悩む日常
「魔法とかが、使えるようになっても油断しちゃだめですよ。」
「先は長いからな。」
「アカル兄は、まだ、未就学児並の魔法だから本当に過信しちゃだめ。」
まだまだ、補助輪はついたままなようだ。
一晩休み、次の日、朝から父とゲートに向かう。
以前採集したGランクのゲートだ。
「何もしなくても、マナは取り込めるだろうから、採集するなり、モンスターを倒すなり、好きにしていいぞ。」
俺は、父に言われた通り、ガガニポナの枯れ葉と枯れ枝を集めた。
やはり、異世界はわくわくする。
でも、これでいいのか?
これなら、集中のスキルを鍛えていた方がよかったのではないか…。
そんなことも思ってしまう。
「職業の補正はあった方がいい。それはそうだが、せいぜい100年の短い人生だ。好きな時に好きなことして生きた方がいいと思うぞ。」
父は言う。
俺は、それはもっともな意見だと思った。
でも、やはり効率も重要な気がする。
ここで、母の言葉を思い出す。
「どんな目的や夢を持っていたのか?か。うーん。考えたことなかった。俺の目的、夢か。要するに俺が何をしたいかだよな。」
考えながら、素材を採集していく。
「…わからん。兄さんたちは明確な何かがあるのだろうか。」
父が戻ってくる。
せっかくなので、父に聞いてみることにする。
「自分のしたいことがわからない?目的や夢…?答えの助けにはならないと思うが、アカルは、四条の家に生まれた。四条家の持つ財産と責任は継いでいかなければいけない。それは頭に入れておく必要があるかもな。」
「四条の家に生まれた責任…か。確かに、いつまでも、適当じゃいけないのかな。」
「適当でも構わないさ。どんな道に進んでもいい。後悔しないこと、背負うものを決めること。ここだけしっかりしてればいいと思うぞ。」
「…父さん、ありがとう。なんか少し考えることができそう。」
「そりゃあ、良かった。」
ゲートから戻ると、案の定、マナによる体の作り変えが始まった。
そして、俺は、LV2になった。
午後は、体を動かせるくらいになったので、集中のスキルにゾーンの技を使いつつ、剣を振るった。
集中とゾーンはかなり相性がいい。
俺は、精神力と体力の限り、剣を振るう。
1時間程度で、全身クタクタになり、庭の芝生で、横になる。
もう動けない。
いつの間にか近くに来ていた灯夜兄さんが寝転ぶ俺の顔を覗き込む。
「変わらず頑張ってるね。面白いクラスを取得したって聞いたから気になって来ちゃったよ。」
灯夜兄さんは、本当に興味があるのかよくわからない感じで声をかけてきた。
息を整えて答える俺。
「灯夜兄さん。いつ帰ったの?」
「さっきかな。…僕も横に寝ていいかい?」
「もちろんいいよ。」
俺の隣に横になる灯夜兄さん。
「それで、どんなクラスを取得したの?」
「どんなクラスでも適正無視して取得出来るクラス。」
「…それはまた。」
「兄さんは、このクラス、15年待った価値のあるクラスだと思う?」
「…わからないかな。15年分と言われると妥当な気もする。」
「そうだよね。」
「それ以外にクラスは?」
「あとは、壊れた器っていうクラスがカンストしてるくらい。」
「そのクラスは?」
「カンストするまで、技、魔法、スキルを習得できなくするクラスだった。」
「それが、アカルが、全然習得できなかった原因だったのか。うん。確かに15年分の呪いみたいなクラスだ。」
「そいういうこと。もういいけどね。」
「基礎クラスの取得方法教えようか?」
「教えて欲しいかも。」
「わかった。ここじゃなんだし、適当に部屋かりて、色々教えるよ。とりあえず、汗でどろどろなままじゃ、良くないから、シャワーでも浴びて着替えてきな。」
「わかった。」




