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Si je tombe dans l'amour avec vous  作者: 篠宮 梢
第五幕:信じあい、助け合い、支え合い、愛し合うと言う事
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♪、67 二人だけの誓い

更新・・・。

 嵐が去ったあとは、何かと大変で。


「・・・、とりあえず、何か食べるか。」


「そう・・・、ね。流石にお腹すいたし。そう言えば、さっきは何作ってたの?」


 短時間に色々とあり、鍋が火にかかっていた事も、今まで失念していた。

 普通なら焦げるなり火事になるなりで、途中で気付くのだろが、運良く何事もなかった。


 ペタペタと裸足でキッチンの方へと歩いて行き、鍋の蓋を開ければ、黄金色の液体が美味しそうに輝いていた。


「おいしそう・・・。」


「お湯にコンソメ入れただけだ。これから野菜とベーコンを入れて、ショートパスタを入れる。」


 複雑そうな顔で、まだ何もしていないと言われ、私は恥ずかしく思い、それを隠す為に、あるお願いを智にした。


「ねぇ、?」


「なんだ」


「セロリだけは、絶対に入れないでね?」


 言葉にしただけで、あの独特の青臭さが蘇る。


 昔からあれだけは食べられなかったのだ。

 幾ら生で食べられるからとて、あれだけはひもじくても食べなかった。

 アレを食べるくらいなら、青汁を飲む方が幾分かましだと思っていた。


「そうか、セロリ嫌いなのか、吉乃は。なら、今日からは好きになって貰おう。」


 ニタリ、と、私の願いを、非常に意地悪気な笑みで却下し、智は冷蔵庫からあの野菜を取り出した。

 

(智って、こんなに意地悪だったの?)


 私が食べられないって言ってるのに、と、涙目で訴えれば、智はおかしそうに笑っていた。

 しかも失礼な事に、泣き笑いである。


「そんな顔するな。」


「だって、」


「俺も最初はセロリは嫌いだったんだよ。でも、今は食える」


 智はそうでも、私は違うかもしれないではないか。

 まったく何を言っているんだか。


「これからはこうしてお互いを知り合って行けばいい。俺達はこれからなんだから。」


 智の言葉に拗ねていた私は、静に耳元に囁かれた智の言葉に、智が私に本当は何を言いたいのかを悟った。


 まったく、これだから智には叶わない。


 コンロの火をカチリと止め、私は智の首に腕を回し、精一杯背伸びし、智の耳元で囁いた。

 そして、私のその囁きに、智は驚きに目を見開いたけれど、それでも嬉しそうに私を抱きしめ、寝室へと連れて行ってくれた。


 お腹は空いてはいるけれど、でも今は・・・。


 

 その日、私と智は、一日中布団の中にいた。


 身体を重ねる事だけが愛しあう方法ではない。

 ただ触れあい、手を握り合うだけでも、心は満たされる。


 そうして私達は誓いあった。


 これからは、二人でお互いに支え合い、信じあい、愛しあい、助け合おうと。




  

短いですけど・・・。

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