉に向いた冷たい目。あのときの自我が揺らぐような、その場に蹲りたくなるような感覚を今も覚えている。

 辛いことを思い出させてしまった。魔法は、身体を売るという感覚と似ている。付けられない値段で魂の一部を売っている。彼女たちにとっても、それを揶揄するのは耐え難い苦痛なのかもしれない。

 (俺が……、自覚しなきゃ。魔法を持つことの意味を、しっかり自覚しなきゃ、いけなかったんだ)


「どんな写真撮ったんだ?」


リルが興味ありげに聞いた。



「えっとね、この前の、タイツはいてたときの。さすがに騒ぎになるから顔は出してないけど、ちゃんとカラーで上げといたから結構行ったかな。心なんて痛むだけ損損!」







 その日はそれで楽しく夕飯を終え、コトの体調も考慮して帰宅となった。



 数日後。

同じ場所に集まったとき、キャノは思ったより早く資金が集まりそうだと言った。

 カメラマンの渡辺さんから連絡があり、ネットに上がっている彼女の写真にインスピレーションを受けた作家がぜひこれらの写真をアクリルスタンドとして販売できないかと頼みに来たらしい。

 曰く「『いやぁすごいよ。顔は出てないのにこの人気は! 

いろんな作家たちが、君のこの時の写真をぜひともアクリルスタンドとして自分たちで売り出したいと言ってる!』 だって!」とのことだった。

 顔が出て居ない部分は、様々な作家が花などを嵌め込んで異形頭のようにして売り出すというものでリアルな写真と様々な作家たちのコラボしたその不気味さが受けているようだ。


「作家って凄いですね、こんな、裸の写真から更に作品を生み出すなんて」


「アクリルスタンドか……ただ服を脱いだだけの写真が、凄い飛躍だな」


「ねっ! 言ったでしょ。心なんて痛むだけ損だって! 結構有名な人も、写真とかアクリルスタンドを買いに来るらしいよ。これと、この前の仕事のを合わせたら結構行くと思うの!」


 まさかクリエイター側に目を付けられるとは思ってもみなかったが、様々な人が集まると、様々な発想が生まれるものである。

「あ。朝の再放送があるんだった」

コトが関心しているうちにキャノがテレビをつける。   



画面に映されたのは特撮もののようだった。

コトはぼんやりしたままそちらに意識を向けてみた。

 入院している女の子の元に、電話がかかってくる。


「あ。タケル、元気にしてるの?」


「いや、それがまた、新しい自転車増えちゃってさー!」

 電話の向こう、八百屋さんの近くを通り過ぎながら活発そうな少年が元気よく答えた。

「バカ! 自転車ばっかり買ってどうするの!? 

タケルのママ言ってたよ。大学出てからずっと遊び歩いて困ってるって……」

「旅は俺の人生なんだ! 山が! 川が! 俺を求める!

 なぁ、今度お見舞いに……」

「来なくていい! 仕事でもしなさい!」

入院している女の子はかなり怒っているようだった。

タケルがだらしないからだろうか。

「でも、俺……」

「うるさい! 来なくていい!」

通話が乱暴に切られ、タケルが苦笑いする。

「切られちゃった……玉ねぎ買って帰ろ」

八百屋に向かうタケル。


 一方で、今までシルフィードにやられた怪我でちょうど通院していた悪役の人が、なぜか女の子の病室を知っており、会話を盗み聞いてしまう。


「ふっふっふ……聞きましたよ、タケル君。

今度こそ、この呪いの力でシルフィードを出し抜いてやる!」


 なんか回りくどいな……


「フルメタルグレード先輩のかたき

……必ずやこの、フルメタル

グリーンがとってみせますぞー!」


「次回! ぶつかり合う呪術と魔術! おったのしみにー!」



私のシーン……とキャノは少し残念そうだったが、途中からでもなんだか楽しそうだなと、あまりテレビを見ないコトはそう思った。



(2022年2月20日1時20分加筆ー2022年2月23日23時35分)






















ぱらぱら、と内容を読もうとして、コトに頭痛が走った。

「っ――――!」

本が床に墜落する。


――――街の復元、それに……人の復元。


――――俺に、こんなものを、読ませるな!!


 小説を拾い上げようとするも、腕の震えが止まらない。

頑張って腕を伸ばしてみるものの、うまく焦点が定まらない。

 本、本、本、本。

「ほ、ん……」

景色が歪む。動悸が激しくなる。

本は駄目だ、本は駄目だ、本は駄目だ、本は駄目だ。

「あ、すみません」

強張る表情を隠すようにうつ向いたまま、床に手を伸ばす。


――――ねぇ。あの選挙で、発砲事件があったじゃない?

