アクアの能力
引き続き読んで頂きありがとうございます。
ごゆっくりお楽しみ下さい。
「では遠慮なく頂きまぁす」
アクアは並べられた料理を食べていく
鶏肉のサラダもシーザードレッシングがかかって非常に美味しいのだが、カジキ(のようなモンスター)の唐揚げも非常に美味しい。
この世界のモンスターは意外と美味しいのかもしれない。ゲームの世界でお腹を下すことはないだろうが、現実世界でも生で食べるものはそう多くないしファイアーボール(炎の初期魔法)は必須で早急に覚えたほうが良いかもしれない。
モンスターをレベルアップの為に倒すものから食べるものに考え方がシフトしつつあるアクアである。
「そういえば、何でモンスターを料理できるのはここだけなんですか?」
「俺にはモンスター料理ってスキルがあるんだ。気が付いたら手に入ってるから今後似たようなスキル持ちが出て来るんじゃないかな?
海で魚のモンスターにファイアーボール打ったら焼き魚じゃなくてダメージエフェクト出て倒しちゃったって話も聞いたしな。」
「なるほど。素人に料理は出来ないのか、生で食べるしかないか。
でもどうやってモンスターをここまで倒さず運ぶんですか?」
根本的に考え方が間違っている。ゲームの世界で会った人たちでアクアの常識が作られていくため、とんでもない方向に考え方が進んでしまっているようだ。
改めて振り返るが決してモンスターは食べるものではない。
「俺は氷魔法が使えるから、冷凍状態にして運ぶんだ。だから食材が芯まで凍って刺身がおいしくないんだよ。」
刺身で食べたことがあるようだ。意外と生で行けるかもしれない。
さらにまた、アクアの常識がズレていく
「うわぁ‥鶏肉のトマトチーズ焼き。これすっごく美味しい」
アクアの髪が美味しさを表すようにぴょこぴょこと跳ねている。
小動物のような反応をする少女に味を認められたようで少年も少し安どの表情を浮かべた。
「これすっごく美味しい、食べてみてよ」
「へっ???」
少年の安どの表情は一瞬にして困惑に変わった
分かりやすく説明すると、「あーん」なのである。今日はじめましての年の近そうな少女が、自分に向けてフォークを差し出しているのである。
アクアは全く気にする様子も無い。それどころか、目を輝かせて髪をぴょこぴょこと動かしているのだ。
非常に断りにくい。
少年には目の前にいるアクアに対して、鈍感と無自覚のスキルがあるのではないかと錯覚している。
行き場の無い少年は顔を赤らめ、恥ずかしそうに差し出されたものを口にした
これが、鶏肉の美味しさなのか、女の子からのあーんの幸福感なのかは分からなかったが、非常に美味しい。それだけは伝わってきた。
「ごちそうさま、今日は色々とありがとう!」
「いいやこちらこそ、鳥のモンスターがいるって事を教えてくれただけで十分だよ。
そういやぁさっき食事中レベルアップかスキルか習得したような音が鳴っていたから、モンスター倒しに行く前に見てみるといいよ」
「モンスターを食べると、運が良ければスキルを得ることがあるらしいんだ。俺も初期状態で運があったから、スキルを得たりすることもあったんだよ。
俺の名前はザクロっていうんだ。まぁまた良い食材手に入ったら気軽に来てくれ」
アクアはこの話を聞いたとき汗がダラダラと出てきて止まらなかった。
運が99999もあるのだから、何かしらスキルを得たのかもしれない。
ここに来たのは運営の都合には非常に悪いのではないだろうか。
「まっまた来るねっアハッアハハ!」
非常に気まずそうな高笑いをあげて、アクアはレストランを後にした。
レストランを後にしたアクアはさっそく手に入れたステータスを見てみる
アクア
レベル1 STR50→70 DEX0
HP40 VIT40→60(×2) AGI30
MP20 INT30 LUK99999
新しいスキル
ラッキーガール アイテム自動作成 メタルスライムの剣及び盾 泳ぎ(10)
水中呼吸 防御倍加 水の波動(無詠唱)
早速訳の分からない事になっていた。
ラッキーガール‥シークレットスキル解除により取得 食べたものの素材やステータスの一部、スキルを高確率で取得
アイテム自動作成‥黄金のニワトリを食べたことで習得 自分のイメージするアイテムを作成できる 自分のアイテムではダメージを受けない。
メタルスライムの剣と盾‥メタルスライムを食べたことで取得 VITとSTR20上昇
絶対防御‥VITが2倍
泳ぎ(10)、水中呼吸、水の波動(無詠唱)‥海底のギャングを食べたことにより取得 水中で自由に早く泳げるようになる。 水の波動は無詠唱でMPの消費無く使える。
後悔してももう遅かった。
あのニワトリさんは、サポートモンスターだったのである。まぁニワトリさんはスキルを受け継いだしいいのだが‥
「海底のギャングって何ぃぃぃ
カジキって言ってたじゃんか。っていうか海底のギャング凍らせちゃうあの人って何者なのぉ」
頭がグルグルして理解が追い付かない。
ひとまず、あの料理人がかなり強いプレイヤーであることは分かった。
現状を受け入れたアクアは泳ぎのスキルも手に入れたので、海の中でレベル上げしようと考えたアクアは海を目指して駆けていくのであった。
アクアの冒険は一先ず置いておき次回は少し遡ってラッキーボーイの物語です
引き続きよろしくお願いいたします。