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未来少年  作者: 織間リオ
第三章【四天王とESP】
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16、復活

 いつものことながら、あの穴に今晩も宿をおく。皆が寝静まったころ、闘也は起きた。というより、誰かに起こされた。誰だろうか。乱州や秋人のいびきが聞こえてくる。じゃあ、由利か的射だろうか。視界が少しずつ広がっていく。目の前には的射が立っていた。

「的・・・・・・いっ!」

腕を引っ張られる。そのまま穴のそとに出た。それからももう少し歩いた。穴から百メートルくらい離れたところに来た。森の外に出たようだ。なんで俺を連れてきたんだろう。

「闘也・・・・・・」

「何?」

「その・・・・・・私、いっつも、闘也や、みんなに守られてばかりで、みんなに迷惑かけてるんじゃないかと思って・・・・・・」

「何言ってんだ。仲間だろ」

そういうも、的射の表情はどこかつかめない。

「その・・・・・・私もっ・・・・・・」

的射が闘也の胸に飛び込んでくる。闘也は困惑したが、的射の言葉を聞いた。

「みんなのこと、ずっと守りたい!!」

的射は本気だ。その声は涙ぐんでいる。闘也は、それでもどうするべきが迷った。動揺しながらも、闘也は的射を抱きしめて言った。

「俺も、お前を守る」

その瞬間、的射は自分の唇を闘也の唇にそっと付けた。すぐに的射は唇を離して、走り去ってしまった。恥ずかしいのだろうか。まぁ自分もそうなのだが。闘也もゆっくりと歩いて、森の中へと入っていった。


 そんなことのあった次の日。ブリーフィング終了後、今回はすぐに出発した。四天王だろうか。頭痛がするぐらいのエスパー反応がする。エスパー反応のあるほうへと急ぐ。

 かなり開けたところに着いた。確かここは運動場だったはずだ。四人のエスパーがなにやら話をしている。幸い、こちらには気づいてないようだ。闘也達は茂みに隠れてその話を聞いた。

「もう八幹部の予備は一つずつ位しか生み出せないぞ」

「分かっている。もうあの御方の命を削ってはならない」

「じゃあ、もう八幹部を生み出したら」

「たぶん、それ以上の戦力は出せないだろうな」

四人の会話を整理する。今までエスパーというのは、何者かの命を削ることによって生み出してきた。けど、もうかなり削ってしまったため、八幹部は再び生み出すので限界に達する。そのせいで、もうこれ以上戦力を増やせない状況らしい。

「ところで」

一人のエスパーが話を変えるようだ。

「そこに隠れているもの。今すぐ出て来い」

どうやら、悪い話に変わってしまったようだ。仕方ない。闘也は茂みから出てきた。他の四人も仕方なく出てきた。

「なに!?こいつら、いつから・・・」

「こいつらは俺達が戦力がどうこうの話をしているあたりで現れた」

「ん?おい!あそこの小僧は、ソウリール様の子供で、要注意サイコストのリストに登録されていたやつだぞ!」

「他のやつらも、リストに載っていたぞ!」

「なら、しかたない。再び八幹部を復活させる。実力者の五人とはいえ、八人が一気に襲って来たら太刀打ちはできないだろう」

そういい終わると、八幹部が出現した。

「もし生き残れたら、貴様らの相手をしてやる。生き残れたらな」

そういって、四天王であろう四人は運動場の奥の山へと姿を消した。八幹部には強いやつだっている。もちろん、今の自分達なら、簡単に倒せるやつもいるはずだ。闘也の頭の中で、誰が誰と戦うかの作戦が組みあがっていく。結成完了。

「皆!よく聞け!まず最初は、昨日倒したゴードを全員で倒す!そうすれば、土の壁を作られることもない。そして、その後に、乱州はグライブとウォールを!秋人はスピーロとフーリュウを!的射と由利はなるべく遠くからライラーダを!俺はファーガとビーグルをやる!作戦開始だ!」

全員が承諾し、ゴードに向かって走り出した。昨日と同じ戦法でいけば、楽に倒せる相手だろう。的射と由利は後ろから援護に入った。前衛の三人はそれぞれ覚醒し、三人で融合した。かなりの頭痛がしたが、なんとか安定したようだ。後衛の二人は、周りのエスパーの気を引いている。

「やるぜ!超棘鉄拳!!!」

昨日と同じように、棘を纏った拳を握る。それを巨大化させ、さらにそれを秋人のスピードによって連続で叩き込んだ。土の壁を作ったが、間に合わなかったようだ。

「くそぉっ!八幹部の一部である我が、たった一撃でえぇっ!」

そういってゴードは消えた。残りは六人。五人はそれぞれの役割のエスパーの下へと散っていった。

 闘也はまずビーグルの元へ向かった。いきなり巨大な拳をこちらに突進させてきた。だが、こういうときは頭を使うのが得策だ。闘也は、分身を作り出した。それによって、拳が押さえられる。伸びてきたもう一本の腕に飛び乗り、上っていった。ビーグルの顔の辺りまで上ると、武器の能力を発動させた。

「ソード」

魂の方に大きく気力を傾けているため、覚醒を行うことはできず、ソウルは付かない。ただのソードで切りつけた。顔を連続で斬るが、これといったダメージはなさそうだ。それなら、

「覚醒、ソウルソード!」

覚醒してソウルソードを作り出す。作り出してから間髪入れずに連続で斬りつける。だが、やはりダメージは小さいようだ。もっと、一度に大きなダメージを与えられる武器じゃないと効果は低い。一撃・・・・・・強力・・・・・・打撃・・・・・・。思いついた。そして、思いついた瞬間、その武器は闘也の手にあった。両手持ちしなければいけない大きさだが、威力は抜群のはずだ。

