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25 死んでからが本番だ

更新、非常に遅れてしまい申し訳ありませんでした。

これから、とかなんとか毎回言っているのですが、本当、きちんと更新できるようにしたいです。

ここまできたんだからきちんと完結させるのが目標ですし、それまでは更新するつもりでいます。


それでも見てくださる方には、最大限の感謝を込めて。

 頭の中がじくじくと痛む。

 頭というものがこの身体にあるのかは知らない。

 例えるなら、頭が沸騰しそうだと言うことだ。


(なにを……)


 目の前の騎士。


(なにを……してやがる)


 俺の前で、アンナたちに刃を向ける男。

 なにもできない身体が恨めしいと初めて思った。

 不自由でも楽しんでいた。自由に動けないこの身体を、少しずつ強くしていくのが、まるでゲームみたいで楽しいとさえ思っていた。


 でもそれじゃダメなんだと。

 初めて思った。

 自分にはなにもできない。

 全部を他人に任せて。

 そんな奴に生きていてなんの価値があるのか。

 そんな人生を生きていて、なにが楽しいのか。


(力が……)


 その時、初めてそのことを思った。


(力が欲しい)


 そう、思った。


【死亡回数更新 2

 能力値の更新を行います。

 兵士たちの殺害により、50034の経験値を取得しました。 

 ミニゴーレムのLvがあがりました。

 ミニゴーレムのLvがあがりました。

 ミニゴーレムのLvがあがりました。

 …………

 

 ミニゴーレムのLvが限界値に達しました。

 スキル【念力】が限界値に達しました。

 スキル【堅牢】が限界値に達しました。

 スキル【流星】が限界値に達しました。

 スキル【浮遊】が限界値に達しました。

 スキル【念話 1】が【念話 5】になりました。

 スキル【異世界語 1】が【異世界語2】になりました。


 状態:死亡のため強制進化を行います。

 現在のステータス値を鑑みて、最適進化を行います。


 魔力値が最高値のため【ルイン・ゴーレム】への進化を確定します。

 【ルイン・ゴーレム】への進化を開始します。】


 その瞬間、誰かの笑い声が脳裏を奔る。

 が、一瞬のことだ。

 そのことなんて気にもできない程の膨大な情報がぱっとその思考を押し流す。


 頭の中を次々と情報が駆け抜けるようにして増えていく。

 まるでどこからか操られるかのように自分の力が強まるのを感じる。

 いいさ、操られるのは気にくわないけど、それでこの状況を打破できるのだ。

 だったら乗ってやらないこともない。

 

 めきめきと自分の身体が組み変わっていくのがわかる。

 

 腕が生える。

 まるでカギ爪のように、鋭い先っぽができる。指のようにかちかちと動かせる。

 胴体が出来る。

 それだけで、自分が今までの存在とはちがったものに進化しようとしているのがわかった。

 足はないけれど、三角錐のような形が地面に向かって伸びている。

 少し浮いている。


 漲るのは力。

 まるで溢れんばかりの魔力が自分の中を渦巻いているのがわかる。

 

「私の命は――無駄なの?」

「ええ、ここで散らされるのが定めですので」


 そして――俺の目に、その光景が飛び込んできた。


「ではさようなら」


 男の持つ刃が、無慈悲にアンナちゃんに向かって振り下ろされようとしている光景。

 それを見た瞬間、俺は動いていた。

 今までとは比較にならない加速。

 いつもよりも魔力を動かすのが簡単にできる、

 【浮遊】もいつもよりも全然魔力を使わない。

 そのことに、感謝した。 


『俺の前で!! 女の子泣かしてんじゃねぇ!!!』


 だからこそ間に合ったのだから。

 眼前で両手を交差させるようにして、刃の前に立ち塞がる。


「なッ!?」

 

 男が驚愕に顔を歪める。

 振り下ろした手は止まらず、俺の両手に塞がれる。


 ぎゃりぃんっ! と岩を斬りつけたような不協和音が響き渡る。

 先ほど俺を真っ二つにした刃を、俺は通すことなく完璧に防ぎきって見せた。


 とっさに、男は後方に飛び退くと、油断なく剣を構えなおす。

 ぽかんと、俺の背後でこちらを見上げていたアンナちゃんが口を開いた。


「……ルティア?」


『うん』


 いつものように答えた筈だが、どこか違っていたように感じる。

 いつもよりも滑らかに言葉を発することができたのだ。

 そう、いつもは言語を発するとき、俺の思考を慣れない異世界語と念話の力により、なんとか外に発していたのだ。言わば力技のようなものだと俺は思っている。

 

 けど今のは違う。

 まるでそうするのが当然とでも言わんばかりに、滑らかに魔力が流れたのがわかった。

 

 これはつまりようやく会話らしい会話ができるんじゃないか!? あんな小動物とのコミュニケーションじゃなくて、俺自身を見てくれるんじゃないか!?

 ……まあ、俺、魔物なんだけど。


「貴様……」


 こちらを油断なく見据えていた男が口を開いた。

 

「何者だ?」


 何者……何者、ね。

 それなら俺を表す言葉は一つしかない。

 

『アンナちゃんに拾われた石ころだよ。名前はルティア。あんたを倒しに生き返ったぜ』


「カール・マイヤー。フェムト王国第3騎士団副団長」 

 

 ん? お、これかはあれか、決闘とかそういうあれじゃないのか!?

 場所的にふさわしくないし場違いかもしれないけど、ちょっと興奮するじゃないか!


「彼女らを護ると言うのなら、貴様も共に送ってやろう」


 あ、違うわこれ、全然関係ないわ。処刑宣言だわこれ。


『やれるもんならなぁ!』


 負ける気だけは持たないようにして、この長い闘いに終止符を打つべく、この村での、最後の戦闘を開始するのだった。








 種族:ルイン・ゴーレム

 名前:ルティア

 年齢:0

 性別:

 称号:【異世界の住人……もの?】【百獣の王】【殺人者】【砕けない心】【森の破壊者】【死を見たもの】

 Lv:1


 HP:205/205

 MP:137/137


 体力:55

 攻撃:62

 防御:78

 魔力:70

 速度:35

 幸運:7


 スキル:【堅牢 Mx】【異世界語 2】【念力 Mx】【流星 Mx】【念話 5】【浮遊 Mx】【魔法の才能】【土魔法 1】


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よろしくお願いします。

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