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スキル発現


 大森林が広がる森の中の活火山の麓にある開拓村。


 20人もいない小さな開拓村にある小屋の一つに、今まさに命の危機に瀕している子供がいた。その子供は村のまとめ役である家の子で、子供の容体は原因が分からない高熱が数日つづいていた。村に備蓄していた数少ない熱さましの薬を服用しても良くなることはなく、最悪の場合もあることを村の医療の知識がある住人に言われるほどだった。


 子供の両親が祈るように見守り看護するなか、ベッドに眠る子供は息苦しく倦怠感がある状態で目を開けることも出来ないほどにうなされている状態で、はっきりしない意識の夢幻の様な現実感のない光景を夢に見ていた。


 何かを映し出す薄い箱の中に世界がある。その世界の1人となって生活して農業、畜産、採掘、鍛冶、料理、恋愛、結婚、子供、1人の人生を体験できる物語。なぜかとても簡単そうに作物が実っていたり、動物の世話が出来ていて、収穫したものをずっと保存しておけるらしい。


 そんな夢のような世界を見ている。


 もし、この世界のように食べるものを手に入れられたら、父さんや母さん、妹が今よりもっと笑って暮らしていけるのに・・・そんな叶う事もない夢と思いながら、永遠にも続くような苦痛の中をただ生きるために耐えていた。


 数日続いた子供の容体は最悪の事態も想定されたが、家族や村人の介護のかいもあって次第に回復していった。


 ハッキリと意識を取り戻して子供が目を覚ますと、家族は駆け寄り泣きながら子供の無事を喜んだ。子供は、状況が分からなかったのか戸惑いながらも感謝の言葉を助けてくれた家族に伝えて、見舞いに訪れてくれた村の皆にも感謝を伝えた。


 数日後、体調も完全に回復したから体を慣らす為にも動いた方がいいと、心配する家族を説得して家の近くで軽く体を動かす許可をもらうと、家の裏にある訓練用の広場に使っている場所へと向かった。


「いったいどうなっているんだ・・・」


 少年は周りに誰もいない広場で少年は目の前に見える()()()()の様なものを見ながら呟いた。


 この目の前に見える薄い箱の様なものは、家族や見舞いに来てくれた村のみんなの反応を見る限り自分以外に見えてはいないのだろう。そして、映し出されている内容も不思議な事だが何故か理解できる。それは、熱でうなされている間に見た内容に近い事だったからかもしれない。


「これは・・・夢の世界で言っていたもの?」


 モニターに映し出されている画面には、夢でステータスとスキルと書かれていたものが映し出されていた。


~~~~~


【ステータス】

名前

リヒト(・エスポワール)


能力値

マナ  10/10

魔力  60/60


【スキル】

箱庭 Lv.1 0/10

・収納

・農業


~~~~~


読んでくださりありがとうございます

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