「ソウルハンマー」

ソウルハンマーを持った闘也は、ビーグルの顔面を思い切り殴った。ビーグルがよろめく。わずかに距離ができた。

「ソウルスティック」

ソウルスティックに切り替えた闘也はそれを頭上で回転させた。そして、それをまん前に投げる。

「その程度の棒に、やられはしない!」

「それはどうかな?ソウルハンマー」

回転していたソウルスティックはソウルハンマーに変わり、ビーグルの顔面を、連続で殴りつけた。かなりのスピードで殴り続けているため、ビーグルはひとたまりもなかった。次で決める。

「ビッグソウルハンマァァァ!!!!」

巨大なハンマーを作り出し、ビーグルに思いっきり当てた。あまりの圧力に、ビーグルが釘のように地面に突き刺さったあと、そのまま消えた。次はファーガ。振り返った瞬間、火の玉が飛んできた。二回目の戦い。負けるわけにはいかない。


 乱州は、グライブ戦で拳同士をぶつけ合っていた。なぜだ。あのとき戦ったころよりも、かなり強くなっている。こちらの攻撃を全て見切っている。ならば、見切っても防げない技を繰り出すしかない。

巨大爆腕連打ギガントランチャーアームマシンガン!!」

グライブの元で爆発が起こる。爆発の煙が吹きすぎたころには、グライブは消えていた。その瞬間、頭が水に包まれる。頭が水の中ということは、息ができないということだ。こんなかで、この状況の俺を助けられるやつ・・・・・・。乱州はテレパシーで伝えた。

(遠藤!白鐘!どっちでもいいから、俺を助けてくれ!頼む!)

その瞬間、乱州の水が消える。由利が、持っている杖に、水を吸収したのだ。なんとか難を逃れた。感謝するぞ。白鐘。水に包ませたのはウォールだった。予想はついてはいたのだが。

「よし、お返しをさせてもらうぞ!」

乱州は覚醒し、空に飛び上がった。


 覚醒している秋人はスピーロと戦闘。風に浮かせることで楽に倒せたが・・・・・・おかしい。前はこんなスピードなかったはずだ。周りを風に囲まれる。フーリュウか。

「大疾風!!」

囲んでいた竜巻と逆の方向に風を起こし、一時的に風が止んだ。秋人は飛び上がる。この勝負、もらった。カクカクと動いて残像ができるほどにすばやく動いた。フーリュウの目の前に移動する。そして、フーリュウに向かって、最高速で突進する。秋人の頭突き、パンチの両方が直撃したフーリュウは怯んだ。フーリュウの周りを高速で回り続ける。そのうち、風の膜が薄くはられる。かなりの細さ。だが。秋人はフーリュウの周りから離れた。

「エアカッター」

その細い風の膜は、やがて切れる刃物にかわり、フーリュウを一刀両断した。見事に真っ二つ。フーリュウは少しずつきえていった。どうやら、最初にノルマを達成したのは秋人らしい。

(そうだな・・・・・・あの雷坊主くんのお相手でもしますか)

秋人はライラーダに突っ込んで、顔面を強打した。ライラーダが珍しく怯んだ。そのまま、的射と由利に加勢することにした。


 ウォールと戦っている乱州。あのときは、身体の能力で切り抜けることができたが、今回はそうもいかなそうだ。

(殺ってやる。気の済むまでな)

遠距離巨大腕打ギガントロングアーム!!」

巨大な腕がウォールに直撃する。後ろにのけぞり、そのまま倒れる。ウォールは、向こうで戦っているライラーダに接触したようだ。二人ともまだ意識はあるようだ。戦闘の続行は可能らしいな。仕方ない。俺もあれに加勢するとしますか。

 ファーガと戦っている闘也。炎による攻撃が絶えずくる。それをかわし続けているうち、周りを炎で包み、炎のガードをファーガは作り出した。目には目を、炎には炎を!近距離での戦闘はやめたほうがいいが、スティックでも、間合いは遠そうだ。

 闘也は脳内であれに対する攻略法を脳内に創造する。遠距離でも攻撃できる武器。遠距離・・・・・・片手。両方・・・・・・。闘也の頭の中で回線がつながる。闘也は、銃を作り出した。

「ツインソウルガン」

かなり軽い設計だが、普通に連射ができる優れものだ。リロード(銃に弾を込める作業)も自動で行ってくれる。闘也は二つの銃を構え、連射した。炎でのガードを試みたようだが、炎のガードも崩されたようだ。

「ソウルハンマー!」

二つの銃はハンマーに切り替わり、ファーガの頭の横から打ち付ける。ファーガが吹っ飛ぶ。向こうに、エスパーがいる。乱州たちもいる。その方向に、ファーガは飛んでいったこれは偶然だよな・・・。ファーガが他のエスパーと衝突する。闘也もその方向に急いだ。

 どうやら、いいのか悪いのか分からない戦況だな。五対四か。勝てないわけではないと思うが・・・・。その瞬間、エスパーの四人は何かを呟いた。うまく聞き取れない。だが、きつい状況になるのは確かそうだ。

そう時間をおかずに、ゴードが蘇った。五対五なんてとても敵わないのではないか?しかし、そんな推理は微妙なところで終わった。なんと、エスパー五人は互いに息を合わせ、五人で融合したのだ!エスパーも融合できるだけの力を持っていたのか。

「よし!俺と乱州と秋人で融合、的射と由利で融合してくれ!五人で融合といきたいところだが、負担が大きいすぎる」

それぞれが融合した。かなり厳しい戦いになるのは確かであった。。


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