幼少期〔小学校卒業まで〕2
俺の記憶が確かなら、小学校3年位の話だ。
近所のタバコ屋からタバコを盗み出して、悪友達と分け合った。
当時は、悪い事を出来る奴がカッコイイなんて考える年代だった。
覚えは無いだろうか?
周りの真面目君とは違うんだ俺は。
アイツらが出来ない事を出来ちゃう俺すげえ。
今にして思えば馬鹿なだけなのだが、普通にこう思っていた。
ケツの青いガキが粋がって意味も分からず非行に走って、自画自賛していたのだ。
当然ながら、周囲の反応は冷めたものだ。
いつの時代でもルールを破る愚か者には世間は冷たい。
ある店では俺を見ると、露骨に顔をゆがめる、売買拒否もあった。
金は払うと言えば、どこから盗んできやがった!?と怒鳴られた。
買い物が出来ても、後で家族に俺の所持金を確認された。
家族すらも俺を信用しなくなってきていた。
登校前に少し姿が無いと、どこかでタバコを吸ってきたに違いない。
そう勘繰られもした。
全ては因果応報と言えるだろう。
当時の俺は、そうは思わなかったのだが。
俺をそうまで信用しないなら、それなりの人間になってやる!
そんな考え方をして、行ないを正そうともしなかった。
周囲との溝が深まる中で、俺は順調に進級していった。