前へ目次 次へ 33/35 33:【報告】 美音は殺風景になりがちな墓地を淡々と歩いていた。そこで立ち止まって座り込む。 「母さん、夢、叶ったよ」 母さんの墓前に合格通知と入学案内を置く。 「琴音とも会えたし、大事な友達もできたよ。母さんのピアノ、駅に置いちゃった。でも、母さんが言ってたみたいに、色んな人が弾いてるし、誰かのために思って弾いてると思う。私の勝手な解釈だけど、きっと喜んでくれてるよね」 私はそういうと、そっと書類を抱えあげる。 「それとね、今度こそ、私のほうが上手いって、言わせてみせるよ」