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第1章 観察者 第04話 転生:金属精錬

この物語は、我々の世界とよく似た、別の世界の話である。


 担当者:


 順調に文明がひろがっている。

 お、火も使い出したな、いいね。

 報告もしやすくなった、あちらこちらで集落ができ、広がっている。

 定例担当者会議でも、悪目立ちしていない。

 最初の遅れはあるが、進捗遅れはなく、他との差が最初の分だけと、やればできる子と自分を褒めたい。

 きっかけさえ与えれば伸びる子供なのよと、どこの母親か、ニヤリとして口元が緩む。

 

 彼らの形態は手も足もないので、思考の波動がそんな感じです。


 さて、2回目の転生が使える時が来た。

 今回は、石器から青銅へのお手伝い。

 転生特典が使えるチートは、ある村の記憶と、勇気を付けよう。

 転生したら、我々の事は記憶から消えているから、転生者とは気がつくまい。


 情報入力完了 転生実行 やる気満々です。 


 村の長の息子:

 

 俺は、この村の長の息子だ。

 いつもの村の見回りと称しつつ、仲間と連れ立って村外れの小川で遊んで、夕方に帰ると言う毎日を過ごしている。

 のどかな農村風景は、この俺には退屈で狭いので、村外れの小川の対岸の先に見える山々に憧れを覚えている。

 なぜこんなにもあの山々に行きたい感情があるのかは、わからない。

 時々、山から来た旅人の話を聞いた。その山には、燃える石があるとか、死の池があるとか、眉唾ものの内容であるが、聞きながら、そこにいるかの様に浮かび上がる勇者(自分)が見える、どきどき、わくわく。

 伝承では、山火事が起こり、あたり一面焼け野原になるが、ある場所では、最後まで火が消えなかった。

 その場所を彼らは、畏敬を込めて、崇めた。消えない火の周りに人々が集まり、村ができ、広がりつづけ、火の領地の奪い合いが起こり、大勢の人々が亡くなるが、争いはさらに激化し、劣勢勢力の人々は、自分達が所有できないならと、火の穴に多量の石を投げ込み、火柱が立ち上がるがその後消えた。

 石を取り除いても、消えた火はよみがえらず。

 やがて、村人も火の恩恵がなくなり、村も消滅した。

 いまでも、その場所には穴が空いているし、中を覗くこともできる。

 ただし、その場所へ行くには、死の沼を通らなければいけない。


 俺の何かが、囁く

「行こう、冒険の旅だ、これを逃したら、2度とできないぞ」。

 俺は、長に相談し、一度山へ行き、その場所を調べてみることにする。

 仲間3人で歩いて、行くことにする。

 旅人には大体の道順と水と食糧になる場所を聞き出していた。

 死の沼のあたりの地図は大体毛皮に書いたが、あとは行って考えるつもりだ。


 次の朝、仲間と旅立つ。

 狩りをしたり、川で休んだりと1ヶ月近くかけたが、やっと山の麓に着いた。

 山路は1日もかければ登れるが、干木や雑草が繁、古道は跡形もないので、切り倒しやら、迂回しながら進む。

 匂いが変わる、草の匂いでない、異様な匂いがする。

 進むほどに、草木が減り、視界が広がるが、岩肌は黒く土はカサカサとべっとりが交互に点在している。

 しばらくして、大きな岩肌が眼前に塞がり、周りをみても迂回できそうもないところに出た。

 道を間違えたのだろうと諦めかけたとき、岩肌が光に反射して目に飛び込んできた何かに顔を向けた。

 岩肌には何らかの文字が彫ってあったのだが、この文字が俺には読める。

 なぜ読めるのかはわからないが、「岩の下」と書いてあった。

 この岩の下?足元は硬い岩で下へ行く道はなさそうだが?

 岩の下を丁寧に見回りつつ歩いていると、岩と岩が綺麗に嵌められている場所を見つける、さらに岩にも文字があり、「あわせる」と印が右と左の岩に掘られている。

 多分両方の印を合わせる様に石を動かすことだろうと、木の棒で、石を動かし始める。


 石を合わせると石の隙間が表われ、人が通れる穴が見えた。

 先は暗くわからないが、直感が行けと告げる。

 仲間には、石が動かない様に保持してもらい、自分は穴に入っていった。

 匍匐前進しながら、進んでいたら、草の匂いがし出した、頭のあたりに草らしきものをかき分けると光が戻ってきた、さらに進むと出口に到達した。


 岩の反対側に出た様だ。

 出てから岩を眺めると、そこにも文字がほってあり、火の神と記されていた。


 出口付近には草木以外何もなく、周辺の草を除けると石の台があらわれた。

 祭壇みたいと感じたが、その祭壇の下に文字が多数掘られていた。


 『黒い石を集め、石に火をつけ、川の砂を入れよ、太陽の3回目に、

 黒い塊が丸いほど豊作は約束される。』


 あははは、笑ってしまう。

 なぜかわかる、そうか、この辺りには、金属鉱脈があるのだろう。

 川にはその粒が流れてきている。祭壇は釜の作りになっているのだろう。

 俺たちは、道を間違えて、裏から表に出てしまったんだ。

 裏は、原油が溢れていて、穴に流れてきていた、たまたまの火事で火がつき穴の原油がもえる、供給はされているから、消えることがない、が、穴を閉じてしまえば、温度が下がり、石を除いた時は火は点火しなかった。

 つまり穴は、俺が通った穴と別の穴(原油)があるはず。

 それが石でふさがっているいるからだろう。


 元の穴に潜りこみ、仲間の元へ。

 祭壇の下にあった金属片を土産に村へ帰ろう。


高度な文明を持つ知性生命体でも、人と変わりない日常(喜怒哀楽)。


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