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未来少年  作者: 織間リオ
第二章【サイコストの覚醒】
7/30

7、超能力戦争、開戦

 超能力者サイコストが姿を隠して生きる世界。その中で生きるサイコストのうちの一人、魂波闘也こんば とうやは、無口でありながらも、新たなサイコストと出会っていく。その不可思議なめぐり合いの中で、起きた、炎天中生徒行方不明の事件。追った先で遭遇したのは、自らをエスパーと名乗る超能力者であった。

 エスパーとの会話の中で出てきた、ソウリール・エスパーなるものの名は、闘也にとって、もう出会うことがないと思っていた、父の名であった。

 非現実的な理想の元に家を出て行ったソウリールが、サイコストに対して行った宣戦布告。それを受けて、それぞれが覚悟を決め、開戦に備えていた。そして・・・・・・。

 次の日の朝、闘也はかばんを手に持って、普段通り登校。中身も普段通り。だが、それぞれ、非常食と水くらいは、隠し持っておくように言った。そのため、いつもより、かばんは重かった。

 学校に行くまでは変わらない。朝のホームルームの時間も変わらない。変わったのは、二時間目くらい。ちょうど担任の授業だった。

 闘也は左側、窓の外が赤くなったと感じた。とうとうきたか・・・・・・。窓の外を振り向く。はるか遠くにある山が燃えている。山だけでなく、その周辺も燃えている。担任も他の生徒も、それを見ていた。そこまでなら、山火事だと、通報するぐらいで済むだろう。問題はそこからだった。山の炎が大きくなり、そして、爆発。これにはほとんどがショックを受けていたし、パニック状態に陥った。そこで、闘也、乱州、的射、秋人の四人は立ち上がった。

「先生。重要な話があります」

闘也が喋った。ほぼ全てが、重要な話の内容より、闘也が喋ったことに驚いていた。

「これから、戦争が始まります」

最重要なことを闘也が喋ると、続いて乱州が、

「そして、相手は超能力者です」

とうてい信じられない話だろう。そこに的射が追い討ちをかける。

「私たちも、超能力者です」

そして、秋人が、

「といっても、敵は俺たちとは違う種族の超能力者っすけどね」

「先生」

「は、はい?」

「俺たちは戦います。この地球を守るために」

間抜けな担任の返事もおかしかったが、みんなを安心させるため、すこし笑って見せた。後方の炎はさらに大きくなっていく。食料等は、すでに腰のポーチに入っていた。闘也は指示を出す。

「秋人。翼を出せ、全員、それに乗っていく」

「了解」

秋人が窓から飛び出した直後、背中から見事な翼が生える。結構な大きさだ。三人はそれに飛び乗る。

「先生」

「へ、へぃぃ」

やっぱりおかしな返事だ。いい思い出になりそうだ。

生徒達みんなを非難させなくていいんですか?」

それで、はっとした担任は、生徒達を集め、廊下に並ばせた。全員がグラウンドに非難したのを見届けてから、秋人は羽ばたいた。これでも、俺たちは軽い方らしいな。安定した飛び方をしていた。

 山火事のあった方へと急ぐ。かなりのスピードだ。秋人曰く、これでも、三割のスピードだという。山のふもとに四人は降り立った。すごい山火事だ。だが、これに気にしている暇はない。急いでエスパーを探し出し、殲滅させないといけない。

「よし、別れて行動しよう。けど、的射は後方で支援する感じだから、乱州と一緒に、行動してくれ」

「リョーカイ」

「わかったわ」

「了解だ。相棒」

四人はうなずき、それぞれ散った。


 秋人は学校と山の間を探索。結構な距離だが、秋人ならば、この程度は簡単に探せる。この間には、公園、小さな林、住宅地があった。住宅地は、さすがにいなかった。公園にでたところで、ちょっとした集団を発見。人型だが、サイコストとは思えない。

「お!サイコストだヨ!皆の衆!かかるんだヨ!」

隊長っぽいやつが指示を出すと、その部下であろう者たちが、三十人ほど、攻めてきた。

「このくらいなら、三十秒もあれば倒せるぜ!」

秋人は正面から突っ込んだ。


 乱州と的射は、山の反対側を捜索していた。的射は、スナイパーライフルを肩にかけていた。山の向こう側は、ほとんど森だ。そのなかの少し開けたところに、エスパーたちが集まっている。

「的射。誰でもいい。狙撃しろ」

「うん」

的射が発砲すると同時に、乱州が飛び出す。

「てええりゃぁぁっ!!」

巨大化させた腕を振り回す。エスパーがどんどん倒れていく。まだ、息があるものに、的射が止めをさす。このあたりの敵は、殲滅できたようだ。


 闘也は住宅地と、その後ろの山を捜索した。住宅地にエスパーはいなかったが、山にはあちこちにいた。魂と協力しながら、敵を殲滅していった。頂上付近には、そりゃあもうすごい数だ。軽く百はいるな。闘也は拳を構えた。このくらいの敵を倒せないようでは、他のみんなに示しがつかないし、なにより、父に、ソウリールに勝てない。

巨大火球ギガントファイヤボール!」

巨大な球状の火を投げ込む。ほとんどが焼けた。魂と分離する。残りの敵を、なんとか殲滅できた。そのとき、闘也の前に、一人の男が現れた。敵を二十三秒で殲滅させた秋人のまえにも、乱州と的射のまえにも、それぞれ違う者が降り立った。


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