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この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。

私にラブコメは解らない

作者: 歩者
掲載日:2026/05/16

『心』のない読書家の少女×おっとりとしているけど主人公にはぎこちない『隠し事』の少女


特進の話。

「…だよな」

呟き、テスト用紙を畳む。


高校生初めての中間テストが終わり、全てのテスト用紙が返ってきた。


結果が悪く落ち込む人や、テストから完全に解放されスッキリした人など多種多様、それはこの特別進学クラス、特進でも変わらない。


私は、また100点に近い点数ばかり。昔からこう。特進だからといって喜ぶ気にはならない。


「テスト終わったー」「どうだった?」「うーん? ぼちぼちかなー」

遠くの席でおっとりと、友達と話す女子。


私と違って周りから避けられていない、むしろ人気者。おっとりとしているから自然と寄ってくるのだろう、小鳥が飛んでくる大木みたいに。


…。


さて、本を読もう。


引き出しから小説を取り出す。


「ね、ねえ」

ぎこちなく話しかけてくる。


「今日、本屋行かない?」

ぎこちない笑顔。


さっきまで自然体だったのに。


「本屋?」

「う、うん。一緒に」

「どうして?」

「ほらっ、テスト終わったし。ご、ご褒美にさ」

「一緒に行って、貴女に本を買ってあげるの?」

「うんっ。

ダメかな?」


「いいよ」

私はあっさりと返す。

別にこの子が嫌いな訳じゃない。

『心』がない、ただそれだけ。対人となると、余計冷たくしてしまう。心の中だけだと、多少ヒトらしくなるけど、多分。


「よかったー!」

子犬みたいに可愛らしく笑いかけてくる。無邪気に。


この子の『隠し事』をこの世界で唯一知っているから、こんなロボットみたいな私に、話しかけて、そんな顔を見せてくれる。


ぎこちないのは、まだ付き合い方が分かっていないからだろう。『作家になりたい』という夢を唯一知っている私との付き合い方が。


「マ、マンガがいいっ」

「わかった」

「いっ、一冊選ぶから。買って!」

「そうだね」

「えへへー。だからキミが好きっ」


「アンタ、本読むんだね。てか、今好きって」

「えー? 気のせいだよ」

席に戻り友達にごまかす作家志望。若干顔が赤い。


好き、と言われても、何も感じることができないんだけどな、やれやれ。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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