表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/35

15:【答え】

 私はるりの告白にすごく驚いていた。今まで、そんな目で私を見ていたのだろうか。

 だからといって拒絶や嫌悪という感情はなかった。それがまるで自然かのように。ずっと一緒にいたんだ。何も気づかなかった私はどれだけ鈍感なんだろう。

 るりはずっと私を支えてくれた。私が受けた最後のコンクール。弦の切れた私は何もできなかった。あらゆる感情が吹き飛んで心は静かな湖面のようになっているが、それはただ単に「無」になっただけ。そんな私にるりはずっと寄り添ってくれた。私は音楽から逃げたけれど、それにも何も言わなかった。ただ、また高校一緒に行こうねといつもの明るい笑顔で手を取ってくれた。

 そんなるりに答えを伝えたい。きっと私は不器用だから、言葉で伝えられないかもしれない。私はずっと音楽が嫌いだった。でも…、少しでも、るりへの気持ちが伝わるなら…。

 私は震える手を鍵盤に置いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