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幕間
「やあやあマイカよ」
やあやあ母さん。
「相変わらず本当にマジで、君は愚か者の極みと言った感じだね、そんなんだから…」
御託はもういい。
「おやおや、余裕がないね。前回はサボっちゃったから、今回こそ素敵な小話でもしてあげようと思っていたのに。まあいいや、本題に入ろうか。
マイカ君、君は殺すことについてどう思っているのかな?」
何を言うと思ったら、いきなり社会的な倫理観の話かよ。俺は頭が悪いから、そんな難しい話は出来ないって。
「やめて、勝手に早とちりをしないで。私が言いたいのはそんな人間社会の、小難しいルールのことじゃない。もっと単純で美しい、生命のことを話したいんだ」
生命。
「そう、個体の命をそれのみに限定して継続させるために必要なのは、何だと思う?」
えっと、睡眠欲と食欲と性欲…。あ、最後のは別に要らないか。
「ぶっぶー、ハズレ。全然違うよ」
あーやっぱり性欲も必要だよね、やっぱりどうしても。
「違う違うそういうことじゃない。人間の欲なんてどうでもいいんだ、使用済みの爪楊枝並みにどうでもいいんだ。
私が言いたいのは、命を続けるには別の命を犠牲にすることを余儀無くされるってことなのよ」
つまり、どういうこと?
「命は、それが存在するだけで常に、意識の有無関係なく別の命を殺しているんだよ」
「この世界はどうも殺すってことに目を背けすぎていると思うよ。確かに遺伝子上に組み込まれた呪いに関しては同情せざるを得ないが、でもそんなのは意識でどうにでもできるはずなんだ。可能なはずなのにそれを実行しようとしない、それはもうやる気の問題だと思わないかい?」
何のことかさっぱり解らないよ母さん、誰に文句を言っているんだ?
「生きるための殺意が、生き続けるための殺意が、どうして呪いにされたのか。あの人たちはいずれそのことと向き合うことになる」
よくわからないけれど、母さんの言葉は矛盾しているよ。生きるための殺意って何なのさ、殺したら意味がないだろ。
「生きるなんて、それを続けるだけで矛盾にまみれる行為だというのに、君はどうしようもなく今更なことを追及するんだね。そんなんじゃ長ったらしい前髪が禿げるよ」
前髪は今関係ないだろ。
「口答えするんじゃないよ。他人の揚げ足を取るのは愚か者の証拠だぜ」
…どうせ俺は愚かだよ。
「あらら?今回はいつにも増して卑屈だね。いいね、そういうのとっても人間らしいよ」
当たり前だろ、俺は人間なんだから。
「それじゃあ大丈夫だ!これからやることもしっかり安心して任せられそうだね」
これからやること?
「そうだよ、君にはやらなくてはならないことがある」
やらなくてはならないこと。
「そう、こんな所で話している場合ではない」
「急げ」
「早く」
「さっさとしろ」
「君の言うように人間らしく
殴殺を斬殺を惨殺を撲殺を誅殺を謀殺を射殺を毒殺を暗殺を
殺すことを殺すことを殺すことを殺すことを殺すことを殺すことを殺すことを殺すことを殺すことを殺すことを殺すことを殺すことを殺すことを。
殺すことをしようじゃないか」
殺すことをする。
あ、でも駄目だよ母さん。
「ん、どうして?」
それは全部人間の殺し方だもん、怪物には…。
「そうだよマイカ君、人間が一番なんだよ。殺すことに、命を奪うことにこんなにも意味と、理由を生み出すことが出来る生き物は、私は人間しか知らない」
母さん、それはただの言葉だよ。言い方の違いでしかない。
「そう思うとすれば、人間が人間として存在するのは、言葉によって作られるからなのかな。私にはよくわからないけれど」
どうして?母さんも人間だろ、だって俺の母さんだから。
「ううん、もう面倒くさいから私から言うね。私は人間ではない」
「そして君の母親でもない」
「そのことはマイカ、君が一番よく知っているはずだろう」
「だって君の母親は」
「君が殺したんだから」
お久しぶりです幕間です。