――――そうそう。

――――そのときも、


「――――れ、は、なにを、言ってるんだ」

どうにか拾い上げた本の中身。

ページの数行に目が釘付けになって、動かせない。

『「街の復元、それに……人の復元」』

「どうかしたの?」

「いや――――その、つかぬことを、聞いても、良いですか」

コトはゆっくりと口を開いた。

「俺が生まれる前に、既に、コトという同じ名前の人が、この街にいませんでしたか」

「その本と、関係があるのか」

先に口を開いたのは、意外にもリル、だった。

「祖母から、聞いたことがあるんです。いくつかの村に、大昔は、魔力を受け継ぐため、または、厄除けや魔除けの為に、誰かと同じ名前の一部を付ける風習があったって――――ここの」


 コトは、本文のフルメタル軍団の行のすぐ横を指さした。


「『俺様は、えらーい魔法使いと、同じ名前を貰ったんだ!』 

『選挙の候補にも、いっぱい居たわね!』『政治家は関係ないだろう!』」


 政治家のポスターを見た時、活動家を見た時。

みんな、どこか、一定の意志に基づいたような。似たような名前だった。

 子ども向けだから和やかな笑いのムードに包まれているけれど、


「何が、言いたい?」

彼女の問い。コトも自分で何を言い出したいのかわからなかった。

うまく言い出せない。

「魔力の……共有――――あれって、例えば、術に同じ名前が入る場合も」


リル、は即答した。

「あぁ、巻き込まれるな」

「魔除けにも」

「あぁ、代わりに、弾除けになって死ぬこともある」

「俺たち――――戦後の少子化が深刻化して、生まれてきた、俺たちが……」


 彼女たちが、本名で呼び合わないのもそういった理由なのだろうか。 

気付いてはいけないものに、触れてしまったのかもしれない。

「もし、その為だけに、集められて、育てられていたとしたら」


 コトたちは、魔女狩り大戦後の大規模な少子化後に生まれた。

これと言った不自由もなく、大人たちが作ってきた社会の中で暮らしてきた。


「今は少しマシになってるけど、少し前、先生たちの代までは、『魔女たちの殺戮のせいで人間が減った』って教育があったそうなんです。先生の子どもにも、『縁起の良い名前』を付けたって……ナナカマドだって、柊だって、魔除けの木じゃないか……!」


 学校のことを、思い出しそうだった。

思い出したくない事。なんとなく居心地が悪かったあの場所。

なぜだか、あそこにいると、居ても立っても居られなくて、落ち着かなくて。

そして何かに見張られているような――――

「でも、その程度じゃ」

キャノが、しばらくして口を挟んだ。

「どの町でも行われているわよ」

「ちがう……」

コトは首を横に振る。

「人間には魔法の相性が無い。やろうと思えば、組織的に、宗教的に、子どもを増やすことが出来る……過去にも、そんな宗教団体が摘発されていたはずだ」

  自分でも何を言っているのかわからなかった。

そもそも子どもを特定保険用に育てて誰が何をするというのだろう。


「でも、そんな至近距離で弾除けになるような、他人って言うのを考えると、用途はそこまで広くならないよ? 徴兵ならともかく」

キャノが首を傾げて、そして納得する。

「あぁ! 選挙カーくらいなら、町の範囲でその間とか、代わりになっていいかもね。選挙終わったら、遠くに行っちゃうし。何かお互いに妨害するような術を裏で使ってたりしたときに、身代わりくらいならなるのか」


 さらっと恐ろしいことを聞いた気がする。

「たぶん、どこもやってると思うよ。呪詛とかかけたり、そういう話じゃなかったの?」

「……そう、です、ね。 それに今はネットもありますし、全て防ぐことは出来ない」

「結局のところ、魔力の共有がどうしたんだ?」


「……それが……、なんて、言ったらいいのか、俺も、迷っているんです。

ただ……」


 俺たちは名前も、存在も、プロフィールもすべて、誰かに支配されて意図的に作り出されたんじゃないかって、小さいころから、漠然とそんな気がする。

そんな話をして、誰が信じてくれるだろう。


「ただ、俺は俺の為に生きているのか」


 どうしてか、喉の奥でつっかえて言葉が出てこない。


「なにもかも、まるで当然のようだった。用意されているみたいに、俺はいつも、そうだった……」

だから自分が本当に居るのかも、コトが俺の名前なのかも、わからない、どこかに俺が居るんじゃないか……

 「だけどそしたら、俺は誰の為に生きてるんだろう」

 リル、はキャノと顔を見合わせた。

何かを言うか、迷っているみたいだった。


「全部違和感だ。不気味なんだ。

 魔女狩り大戦の話を知らないわけがない母が、当然のように、

多くの命を奪ったはずの魔法を、その意味で『俺に』あてつけている事も。


町に居る活動家が、魔法で奇跡を起こすことしか眼中に無いことも、みんな


――――まるで、魔法そのものを今も警戒してるみたいだ」


 心のどこかで魔女狩り大戦が再び始まるのを待つかのような、または彼女たちを未だに憎む気持ちの方が、子どもに向ける感情よりも大きいかのような。

政治的な、排他的な、そういう感覚。

それが、本に触れた途端に溢れてしまった。


リル、はなぜか少し悲しそうに頷いた。


「母親は、わからないが……コトの祖母くらいなら、もしかしたら、あの人なら知っているかもしれない。時間が出来たら、尋ねてみよう」



(2022年3月7日0時26分)


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