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衝動


夢を見た。


何度も何度も見る同じ夢。


小さな女の子がどす黒い何かに両腕を捕まれて引きずられるようにつれていかれる夢。


いつもはここで目が覚めるのだが、今回は覚めることはなかった。


せっかくだから女の子の方へと近寄ってみる。

どす黒い何かに俺の事は見えていないようだ。そっとうつむいている女の子の顔を覗いてみる。

女の子の顔は青白く、まるで生気を感じられなかった。目はどこも見ていないような虚ろな瞳で。小さな声で何かをぶつぶつと呟いている。

俺はまったくこの子を知らないという感じはしなかった。全然思い出せないから知らないのだろうが。


体を起こしてそんなことを考えていると、少女はいきなり体を起こして顔を俺に近づけた。

そして声を荒げて言い放った。


「蓮兄のせいだ!!!!!!!」



「!」

そこで俺は目が覚めた。ひどく寝汗をかいている。

喉の乾きを覚え、立ち上がる。近くの机に置いてある水を一口飲んだ。

「...ん?」

一瞬グラスに入った水が赤く見えた。気のせいかと部屋から出る。

それは気のせいなどではなく、本当の症状だった。


廊下に出たとたん、心臓ははち切れんばかりに早く脈を打つ。

視界が揺れるもなんとか壁にてをつき、体制を整え、あくまで平常を装った。


これはマスターしか知らない俺の秘密でもあった。

人が恐ろしく、醜く、憐れに見え、ドロドロとした何かが心のうちでぐちゃぐちゃになり、殺戮衝動となって現れる。

俺は慌てて薬を探した。無い。無い。無い無い無い!!

どこで落とした?任務?違う。罰則?違う!もっと前。トレーニングルームか?だれかが拾って置いておいてくれるといいんだが....


足早にトレーニングルームに向かう。すれ違う人間の鼓動が聞こえる。気を抜くと襲ってしまいそうだ。気を張らせながらなんとかトレーニングルームへと到着した。

中ではカルーアがサバイバルモードだろうか。トレーニングをしている。こちらには気がついていないようだ。

急いで机の上や下、部屋の隅々まで探した。

しばらくして、もういよいよ意識が朦朧としてきたその時。


「おー蓮じゃん大丈夫か?」


カルーアが出てきた。その顔は醜く歪んで見え、その体からは鼓動が聞こえる。睨むようにして胸を押さえながら後ずさる。


「どーしたんだよ~あ、そうそう。さっき小瓶見つけてさぁ、見てよこれst182って書いてあんの!やばいよな?これ猛毒...」


俺はその名前を聞いたとき、咄嗟にその小瓶を奪い取り、中にある錠剤を何粒か飲んだ。極限状態まで耐えていた俺は死神からかけ離れたものになりかけていたから、奪い取る姿はカルーアには見えなかったのだろう。

カルーアは唖然として自分のて手を見つめている。


「.......ッハァ」


薬を飲んで息をつく。すると衝動は嘘のように収まっていった。


「お前.....俺に何か隠してるか?今の動きは元人間の動きじゃねぇ。それにさっきも言ったがその薬は一粒飲むだけで人間、死神問わず昏睡状態にする劇薬だろ?それを何粒も飲んで無事なはずがねぇ。蓮。何を隠してる。」


カルーアは妙に勘がいい。

もとよりこのまま隠し通せるとは思っていなかった。ただ話すのが面倒だっただけなのだが。変に思われて任務に支障をきたすのは避けたかった。


「お前の隠し事なんざわかるんだよ。どうせマスターしか知らないんだろ。」


ばれてやがる。しょうがない。


「わかった。ついて来い。 したら話してやる。」


俺はカルーアと共に部屋へと戻った。

黒兎です。引っ越しや入学式etc...でぜんっぜん投稿できませんでしたすみません!!!

半年くらいですか...本当申し訳ないです。

学校の事情等があり、投稿頻度はかたつむりかもしれません。

頻繁に投稿できても内容が短いかもしれません。

それでもちまちまみてやるとかいう方がいらっしゃったなら泣けますm(。≧Д≦。)m

これからも精進いたしますので、よろしくお願い致しますm(_ _)m

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