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メモリーメドレー  作者: 秋猫シュガー
一章・失くした君へ
2/7

夢の中

真保と別れて家に帰りいつも通りに夕食、風呂を堪能して布団をかぶって寝た。


夕食後も風呂を上がっても明花はニヤニヤとお札を見ていた。 俺が見ようとしても明花は必死にお札を隠すのでなんでニヤニヤしているのかはわからなかった。




いつの間にか周りが真っ白な夢の中にいた。


こんな感じに夢だとわかる夢のことを明晰夢めいせきむって言ったかな。


ここが夢の中だとすぐに気がついた事から。


すると白い空間から何処かの場所に出た。


周りには木々が敷き詰められていて今どこにいるかわからない。


何かないか辺りを探してみると何か黒い液体が地面にあることに気づいた。


その方へ行ってみるとしめ縄がされた大木についた。


「ここ、本当にある場所なのか?」


そしてまた黒い液体を辿って行くと


「グギャャャャャャヤヤ!」


と何かの叫び声のようなものを聞いて周りが黒くなった。

「うわぁ!」


ガバッと飛び起きた灯夜の息は荒く手汗もすごかった。


時計を見ると夜1時を指していた。


「何だ、夢か」


「まあ、夢だけど少し違うっすね」


「!?」


いきなり後ろから声が聞こえて振り替えると子供が立っていた。


頭にはピコピコと動いてる耳がありお尻の少し上に尻尾もついて露出度の高い服を着ていた。


「えっと、どちら様ですか?」


「おっと、この姿での自己紹介はまだだったすね。僕の名前はクロすけ、真保の相棒みたいなのっす」


「クロすけってあの黒猫の」


「そうっすよ」


自分のことをクロすけと言う子供は近くにあった椅子に座った。


「何でこんな姿になっているのかは後々教えるっすから今は無視してくださいっす」


「わかった」


とは言っても本当にあのクロすけなのか怪しいな。


「で、話を戻すっすよ。さっき灯夜が見た夢は現実にある場所っす、そしてあの化け物みたいなのも実際にその場所にいると思うっす」


「そしたら、俺が見た夢は現実だったのか。てかどうやって俺の夢を見たんだ?」


「努力の結果っすね」


夢の見方は秘密なのか。


「しかしどうしてあんな夢を見たんだろう?」


「それは、霊界の扉が開き始めてるのが原因っすね」


「霊界?何だそれ?」


「あー、言い忘れてたっすね


霊界は死んだ霊が最終的にたどり着く場所。


そこには天国と地獄の分かれ道の三途の川ががあるっすね。そしてその霊界とこの世界を繋いでいるのが次元の扉と言うっす」


「ふむ」


「で、その次元の扉がここ最近開き中から霊界の霊が逆流してきたって感じっす」


「なるほど、けど霊を霊界に送るには次元の扉を通らないといけないだろ?だったら前々から逆流とかしてきたんじゃ」


「次元の扉は一方通行にできていて霊界からこっちに逆流するのなんて千年にあるかないかって感じっすよ」


「なるほどな……ふあぁ、こんなは時間に色々と頭に入れると眠くなるな」


「そうっすねじゃあ寝るっすか」


「おう、お休み」


そして俺とクロすけはベッドに入って……


「いやちょっと待て」


「どうしたんすか?」


「なぜ俺の布団の中に入ってくる」


「暖かいからっすよ」


クロすけはすりすりと背中で擦りつけてきた。


「家に帰れよ、真保の家までここからそう遠くないだろ」


「もう、すぐに寝たい気分なんすよ」


「何でだよ!」


そうクロすけとそう争いをしていると部屋の扉が開いた。


「お兄ちゃんこんな時間に何してるの」


まだ眠そうな顔で明花が入ってきて自分とクロすけの方を見るとだんだん目が冴たように見開き顔が真っ赤になった。


端から見れば自分が小学生位の子供をベッドの上に一緒に寝ていてしかもほぼ全裸に近い服を着せているような構図なのだ。通報待ったなし。


「お、おぉお兄ちゃんが!?お兄ちゃんがぁ!……はふぅ」


明花はそう言うといきなり倒れた。


「明花!?」


急いで駆け寄るとスゥスゥと寝息をしていた。


「何だ寝ただけか」


「ふむ、これ以上居てまた明花が起きたらめんどくさいっすから僕は帰るっす」


「わかった」


そしてクロすけは部屋の窓から外へ出ていった。


俺は明花を部屋に連れていきベッドに寝かせた。


するといきなり眠気に襲われたのか意識がここで途絶えた。

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