35 さて暇になってしまった
種族:ルイン・ゴーレム
名前:ルティア
年齢:0
性別:
称号:【異世界の住人……もの?】【百獣の王】【殺人者】【砕けない心】【森の破壊者】【死を見たもの】
Lv:1
HP:205/205
MP:137/137
体力:55
攻撃:62
防御:78
魔力:70
速度:35
幸運:7
スキル:【堅牢 Mx】【異世界語 2】【念力 Mx】【流星 Mx】【念話 5】【浮遊 Mx】【魔法の才能】【土魔法 1】
ごろりと日に当たりながら、自身のステータスを参照する。
だいぶ強くなったと思うんだけど、未だに俺は騎士一人にさえ手間取る始末だ。思うに俺には強さがたりないんだよなぁ……多を一掃できる個、みたいな? せっかくだから、そんなすげー強い魔物になってみたかったりする。まぁたぶん、夢のまた夢なんだろうけども。
『お前は強くていいよなぁ』
ぽふぽふと鉤爪で、背にしたストームライガーの背中を撫でる。退屈したように、ぐわっと欠伸をして、ストームライガーはこちらを見つめる。
【オウヨ ツヨクナリタイカ?】
『いや、お前の特訓は勘弁して欲しい』
無理矢理に強くなろうとは思ってない。
だからせめて、自分なりに強くなりたいとは思う。
最強とは言わないまでも、誰かを護れる程度には。せめて誰かの盾に慣れれば、俺は満足なのだから。
『さ、て』
ぴょんと、俺はストームライガーの背中から飛び降りる。
差し当たって、自分にできることを検証していこう。だってそうでもしないと暇で暇で仕方がない。アンナちゃんたち、きっと今頃楽しそうなんだろーなーって思うと悲しさしかないけれど。
っていうか、女の子ばっかのメンバーで大丈夫なのかよ。
もしも街の人のガラが悪ければそれこそ、それこそ、その、あれだ、えろい展開に持っていかれてもおかしくない。
だってここは異世界なのだから。
だからこれはつまりあれだ、そう、心配なのだ。
想像すると悪い予感は止まらなくなっていった。
ぐるぐると頭の中を巡るピンク色の妄想を沈め、俺はストームライガーに向き直る。
『訂正だ。やっぱり俺たちも行くぞ、ストームライガー!』
【オウヨ オイダサレタバカリダ】
『んなもん忍び込むんだよ!』
幸い、俺の身体は小さい。
入り込んでしまえばどうとでもなる。
スニーキングミッションは得意なのだと、失くした記憶が囁いている。
【ソウカ】
ため息を吐くように鼻を鳴らし、ストームライガーは踵を返し、その場に蹲る。
『ど、どうしたんだよ?』
【オウハ チイサイ オレ オオキイ】
『あ』
確かにそうだ。
街中にストームライガーみたいなのが現れたら一大事っていうか、大惨事だ。
可哀想だけど、置いて行くしかないか……
【イクトイイ オウヨ】
『ああ、ありがとう。絶対に迎えに来るから、呼んだら返事しろよ!』
【ココロエテイル】
ふわっと欠伸をかみ殺すようにして、ストームライガーはその場で寝息を立て始める。
さて、許可は貰った。あとは、エロ展開に持っていかないよう、がんばるだけだ!
俺は港町に進路を変えると、早速外壁から調べ出した。
穴開けるわけにはいかんのかなー。
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