精霊シヴァと海底のギャング
引き続き読んで頂きありがとうございます。
ごゆっくりお楽しみ下さい。
指輪を手にしたザクロはアイテムのステータスを見てみる。
「初回無死攻略リアルプレゼント? 精霊の‥指輪??」
指輪は綺麗な青色に輝くサファイアの宝石が付いている。
サファイアとは一般的には芸術性の向上を後押ししてくれて仕事運の向上に繋がるパワーストーンとも言われている。
しかも後日実物が家に届くというのだ。
「仕事運向上とかこれ以上に無いアイテムじゃないか。」
精霊の指輪‥氷の精霊の力を借りることが出来る。
身に付けていればいるほど持ち主との相性が良くなり大きな力を貸してくれる
「精霊に名前を付けられるのか。シヴァにしよう。明日どんなスキルを使えるのか試してみるか」
実はこれはザクロの行動を予測した運営からのイベントへの参加欲を掻き立てるための特別措置なのだがそのような事を知る事は無い。
新しく使える氷の力と現実世界に来る仕事運向上のプレゼントに胸を高鳴らせ自分の店に戻りながら、再度遭遇したクマ肉を美味しく頂きログアウトするのだった。
「紫水、聞いてくれよ氷山にいたクマ肉がすっげー美味しくてさ、ゲームの世界で自分の店も確保できたんだ。ボス倒したらこっちとゲームの世界共通のプレゼントも貰えるし思ったよりも店が早く形になりそうなんだよ。」
「あ‥そう‥えっと‥良かったな」
登録して初日に氷山、そして未だに発見していないはずのモンスターの料理スキル、そして一番最初に口にしたのがクマ肉、さらに自分の店の確保、単独でボスを倒してしまって、さらに、最上級ボスを初見で倒した際に稀に出るリアルボーナス
彼はどういった攻略をしているのか、怖すぎて聞く気にもなれなかった。
「それでさ、リアルボーナスがサファイアの指輪だったんだよ」
「そっそうか、サファイアか、サファイア‥」
電話越しで紫水が少し恥ずかしそうにしている。
ここだけの話パワーストーンに関しては所説あるのだが、柘榴石と紫水石は非常に相性の良い石なのである。
柘榴はそこまでパワーストーンの効果について心酔してはいないが、紫水の方は少し信じやすい傾向にある。
そして更に紫水石と相性の良いサファイアを柘榴が身に付けるのだから、更に相性が良くなるかも。だけど恥ずかしい。などとでも思っているのであろう。
「ゴメンな、急に電話しちゃってさ、思ったよりも楽しかったからつい連絡しちゃった。
また面白いことあったら連絡するよ。」
紫水の期待も虚しく柘榴との会話はあっさりと終わってしまった。
柘榴の言う面白いことが、一般的な事を願いつつも
面白いことがあれば、また電話が出来ると複雑な気持ちを抱えてお互いに電話を切るのであった。
「いょおーし今日は魚を捕まえるぞー」
まだ、泳ぎのスキルを覚えてないので、浅瀬での泳ぎを開始した
そもそも器用と速度が既に210あるのだ、そう時間のかからないうちに泳ぎ(3)まで手に入れた。
「少し魚を捕まえてみよう」
泳げば魚がいるのだ、つまり刺身の宝庫である。
少し泳いでいるとHPゲージの出ている10㎏ぐらいの魚を見つけることが出来た。
「スキルモンスター料理」
水中とはいえ力210の投げたダガーを避けられるはずもない。
いとも簡単に魚を捕らえることが出来た。
すぐに海辺に上がり、魚を捌いた。
ゲームの刺身も非常に脂がのっていて美味である。
今後新鮮な魚を店まで持って帰って刺身を提供したいなと考えるほどである。
「ん?スキルを手に入れたか」
ザクロはレベル2に上がった
スキル水中呼吸を手に入れた
水中呼吸‥魚を食べたことによって手にいれたスキル。
水中で呼吸が出来るようになる
「やっとレベルが上がったよ‥というよりモンスターって食べるとたまにスキルを覚えるのか。
これもラッキーボーイのおかげかな。」
「ステータスは後で振るとして、水中で自由に動けるなら、次は大物でも狙いますか」
当然感覚の狂っている人はこうなるのである。
海中で超加速を使えば、魚よりも早く動ける。大きな魚を得られる人が、諦める必要がないのだ
のんびりと、海の探索をしているとサンゴが広がるエリアがあった。
事前の運営情報だとサンゴの指輪などが落ちていると聞いたが、超レアアイテムで、中々落ちてないらしい。
運が999の俺でも見つからなかったのだ、今後見つけられるプレイヤーはいるのだろうか。
そんな事を考えながら海底に行きつく
すると海底の洞窟からカジキのようなモンスターが出てきた。
全身は竜のような鱗で覆われており、カジキのように先が尖っている。
こちらに気が付くとすごい勢いで突進してきた。
そもそもカジキというのは海の中でも凄まじい速さで泳ぐ獰猛な生物なのである。
超加速を使いカジキの動きを回避する。
「パワーアタック」
しかし、竜の鱗に守られた体にまともなダメージを与えることが出来ない。さらにダガーが折れてしまった。
氷の精霊の力を使おうにも相手も早く超加速で避けるのが精一杯だ。
「スキル蜃気楼」
蜃気楼は、実際に自分の幻影を作る技である。
振り分けなかったステータスを振り分けて3つ目の速度の心得を手に入れて使用した。
ザクロ
レベル2 STR30→32(224) DEX30(210)
HP60→65(455) VIT30(210) AGI30→33(231)
MP20(140) INT30(210) LUK999
蜃気楼に突進したカジキに大きな隙が出来る
「モンスター料理、そして頼む、シヴァ」
精霊の力を借りて手からフロストビームが放たれると
一瞬にしてカジキが凍り付いた
「終わった‥」
食用として持ち帰る辺りは流石に隙が無い。
精霊の指輪を使って放てるのはフロストビームと言い単体のモンスターを凍らせる技のようだ。
つまり、食品の調達が可能になったのである。
「これで、色々な食材を手に入れられるぞ。」
ザクロは気分よく凍らせた魚を店へと運ぶのであった
これを後ほどアクアに食べさせる海底のギャングとは知らずに
これからもちょこちょことパワーストーンに関しては出て来ますが
諸説あります
全てを真に受けずに軽い興味ぐらいの感じで見て下さるとうれしいです