幕間 青玉の輝きに笑う
可笑しんでいる場合じゃない
「サファイアの輝きに君の瞳を思い出す、どうもまた会ったねマイカよ」
いきなり謎の挨拶で始まった、一体どういう意味があるんだい母さん。
「特に大した意味はない、思いついたことをそのまま口に出しただけだよ」
サファイアの君は俺のこととして解釈すべきなのかな、そう期待していいのかな。
「そんなわけないでしょ、勘違いしないで。私が君の濁り腐った瞳と、青玉の上品な美しさを同列に語るわけがないのは、もうすでに十分理解しているでしょう?」
それもそうだね、俺の思い上がりが過ぎたね。
「流石にもういい加減、長ったらしく鬱陶しい前置するのも飽き飽きしてきたし、早速本題に移ろうか」
話が無駄に長いって自覚、ちゃんとあったんだね。
「三毛猫ってオスが全然いなくて、ほとんどメスしか生まれないそうだよ、すごいね。終わり」
いやいやいや、確かに話が早いことは良いことだけど、いくらなんでも早すぎるよ。光速レベルの高速で話を進められたって、何も理解出来っこないよ。どうせ教えるならもっとゆっくりじっくり、詳しく話してよ。
「ええ…面倒臭い…、続きが気になるなら、ロボット型検索エンジンでも使って勝手に調べなよ沈殿物」
まあまあ、そんな行けずなこと言わないで、俺は母さんの口頭で知りたいんだ。ね、お願い。
「しょうがないなあ、君は一体いくつの坊やなんだい?えっと何の話だったっけ」
三毛猫の性別がどうのこうのって話だよ。
「まあでも、今更教える必要もないか。いくら世間知らずで情弱だった君でも、猫の毛色の違いくらいは認識できていただろ」
いや全然知らない、俺猫嫌いだし。
「あれあれ?そうなの?マジで?」
うん、マジで。
「ええーうっそーん…、何で、理由は?」
だってあいつら目が怖いじゃないか、不気味に光るし。
「なるほどねえ、ちょっと傷ついたなあ。まあ別にいいか、話を続けよう。三毛猫にはその殆どがメスで、オスは滅多に生まれないんだ」
ああ、うん、知ってる。
「え、なんですと?」
だから、その話知っているって。
「ウソ、知ってたの、こいつは驚いた」
うん、ネットでなんとなく調べて、そこで知った。母さんいつも見てただろ、俺がインターネットばっかり見て、ちっとも部屋から出てこなかったの。
「そうだっけ、そうだったんだ」
それで、やっぱりその知識は俺にとって役に立たない者なんだろう?
「うーん、今回はそんなつもりじゃなかったんだけどな、予想外に予定が崩れたよ」
あはは、子供と会話するのに予定を立てる必要があるのかよ。
「まさかなあ…ここまでだとは思ってなかってしなあ」
あはははははははは、あれれ?母さん?聞こえてる、俺の声?
「嗚呼もう、よしてくれ、いいかげんにしてくれ。もう気付いているんだろ?」
あはははははははあはははははははあは、何のことかな?ちっともわからない。
「私は」
あは
あはハハハハハハハハハハハハハハハは八母はハハハハハはっハハハハハはっはははははははっははは はははははっはははははっはははははっはっははははあははっはははっははっはははっはははっははっ ははははははっははははははっははははははははははっはは
お久しぶりです幕間です。