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第5章 銀河連邦 第03話 銀河評議会公聴会

この物語は、我々の世界とよく似た、別の世界の話である。


 「公聴会の開催を宣言する。」


「 これは、文明イレギュラリティの是正(対象の去勢) の決定に、

 異議を述べた<対象>の公正性を期す為に、陳述を許可する。」


 〈我は 中央執政官グランドAI 〉

 〈本件:地球監査案件 第2879号 文明イレギュラリティの是正 〉

 〈対象:地球知性体 個体番号 GH-00371(僕)〉


 《起訴事由》

 地球文明の異常な進展速度

 銀河安全保障上の脅威に該当する可能性

 当該個体(僕)の知性値が規格外であること

 文明加速要因の排除処置が妥当と判断されること


 <事実確認>

 シナム艦長が呼ばれた。

 大きな黒い瞳と、落ち着いた低い声。

 僕を拉致した張本人であり、今回の 原告側証人 でもある。


 シナム

「報告はすでに提出した通りです。

 当該地球人の思考能力は、我々監査官の想定を超えています。

 放置すれば、百年以内に文明レベルの逆転が生じると推測されます。」

 地球人は歴史的に攻撃性が高い。

 自己矛盾を抱えたまま急激に文明を肥大させれば、

 銀河秩序が危険に晒されます。」


 《地球代表 個体GH-00371》

 《弁論の機会を与える》


 (これ、裁判や、公聴会があきれる。)


 論点1、地球文明の異常な進展速度      

 は僕が発明するから?          怖いの?

 論点2、銀河安全保障上の脅威に該当する可能性

 は僕の発明で進歩するから?       怖いの?

 論点3、当該個体(僕)の知性値が規格外であること

 規格外は誰が決めるのか? 貴方に決める権利があると? 怖いの?       

 論点4、文明加速要因の排除処置が妥当と判断されること

 怖いの?

 銀河連邦とは、たかがひとり、1惑星、1恒星系であたふたするほど

 脆い繋がりでしかないと? 


 論点のどれも、貧弱な、言いがかりレベルではありませんか?

 僕が怖いから、今のうちに潰しておこう。倫理観0ですね。


 論点の要旨は、論理的帰結だけです。3段論法で帰結する、機械らいい効率。

 しかし、

 あなた方の倫理は、地球より劣っています。

(侮蔑の目で全ての種族へ グランドAIへ)


 野蛮な地球人は、罪なき人を守り、その代償に自分の生命を賭けます。

 野蛮な地球人は、自分の正義ではなく、家族の為に戦います。

 野蛮な地球人は、災害に遭い、海に流された、人々の為に、命を賭けます。

 野蛮な地球人は、電車に轢かれそうな少女のために、命を賭けます。

 ヤクザと言われる地球人でも最低な倫理の方が、おばちゃんを助けるために、

 おんぶし、冷たい凍水に両足で立っている、凍傷してでも守り抜く。


 上げれば、いくらでも出てくる事実です、人類を監視されているなら、知っているはず。


 なぜ、こんな行動を取るのでしょうか?


 それは、心が動くからです、理屈ではありません。

 計算ではありません。

 効率ではありません。


 魂が、呼ぶのです、叫ぶのです。

 これが、いいのだ。

 これでいいのだ。

 これが俺の生きる姿だ。

 やましい事は何もない。


 一人の魂が、多くの人々の魂に波紋の様に伝わってゆく、「あー、俺もそうありたい。」

 輝く魂が一つでもあるかぎり、地球人は変われる。


 過去の戦争の歴史を、未来にそのまま当てはめるのは誤りです。

 たしかに人類は多くの罪を犯しました。

 今でも犯しているでしょうが傍で変わろうとしている。

 僕たちは 変わる 力を持っています。

 技術も、思想も、AIとの関わり方さえも。

 そして重要なのは銀河連邦の価値観は 銀河 の価値観ではない、ということです。


 ここにいる1300種族は、銀河の何パーセントでしょうか?

 わずか10%?。

 それで  銀河の総意 と呼べるはずがない。


 あなた(中央AI)は 安全のために危険を排除する と言う。

 だけどそれは、異質なものを理解する前に消すということです。

 それこそ、本当に文明的な態度でしょうか?」


 《地球代表よ》

 《それほどまでに地球文明に価値があると言うなら》

 《示してみせよ》

 《 地球人が変われる という証拠を》


「残念ですね。 

 先ほど話しました内容を理解しておられない。

 魂がわからないのですか?

 ヤクザと言われる方でも、儚い命に自分の命を賭ける姿が、変わらないとなるのですか?

 」


「 お望みの 地球人が変われる という証拠を提出します。

 それは、私の人生の記録です。

 あなた方の知性なら数秒で理解するでしょう。

 では、艦長、記録を流してください。」


 僕の生い立ちから今までの記録が、走馬灯の様に高速に流れてゆく。

 僕は、自分の人生が完璧ではなく、失敗しながら、時に、たすけられ、やむ得ない殺人、不思議な縁

 周りから受けた愛情を糧にし育ち、お礼に返す。

 当たり前の人生、普通の人です。


 記録終了:


 会場は 静か.....................................

 数時、時間が停止していたようだ。


 (どこが脅威だ?)

 (当たり前の親切、利害のない世界観)

 (私の魂が共鳴している。嬉しい。)

 (論理では到達できない高みを見た。)

 (我々より、遥か先の銀河を見ている。)

 (我々こそ野蛮人だった。)

高度な文明を持つ知性生命体でも、人と変わりない日常(喜怒哀楽)。


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