縮地
魔力操作のスキルを取ってから、再び魔力を体に定着させてみる。
前回は、上手くいかなかったが、しっかり出来ている気がする。
そう、気がするだけ。
複雑な魔力の流れはやはり作れない感じ。
身体強化型で、作ってみる。
薄い身体強化型になったような気がするが、なにか違う。
多分、失敗している。
「灯羅兄さんどうだろう。何か問題あると思う?」
「完全な器のクラス能力が影響してるんじゃねーか?」
「どういうこと?」
「魔力を固定すると、取れないクラスが出てくる。だから、全クラスに適正がある形に固定されてしまってるんだと思うぜ。」
「ああ。そういうことか。じゃあ、魔力の定着はしない方がいいの?」
「そのままでも良いと思う。というか、出来ないんだろ?」
「うん。」
仕方ないので、魔力に関してはそのまま保留にする。
「空間魔法:空間把握は、どうやったら取れると思う?」
「それは、無理だからあきらめろ。」
「空間魔法は、空間魔法使いのクラスにならないと覚えられない。そんで、空間魔法使いは、条件不明だ。俺もなんでこのクラス取得できたのかわからん。」
「じゃあ、見切りは?」
「下級剣術LV500で覚えられるぞ。」
「わかった。もういいや。出来ることなさそう。肉体操作と魔力操作を鍛えることにする。」
「そうしな。」
あと3日。
2日。
1日。
そして、縮地の先生のところに行く日がやってきた。
場所は、赤鐘岳の山頂にあるDランクゲート前の大岩の上。
無精ひげの男は、座って待っていた。
修行僧のような天狗のようなそれでいて、西洋風の服。
「おう、坊主が座間の紹介か。四条の当主は久しぶりだな。」
「久しいな。小五郎。今日は、3番目の息子を頼む。」
「おう。…集中にゾーン、肉体操作はあるな。これならまあ、なんとか使えるんじゃねーか?早速、伝授と行こうか。」
小五郎と呼ばれた男がこちらに手を向ける。
その瞬間全身の自由が奪われた。
話すこともできない。
「ああ、大丈夫だぞ。縮地の取得方法は、縮地を使う。俺が、操って縮地を使わせればいいって寸法よ。」
縮地は、すぐに身についた。
だが、ひどい目にあった。
全身筋肉痛だし、慣れない速さで気持ち悪い。
「縮地は、乗り物と一緒だ。まっすぐの更地ならいいが、壁とか障害物があれば、衝突する。安全に使うんだぞ。慣れれば、腕だけ縮地のスピードで動かして攻撃とかも出来る。高速戦闘の第一段階だな。」
俺は、ふらふらになりつつ、頷く。
「見切りがあれば、上手く使える。逆に見切りを身につけてLV100くらいになるまでは、縮地は使用しないように。」
「ところで、四条の当主。あいつのところも行くのか?」
「ああ、明日行く予定だ。」
「そうか。俺も一緒に行っていいか?」
「構わない。もとより私に、君を止める権利はないさ。」
「じゃあ、明日。よろしくな。」
俺は、よくわからなかった。
父は、気になるだろうが、明日にはわかるとのことだった。
次の日、向かったのは、氷翼魔法大学研究塔の一室。
縮地の小五郎さんは、なんか昨日より、気合の入った格好だ。
ドアをノックすると、女の人の声で、「入ってください。」と言われる。
3人で部屋に入る。
部屋の中は、とても広かった。
明らかに、外からの広さと、異なっている。
「空間魔法で、広くしてる。それができるほどの使い手が彼女さ。」
小五郎が教えてくれた。
「小五郎はいらない。座間の教え子と、四条炎。ようこそ。」
「四条アカルです。よろしくお願いします。」
「エリー。久しいな。よろしく頼む。」
「任された。でも、テレポートは失敗リスク高いから教えないよ。空間魔法の空間把握を教えてあげる。あとは、しばらく、縮地でがまんして。」
「テレポートって危険なんですか?」
「指だけしか移動出来なかったケースとか、中間地点でバラバラになったケースとか色々あるけど聞く?」
「聞きたくないです…。」
「そういうこと。空間把握は、縮地の手助けになるよ。」
「おう。つまり、俺の縮地とエリーの魔法の合作が生まれるわけだ。」
「小五郎は喋らないで、きもいから。」




