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村の住人②(メディカ・メデサ)



 リアンとオルレアンの2人に話した後に向かったのは、開拓村で唯一の薬師をしている老夫婦が住む家だった。


 老夫婦が住む家の前に着くと、リヒトの父が扉を叩いて声をかけた。


「メディカさん、メデサさん。今朝伝えた通りだ!話したいことがあるから開けてくれ」


 家の中から女性の返事が微かに聞こえた。少しだけ待つと扉の衝立を動かした音が聞こえてから扉が開けられた。


 扉を開けた女性は、開拓村で薬師をしている女性で名はメデサといい、自身で老夫婦だと言っているがあまり年を取っているとは思えない見た目の女性で、夫婦である夫のメディカの歳は60近いと言っていたから、あまり年が離れていない事を考えても信じられないほど若々しかった。

 メディカが歳相応の見た目なのもあって、子供たちの間では魔女ではないかという話しも出たりしていた。


 扉を開けたメデサはリヒトの家族を見た後に、穏やかな笑顔で中に入るように促した。


「よく来たね。話は聞いてるよ、入りなさい」


 家の中に入るといろんな薬草の匂いがして、高熱の時に飲んだ飲み薬の味を思い出して思わず顔をしかめてしまった。

 ふと、手を繋いでいた妹のリタが手を離したのでどうしたのかと見ると、リタも匂いがきつかったのかう~う~言いながら鼻を押さえていた。


 その様子を見た薬師のメデサが少し待つように言ったあと奥の作業部屋に行ってすぐに戻ってくると、小さな子袋をリヒトとリタに渡した。その子袋からは花の香りが感じられてとても落ち着く匂いだった。

 リタも気に入ったのか包み込むように子袋を持つと、鼻の前まで持ってきて匂いを嗅いでいた。


「ふわぁ~いぃにおぃ」


 二人でメデサさんにお礼を言ってから、よほど気に入ったのか笑顔でずっと匂いを嗅いでいるリタを誘導して家族4人が並んで長椅子に座った。


 メデサさんはおじいさんを呼んでくると言ってまた奥に行った。メデサさんが呼びに行っている間、匂いにも慣れてきて初めて家の中まで入った事もあって、自分の家とは違いいろんな植物が置かれているのが珍しくていろいろ見ているうちに、メデサさんがメディカおじさんを連れて戻ってきた。


 二人が席に座るとすぐにメディカおじさんが今日は何の用できたのかを訪ねてきた。


「開拓村の今後にもかかわる話と言っておったが、日々を生きるのも厳しいこの村でどんな変化があると言うんだ」


「はい、これから話すのは‥‥‥」


 父は、村に住む住人にだけ話している事と決して他言しない事を約束するようにまず話した。


 父の話しを聞いて、世間話程度ではない事を理解した老夫婦は、違法な事でないのなら約束出来ると言ったので、父が十分ですと返事をした後にリヒトのスキルの事を話し始めた。



 父も話すのが二回目で要点を押さえて話したのと、老夫婦が途中で質問する事もなく最後まで話を聞いてくれていたことで、リヒトのスキルについては全て話すことが出来た。話の内容を聞いた老夫婦はしばらく黙っていたが、父が何か聞きたいことはないか尋ねると、目を閉じ考えるように聞いていたメディカさんが戸惑うように話した。


「そうだな。正直話を聞いただけではとてもじゃないが信じることは出来ん・・・だが、お前たちの家族が嘘をついているとも思ってはおらん。だから、話した内容は真実なんじゃろう」


 メディカさんの言葉を聞いたメデサさんは、メディカさんの言った事を肯定するようにうなずいた。


「そうね。何とも不思議な話だけど、未来が見える人や魔術を使える人だっているくらいだもの、他にも不思議な力を持つ人がとは思っていたけど、こんなに身近にいるとは思わなかったわ」


 メディカさんは疑いながらも父と母とこれまで過ごしてきた経験を根拠に話した内容を信じたようだが、メデサさんは話した内容を疑いもせずに信じてくれていて、おっとり朗らかに微笑みながら珍しいものを見たぐらいの驚きようだった。


 父は何か聞きたいことはないか尋ねたが、特に聞くことはないとメディカさんは言って、メデサさんにも聞かれることはなかったので、話は父の開拓村の発展の計画について話す事になった。

 大人が話している間が暇になったリヒトとリタは、途中で家の中にある植物をメデサさんに説明してもらいながら見せてもらい時間を過ごした。


 一通り大人たちの話しも終わって家を出る時には昼過ぎになっていた。


 最後の村の住人に会うには少し時間が早かった為一度家に戻った。


 そして、家で一時間ほど過ごした後、一番日が差す時間帯には家に戻って来ている最後の住人に会う為に家を出て向かった。



読んでくださりありがとうございます

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