全裸の少女
マイカの前に突如現れた少女ソルト。彼女の目的とは。
「はじめまして、ずっとお会いしたかったです、転生者様!」
少女は朗らかに挨拶をした。
「は、はじめまして?」
俺もとりあえず挨拶をする。少女はふわりと欠伸をして、そそくさとベットから降りる。
「いけない、ついうっかり眠り込んでしまいましたわ」
顔をもにもにと揉んで、硬直している俺に向き合う。白い体が艶めかしく光る。
「私の名前はソルト。バルエイス共同保護区中央行政機関よりヤエヤママイカ様、貴方の観察を命じられました。今後ともよろしくお願いしますっ!」
彼女、ソルトは薄桃色の頭をぺこりと下げた。動きに合わせて柔らかい肉が流動し垂れ下がる。
「こ、これはどうもご丁寧に・・・」俺も軽く会釈をする。
「あ、あのー」
「はい、なんでしょう?」
「君はどうして裸なのかな?」
ほかに気になることはたくさんあるはずなのに、体が優先したのはそれだった。
「ああ、これはですね」ソルトは頬を赤らめる。
「治療魔法はできるだけ原始的なのが即効性が高いのですよ。己の体液を注入し、皮膚を密着させる、今ではこの方法はほとんど使用されないのですが。私も使うのは初めてでした。でもこっそり練習しておいてよかったです!おかげでうまく成功しました、外傷はほぼ消えていると思います。まだどこか痛いところはありますか?」
「いえ、とくにはありません・・・」
ソルトはつらつらと言葉を並べる。ええと、魔法とか言ったか?
「それはよかった!しかし油断はいけません。魔法は体のダメージは治せても心の傷にはあまり意味をなさないのが世の通説。何か気晴らしが必要ですね!」
最高のアイディアを思いついたかのように、ソルトは顔をほころばせる。
「そうと決まれば善は急げです、さっそく上に外出許可証を申請してきます。なに、大丈夫ですよ。転生者様には特権があてられるそうですから。すぐに終わりますよ」
「はあ・・・」
なんのこっちゃ、である。
「他にも何か私にしてほしいことはありますか?転生者様のためなら、なんだってしますよ」
ソルトは意気揚々と俺に体を寄せてくる。
「あー・・・」ふよふよとした二つの感触が皮膚を刺激する。下半身に落ち着かない感情が湧き上がってくるのが分かる。
「服を」
「はい?」
「服を。着てください」
少女の体を視界から外すのは、石油王になる並みに至難の業だった。
本編にソルトが登場しました。できるだけ明るく書いていこうと思います。