なぜ注文の多いレストランで閑古鳥が鳴くのか
「せっかくちょっと時間あるし、たまにはクイズもいいでしょ」
「まさか客に対して注文が多いから、ではないよね?」
「さすがにそこまで安直ではないよ」
「テイクアウト専門店とか」
「その場合、店内にお客さんがいないことを閑古鳥が鳴くとは表現しないよ」
「そうか……テレビやネットで紹介されたけど、実際は不味くて客がいなくなっちゃったみたいな」
「それだと注文が多かったになるんじゃない?」
「確かに……分かった! 実際にカッコウを店内で買っているんだ!」
「その発想はなかった。でもカッコウって渡り鳥じゃなかったっけ。そもそもさびれた状態の比喩である鳥をお店で飼おうとはしないんじゃないかな」
「うーん。ヒントは?」
「注文が多いからこそ、閑古鳥は鳴いています」
「面倒臭い客が、注文という体で無理難題を押し付けてくるとか」
「ありそうだけど、私ならそんな迷惑な客は出禁にするか通報するよ」
「……あっ……もしかしてだけど……注文しているのは人間じゃなかったりする?」
「おお、その通り!」
「そうか。確かに、いつも幽霊のオーダーが行き交うレストランには通いたくないかな」
「でしょ。まあ、それ目当ての物好きが来る可能性もあるけどね」
「お待たせしました~。ご注文のラーメン、チャーハン二つずつとギョーザです」
「あれ……ギョーザは頼んでないんですが……」
「えっ、さっき追加注文しませんでした?」
店内唯一の客である二人は青ざめた顔を見合わせました。